優しさって、こういう人のことを言うんだと思った 206号室の住人
人を喜ばせることが、
自然とできる人がいる。
自分のためじゃなく、
相手の顔が
ゆるむのが好きで、
つい手を伸ばしてしまう人。
その手のひらには、
何かを渡す、
あたたかい、「なにか」がある。
「これ、どうぞ」
そう言われた瞬間。
受け取っているのは、
物ではない。
言葉だ。
大げさなことはしない。
それなのに、
言葉の端に
混ざる気遣い。
それが
周りの空気をやわらげる。
無理に笑わせようともしない。
目立とうともしない。
困っている人がいれば、
すっと手を貸す。
それが、
本当に自然で、
そのままでいいよ。
そう感じさせてくれる。
本人はきっと気付いていない。
自分の何気ない行動が、
誰かにとっては
贈り物になっていることを。
私は思う。
こんな人に
出会えるだけで、
一日が生きやすくなる。
そしてできるなら、
こんなふうに
誰かの時間と共有する。
そんな人に私もなりたい。
ほんの少しの心遣い。
結局のところ、
世界は、
そういう優しさで、
できている気がする。
それが出来て、
はじめて、
一人前って、
呼ばれるのかもしれない。
