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親族 ②【連載台本・世にもになるまで書いてみた・84作目】

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〇 ホテル・宴会場

 主人公の父・ヨシオ(50代後半) グラス片手に開会の挨拶。
 父の横には主人公の母・モトコ(50代後半)。華やかな和装に身を包む。

父 えー それでは私の次男・トモヤの快挙を祝しまして乾杯!

 親族一同が声を合わせ「乾杯!」のコール。老若男女が入り混じった声。
 主人公 高砂に着席させられている。かなり居心地が悪そう。

主 オヤジ。何もここまでしなくても・・・
父 何言ってるんだトモヤ。お前はこの町じゃもう有名人なんだぞ?
  このくらいの新年会を開いてもいいじゃないか! なぁ?母さん。
母 そうよトモヤ。こんな機会2度とないわよ? 
  みんなあんたのために集まってくれたんだから!
主 俺は別にやりたいなんて一言も・・・
  それに有名人じゃないし。俺はただ・・・
? おう、ヨシオ! 明けましておめでとう! 
  あ、モトコさんもおめでとうございます。
父 ようヒデオ! ・・・お前痩せたか?
? いや~ 健康診断で肥満って言われたもんだからさ~ 
父 相変わらずだなお前は~

 トモヤ 父と親族の会話を横目にとりあえずビールを一口飲む。
 そんな彼の元に一人の男性(50代後半・メガネ・中肉中背)がやってくる。その横には妻とみられる女性。
 モトコ 男性の奥さんと話し始める。
 男性 トモヤに話しかける。

男 よぉ!トモヤ!久しぶりだな!
主 ・・・ヒデオおじさん。久しぶり。
男 いやぁ~ すっかり立派になっちゃって! 
  お前すごいな! まさかあの人気番組に出演するとは・・・
  こんな田舎に有名人が出るとはなぁ。しかも親族から! 
  感慨深いなぁ・・・
主 ・・・・・・別にすごかないよ。
男 そんな謙遜すんなって! 
あ、サイン貰ってもいいか? 会社の上司に自慢したくてさ~
主 ・・・いる?
男 当たり前だろ! ほらでっかく書いてくれや!

 男 そう言って色紙とペンを差し出す。
 主人公 一瞬躊躇するも、渋々書き始める。サインといってもフルネームを横書きで清書しただけ。

男 ありがとな! 家宝にするよ!
主 ・・・だからそんなすごくないって!
父 トモヤ。母さんと2人でちょっと挨拶回りしてくるわ。
主 ・・・・・・わかった。

 父と母 親族へ挨拶回りをすることに。
 
女 ねぇ! トモヤくん! 私にも書いてちょうだい!

 次にやってきたのは主人公の母方の叔母・キヨミ(女・50代後半・お節介)。

主 (名前を思い出しながら)えっと、あなたは確か・・・
女 キヨミよ! あんたのおばあちゃんの妹の娘!
  ・・・って言ってもわかんなくて当たり前よね(笑)
  トモヤくんに会ったの20年ぶりだからねぇ~ 
主 そ、そうなんすか・・・
女 で、サインと写真いい?? せっかくの記念にもらっとこうかしら!
主 ・・・だから、僕のサインなんて、
女 ささ!つべこべ言わずに書いてったら!

 キヨミ 色紙を半ば強引にトモヤに手渡す。
 トモヤ 渋々サインを書き始める。

 キヨミのそばに別の親戚・トウコ(女・50代前半)がやってくる。

ト ねぇ、今何やってるの?
キ トモヤ君のサイン会!
ト へぇ! じゃあ私も貰おっと!
キ そうだ!
  (大声で)みなさーん! 今からトモヤ君のサイン会をはじめまーす!
  欲しい人はここに並んでくださーい!!
主 (小声で)ちょ、ちょっとやめてくださいよ・・・
キ いいじゃないの! 減るもんじゃないんだから!
  ほら並んで並んで~ あ、色紙がなければ代わりになるものを持ってきて・・・

 サイン会なんてやりたくないトモヤとは裏腹に、親族たちが続々と並び始める。
 トモヤ がっくりと肩を落とす。


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