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結婚に1mmも 希望や憧れがなかったわたし



私は子どもの頃から、  
結婚というものに  
抵抗を感じていた。  

誰かと未来を分かち合う。  
そんなものに胸が  
ときめくことが、  
1mm足りともなかった。

「⋯そして、王子様と  
幸せに暮らしましたとさ。
おしまい」

なんか絵本を読むたび  
感じる違和感。
あるでしょ?
ない?ない??

シンデレラや白雪姫は  
その後どうなったの???  
王子様と宮殿で暮らすと  
幸せになれるの???  

そんなかわいくない  
感想しか、  
浮かばない  
子どもだった。

一番解せないもの。  
それは教会での結婚式。  
……胡散臭い。

キリスト教徒でもない  
私がウエディングドレスを着て
誓いの言葉を述べ、  
指輪を交換し、  
人前でチューをする。  
考えただけで  
おぞましい。

ああいうものは、  
誰かの“正しさ”が  
きれいに並んでいるだけ。  
そう思っていた。

だからと言って  
孤独が好きなわけではない。

恋をする。  
好きな人と一緒に生活をする。  
これは大賛成だ。

しかし結婚という、  
紙切れ一枚だけで繋がる関係。  
この制度だけは  
絶対に回避したかった。

「誰々の妻」という肩書き。  
誰かの期待に合わせ、  
大人しく暮らしていく。  
どちらも私には、  
持ち合わせていない  
価値観だった。

“誰かといる幸せ”より  
“ひとりでいる誠実”
このほうがよっぽど信じられた。

なのに人生というものは、  
計算外という名前の道を選び、  
進んでしまうことがある。

ある日ふと、  
「この人となら負けてもいいか」  
などと思う自分がいた。

それは憧れでも希望でもない。
生活の真ん中にあった椅子を
一脚だけ足す。  
そんな感覚だった。

結婚を選んだのは  
夢でもなく覚悟でもない。

“この人の前でだったら、  
自分のだらしなさ、  
至らなさ、  
そんなものをさらけ出し、  
そのまま呼吸できる”  
そう思えたからだ。

結婚に1mmも憧れがなかった。
しかし今、  
夫という生き物の隣に座る。  
そして、  
「今日はどうだった?」  
などと聞く。

人生ってときどき、
優しい裏切り方をする。

まぁ、  
よーするに  
結婚した。  

それだけのはなし。















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