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正刻男 ②/全5話【創作台本・世にもになるまで書いてみた・107作目】

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○ そば屋

 男性社員 美味しそうにカツ丼そばセットを頬張っている。
 
隣 うめ~ ここのカツ丼、出汁がきいてて・・・
  ・・・おい! ボーッとすんなよ!

 主人公 そば屋の時計に釘付け。かなり古い壁時計。年季が入っている。

主 ・・・なぁ。あの時計も絶対ずれてるよな? 
  しかも5分もだぞ? おかしくね?
隣 おかしいのはお前の方だろ。
  なんなんだよ。さっきから時計、時計って・・・
主 もう我慢できん! すみませーん!

 主人公 店員を呼ぶ。

店 はい。追加のご注文・・・
主 あの時計ずれてますよね? 今、12時8分なのに見て下さいよ。
  12時3分になってるでしょ!?
店 申し訳ございません。古い時計を使っているもので・・・
主 じゃあ僕が直しますね! 
店 いえ、後で修理しますので・・・
隣 そうだぞ【主人公の名前】! いくらなんでもやりすぎ・・・
主 (男性社員を無視して)
  いやいや遠慮なさらずに! 工具ってありますか?
店 こ、工具ですか・・・? いや、ですから後ほど修理に・・・

 主人公と店員 修理するしないの押し問答を繰り返す。
 男性社員 ただただ困惑するのみ。

○ オフィス

 主人公 脚立に登って、壁時計の時刻を、自分の腕時計と同じ時刻に直している。
 周りはそんな彼を不思議そうに見ている。
 隣席の男性社員 上司から話しかけられる。

上 おい、アイツ何してんだ?
隣 見ての通りですよ。今日ずっとああなんです。
  ずれているのが嫌なんですって。
上 はぁ・・・

 主人公 時刻を直し終わり、とても満足げ。

主 これでよし。あと直す時計は・・・(辺りを見渡し)
  あ、課長の時計も数分ずれているな! 直さなければ!

 主人公 脚立から降り、課長のデスクに向かう。

○ 主人公宅・リビング

 その日の夜。
 主人公 テーブルの上に家中の時計を集め、ご満悦。どの時計も「9:25」と、時刻がぴったり合っている。

主 (心の声で)す、すばらしい・・・ どの時計も正確な時刻・・・
  これでこそ時計ってもんだよな・・・ 
  そうだ! 明日は休みだし、実家の時計も直してくるか! ・・・ん?

 主人公 ふと自分の腕時計を見て、針の動きが鈍くなっていることに気付く。

主 ・・・え? 針遅れてる? いつから? もしや今日一日ずっと・・・?
  てことは・・・

○ そば屋→オフィス

 これまでの自分の行動が、モノクロ映像で流れる。

○ 主人公宅・リビング

 主人公 正確な時刻に囚われ、混乱している様子。

主 全部ずれてるってことだよな・・・?
  じゃあ今って本当は何時何分何秒なんだ・・・?

 テーブルの上に置かれたデジタル時計のカット。

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