AIに教材を作らせる前に、私が必ずやること。
最近、日本語教師向けのSNSを見ていると、
「AIにお願いすれば、教材が一度にすぐ完成します!」
「自分で準備する手間が省けます。」
そんな投稿をよく見かけます。
もちろん、それは事実です。
私自身もAIを毎日のように使っていますし、とても便利なツールです。
でも、その投稿を見るたびに、少しだけ違和感があります。
なぜなら、私の授業づくりは、その順番ではないからです。
まず考えるのは、
「この学習者さんにとって、次回のレッスンでは何をやるのが一番いいだろう。」
ということ。
最近どんなことに興味を持っているのか。
前回のレッスンでは、どこで悩んでいたのか。
今、この人にはどんな言葉が必要なのか。
どんな経験をしてもらえたら、日本語がもっと楽しくなるだろう。
そこを、とことん考えます。
そして最後に、私の授業作りを手伝うツールとしてAIが登場します。
だから私にとってAIは、
授業の出発点ではありません。
授業の出発点は、いつも目の前の学習者さんです。
私は、「AIで授業準備を短縮する」というより、
「この学習者さんにとって、このレッスンの時間(或いは宿題)にどういう練習(会話)をするのがベストなんだろう。」
と考えて、使います。
この違いは、とても大きいと思っています。
結果的に、時間の短縮になることもあります。
AIと話し合いすぎて、むしろ時間が長くなることもあります。
日本語教師は準備に時間をかけるべきだとか、そういうことが言いたいのではありません。
私は色々な場面でAIをたくさん使っています。
むしろ、日本語教師だからこそ、AIの可能性に毎日ワクワクしています。
例えば、一人ひとりの学習者さんに合わせたカスタマイズ教材。
同じN3を勉強していても、好きなことも、仕事も、目標も、苦手なことも違います。
だから私は、「その人だけの教材」を作りたい。
以前なら、「こんな教材があったらいいのに」と思っても、自分の能力不足で諦めることも多々ありました。
でも今は違います。
AIのおかげで、その想いを形にできるようになりました。
最近では、学習者さんが自分の学習時間に使えるアプリも作っています。
今までにはなかったタイプの、自習のためのアプリです。
自分時間が楽しくなるような。
日本語教師として長年、
「この学習者さんには、家でもこんな練習をしてほしい。」
「こういう復習ができたら、もっと伸びるのに。」
そう思っていたことが、AIのおかげで少しずつ実現できるようになっています。
そして、このnoteでも、
実際にどんなふうにAIと対話しながら教材を作っているのか。
学習者さんごとに教材をカスタマイズする方法。
AIを活用した授業づくりや、自習アプリづくり
についても、少しずつ紹介していこうと思っています。
次回予告
AIは、教師が積み重ねてきた経験を何倍にもしてくれる。でも、その経験そのものは、AIは与えてくれません。
AIは本当に便利です。
でも私は、日本語教師になったばかりの頃からAIに頼りすぎることには、一つ大きなリスクがあると思っています。
それは、教師自身が学ばなくなってしまうこと。
日本語について。
日本語教育について。
他言語について。
学習者さんについて。
などなど
このようなことを日本語教師がなにも学ばなくても、AIが使えれば教材は作れます。
でも、あなた自身の価値は何なのか。
あなたが学習者さんにできることは全てAIから出てくるものでいいのか。
私は長年日本語教育を学び、教えてきました。
だから、AIが作った教材を見て、
「この説明は少し違う。」
「この例文では、学習者さんは混乱するかもしれない。この教材は使うのやめよう。」
そんなふうに、自分で判断できます。
AIは、まだ完璧ではありません。
だからこそ、教師自身が知識と経験を積み重ねていることが、とても大切になります。
私はAIに仕事を任せているのではありません。
25年間積み重ねてきた日本語教育の知識と経験があるからこそ、AIを”ツール”として使えているのです。
AI時代だからこそ、日本語教師は何を学び続けるべきなのか。
そんなことを、次回は書いてみようと思います。
ONER
校長 そめ
