#151 武元唯衣が切り拓いた道ーー唯一無二の卒業セレモニーで見せたもの
※14thBACKS LIVEのネタバレを含みますのでリピート配信までネタバレ禁止の人はご注意ください。
武元唯衣さんの卒業セレモニーが終わりました。
終わってしまいました。
本当に、武元さんらしい、未だかつてない卒業セレモニーでした。
最後に、着脱式ドレスからのダンスソロ。
そして『油を注せ!』
再び、コレオグラファー武元唯衣。
もう、なんなんですか。
最後の最後に、感動の涙だけではなく、驚きの笑みまで与えられました。
「なんじゃこりゃ…」
と思わず松田優作になってしまいながら驚きながら泣きながら笑いながら見ていましたよ。感情がぐちゃぐちゃです。
「最後の曲を聴いてください」
と言った後に始まるイントロが、あんなクールで少しダーティなメロディーから始まるアイドルの卒業セレモニー。
そんな卒業セレモニー、私は知りません。
このダンスの話も含めてパフォーマンスについては、リピート配信後にその他の楽曲レポートとともにゆっくり語りたいと思います。
ただ、今言えるのは一つです。
名前の通り、「唯」一無二の卒業セレモニーであり、「唯」一無二の人でした。
着脱式ドレスも、まさに唯一無二の衣装でしたね。
あれは本当に「唯衣」のためのものだったと思います。
……と、少し上手く言いたくなるくらいに私の心は揺さぶられまくりました。
天才ではなく、努力の人
卒業セレモニー前のムービーで、中嶋優月さんがこのようなことを言っていました。
番組とかもすごく才能があってセンスがあって凄いなって最初は思ってみてたけど、あぁ、全部努力だなって一緒にいればいるほど思って
この言葉が、すごく残っています。
武元さん本人も話していました。
自分に自信がなかったこと。
転機になったのが、8th BACKS LIVEだったこと。
そのBACKS LIVEでセンター曲を経験し、座長を経験したことで、パフォーマンスの魅せ方や、作品作りへの見え方、意識が変わった。
そのようなことを話していました。
先日のnoteで、私は「BACKS LIVEは役割が人を変える場所」だと書きました。
役割を受けることで、人は変わる。
役割を通して、自分の見え方も変わる。
そして、与えられた場所を自分のものにしていく。
武元さんの言葉を聞いて、やはりそうなのだと思いました。
油を注せという楽曲のセンターという役割が
8th BACKS LIVEで与えられた座長という役割が、
武元唯衣という人をまた一段変えた。
そして、彼女自身が強くなったことで、櫻坂もまた強くなった。
「私たちで、櫻坂を強くする」
BACKS LIVEの当初からのテーマは、まさに武元唯衣さん自身の歩みとも重なっていたように感じます。
コレオグラファー武元唯衣という強さ
国立競技場、そして今回の卒業セレモニーでの、コレオグラファー武元唯衣のダンス。
あれは、櫻坂にとって他のアイドルグループにはない強さであり、魅力だと思います。
もちろん、櫻坂はもともとパフォーマンスに強いグループです。
でも、メンバー自身が構成に関わり、32名のダンストラックを作り、グループの表現として形にする。
これは、かなり特別なことだと思います。
あの8th BACKS LIVEの座長を経験していなかったら。
『油を注せ!』という楽曲がなかったら。
もしかしたら、あの武元唯衣のダンストラックは生まれていなかったかもしれません。
そう考えると、やはり役割というものは大きいです。
最初から全てを狙っていたわけではないかもしれない。
でも、与えられた役割に向き合い、自分のものにしていった結果、気づけば新しい道を切り拓いていた。
背中で引っ張る人
先日のnoteでも、武元さんは背中で引っ張っていく人だと書きました。
今回の卒業セレモニーでも、メンバーからそのような言葉が多くありました。
本当に、彼女は自分で道を切り拓いてきた人です。
最初から強かったわけではない。
大人しくて、赤ちゃんのようで、しょっちゅう実家に泣いて電話して、帰っていた女の子。外番組で何もできず、泣いていた高校生時代もあった。
そんな彼女が、8年後。
バラエティで評価され、愛される存在になった。
メンバーとスタッフさんから絶大な信頼を得る人になった。
川島さんやAマッソさんをはじめ、芸人さんからも評価される人になった。
そしてもちろん、スタッフさんからも信頼される人になった。
その道を、自分で切り拓いてきた。
誰かが最初から用意してくれた道ではなかったと思います。
自分で努力をして、
自分で考えて、
自分で悔しがって、
自分で立ち上がって、
自分で道にしてきた。
自分で道にしてきたからこそ、
自分で歩んできたからこそ、
後輩はその背中を見ることができる。
そして、道があるからこそ、後輩はその道に続くことができる。
武元唯衣さんが残した背中には、そういう意味があるのだと思います。
もう一つ切り拓いた道
そして、彼女がすごいのは、もう一つ道を切り拓いたことです。
それが、ダンスです。
誰が32名のダンストラックを、構成から作るアイドルがいますか。
いるんです!
武元唯衣です!
……川平慈英さんのようになってしまいましたが(笑)
でも、それくらい言いたくなるんですよね。
これは単に「ダンストラックを作ったアイドルがいる」という事実だけの話ではありません。もちろん、その事実自体がとんでもなくすごいです。でも私は、それ以上の意味があると思っています。
武元さんは、後輩たちにこういう感覚を残してくれたのではないでしょうか。
「櫻坂では、何でもできる」
「櫻坂は、個人の夢をグループの力に変えられる」
「櫻坂は、個性を発揮していい場所なんだ」
これはとても大きいことだと思います。
アイドルだからここまで。
メンバーだからここまで。
与えられたものを表現するだけ。
そうではなく、自分の得意なことを、グループの表現にまで昇華していい。
自分が見つけた強みで、櫻坂を強くしていい。
武元さんは、それを実際に見せてくれた人でした。
武元唯衣が残したもの
少し話は変わりますが、陸上競技でロジャー・バニスターという選手がいました。
かつて、1マイルを4分以内で走ることは、人間には不可能だと言われていました。でも彼が初めてその壁を破ったことで、周囲の選手たちの認識が変わりました。
「人間には無理」ではなく、
「できる人がいる」になった。
そして、その後に続く選手たちが現れました。
武元さんが櫻坂に残してくれたものも、どこかそれに近い気がします。
「アイドルがここまでやっていいんだ」
「自分の得意なことを、グループの力に変えていいんだ」
「与えられた場所からでも、自分で道を切り拓けるんだ」
そういう“できるんだ”の感覚を、後輩たちに残してくれた。
これって、ものすごく大きな贈り物だと思います。
彼女が作ったのは、ただのダンストラックではありません。
いや、もちろんあのダンスはえげつなくて、“ただの”では全くないのですが。
それでも、その表現の先にあったのは、後輩たちがこれから歩いていくための、新しい可能性の道だったのかもしれません。
「ここまでできるよ」
「もっとやっていいよ」
「自分の強みで、櫻坂を強くしていいよ」
そんな声が、背中から聞こえてくるようでした。
私は期待しています。
この姿を見届けた三期生と四期生が、いつか武元唯衣さんが切り拓いた道の先で、また新しい景色を見せてくれることを。
コレオグラファー武元唯衣を超える、という意味ではありません。
彼女と同じことをする、という意味でもありません。
それぞれが、それぞれの得意なことや個性を使って、「そんなことまでできるんだ」と思わせてくれるような、新しい道を見せてくれること。
それこそが、武元さんが残したものへの一番のアンサーなのではないでしょうか。
最後まで、武元さんは武元さんでした。
涙やしんみりだけでは終わらせない。
驚きと笑顔と、圧倒的なパフォーマンスを残して去っていく。
本当に、唯一無二の卒業セレモニーでした。
武元唯衣さん、卒業おめでとうございます。
そして、櫻坂に新しい道を残してくれて、本当にありがとうございました。
琵琶湖が生んだパワフルガールの今後の未来に幸あれ!
※写真出典
Seed & Flowerが所有しており、様々なメディアに提供し使われている写真を使用させていただいております。
