見出し画像

残機 ①/全7話【創作台本・世にもになるまで書いてみた・134作目】

これまでの話はこちら!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

○ 主人公の勤務先・オフィス内

 主人公の部下A(20代前半・男性) 主人公の机の前で、反省している。直立不動で主人公の説教を聞いている。額の中心には特徴的なホクロ。

主 (声のみ・怒鳴り声)いい加減にしろよ! 
  取引先にも迷惑かけてんだぞ!?

 主人公(50代後半・男性) 怒りに満ちた表情。

A (声のみ・震えた声)も、申し訳ありません・・・

 主人公と部下Aを真横から映したカット。

主 あのな。ミスするなとは言わん。なんで隠そうとした?
A そ、それは・・・

 主人公の表情カット。

主 (呆れかえった表情で)はぁ?

○ 主人公の自宅・リビング

 その日の夜。
 テレビ画面のカット。21時台のニュースが流れている。女性アナウンサーがこの日の特集を進行中。

女 「失敗するのが怖い」と感じている若者は、実に80%を超えており・・・

 主人公 晩酌をしながら、難しい顔で考え込んでいる。
 主人公の妻 主人公に声をかける。

妻 あなた、どうされました?
主 いや、失敗するのが怖いって感覚がわからなくてな。
妻 はぁ。
主 うちにもいるんだよ。こういうヤツ。
  「失敗したら怒られそうで・・・」とかほざきやがって。。。
  精神的に弱すぎるんだよ!

 主人公 コップに注がれたビールを一気に飲み干す。
 妻 空になったコップにビールを注ぐ。

妻 まぁまぁ。私たちが若い頃と今は違いますし・・・
主 いーや、関係ない。
  俺らが若い頃は、残業だの、上司からのイヤミだの、当たり前だったろ?
  それが今はなんだ。働き方改革だ、ハラスメントだ・・・ 
  恵まれた時代に生きてんのにな。ワガママすぎるっての。。。
  あの頃になんか何億貰っても戻りたくねぇよ。
妻 それはそうですけど・・・
  今の子たちだって苦労してるんですよ。わかってあげてくださいな。
主 だいたい、一回ミスしたくらいで死にゃあせんのにな。
  だというのに・・・

 主人公 若者たちに対しての愚痴が止まらない。

○ 主人公宅・外観

 翌朝。
 主人公宅の外観カット。横に白字テロップ「翌朝・・・」

○ 主人公宅・洗面所

 主人公 寝ぼけながら顔を洗いにやってくる。洗面台の前に立った瞬間、異変に気付く。

主 ・・・ん? なんじゃこの数字?

 鏡に映った主人公のカット。主人公の頭上に「001」と表示されている。手をかざすも、触れない仕組みになっている。

○ 主人公宅・リビング

 主人公の妻 朝食をテーブルに並べている。
 そこに主人公がやってくる。どこか不思議そうな様子。

主 なぁ、俺の頭の上に数字あるか?
妻 はい? 何言ってるのよ?
主 いや、鏡に映ってたんだよ!
妻 寝ぼけてたんでしょ。

 妻 主人公のことなど気にせず、朝食を食べ始める。頭上には100の数字。

主 違うっての! 本当に見たんだって! ほら! 100って数字が・・・
  そういうお前も、100って出てるぞ?
妻 はぁ? どこに?
主 頭の上だよ! 
妻 (頭を触って)・・・? 何もないじゃない? 変な人ね。

 主人公 反論したいが、言葉が出てこず、やきもきしている。

妻 ほら、早く食べないと遅刻しますよ。
主 ・・・・・・少しは信じろよ。。。

 主人公 信じない妻を疎ましく思いつつ、朝食を食べ始める。

○ 主人公宅・玄関

 主人公 出勤のため、家から出てくる。

主 (家の中に向かって)じゃあ行ってくるよ。
妻 (声のみ)はーい。気をつけてねー

 主人公 扉を閉め、駅に向かう。頭上には「100」の表示。

○ 主人公宅近くの歩道。

 主人公とすれ違うサラリーマン。家に急いで戻っている。頭上には主人公と同じく「100」の表示。

サ (焦りながら小声で)やばいやばい・・・! 定期忘れた・・・!

 サラリーマンの後ろ姿カット。頭上の表示が「100」から「99」に減る。

 再び主人公のカット。頭上の表示は「100」のまま。
 タイトルテロップ『残機』


いいなと思ったら応援しよう!

あじふらい【奇妙な世界を目指して1504日目・現在146作目】 ご覧頂きありがとうございます! よろしければサポートお願いします・・・!