【前編】「農家って今、儲かってるんでしょ?」に、ちょっと待ってと言いたい理由
こんにちわ。約40haの米農家をしているそらまめです😊
最近、「お米の価格が上がったから農家は儲かってるんでしょ?」と言われることが増えました。
確かに、スーパーではお米の値段が上がっていて、ニュースでも「米価上昇」と報じられています。
でも実際に現場で米づくりをしている立場から言うと、そう簡単な話じゃないんです。
今回は、価格が上がっているように見えても、実は農家の手元にはあまり残っていない現実についてお話しします。
■ 経費は毎年のように上がり続けている
農家にとっての「収入」は、お米の売上から経費を引いた“残り”です。
でもここ数年、肥料、農薬、燃料、機械の部品、ビニールハウスの資材など、ありとあらゆるものの価格が、毎年のように上がり続けています。(もちろんご存じだと思いますが)
その一方で、肝心のお米の出荷価格はというと……
ここ何年もほとんど変わらず、むしろ一時期は下がっていました。
たしかに、最近では一等米の価格が上がったという事実もあります。
でもそれは、ここ数年の急激なコスト増にようやく一部が追いついたに過ぎません。
経費は今もなおじわじわと上がり続けていて、“帳尻が合った”とはとても言えないのが、現場の実感です。
■ 上がっているのは“一部の高品質米”だけ
もう一つ、あまり知られていない大事なポイントがあります☝️
「米価が上がった」と言われますが、実際に値上がりしているのは“一等米”など、ごく一部の高品質なお米だけなんです。
農家が出荷するお米には**等級(品質ランク)**があり、
二等米やくず米になると、価格は据え置きか、むしろ下がっていることもあります。
しかも、天候が悪い年ほど、品質も落ちやすい。
等級が下がれば当然、出荷価格もガクンと下がってしまいます。
たとえば最近では全国的に猛暑の影響を大きく受けています。
我が家でも品質が落ち、一等米として出荷できるお米はぐっと減少。さらに、全体収量もおよそ3割減。
「暑すぎて実が入らない」「登熟(お米が熟すこと)が進まず白未熟粒が多い」などの影響で、二等米やくず米の割合が例年以上に増えてしまいました。
一等米だけ見れば価格はたしかに上がりましたが、その“一等米”の量がそもそも少なければ、収入全体は増えません。
つまり、品質が落ち、収量も減った年ほど、農家の収入は大きく落ち込んでしまうというのが現実です。
加えて、一次産業は、自分たちで自由に出荷価格を決めることが難しいという構造的なハンデもあります。このあたりの仕組みについては、別の記事(完全版)で詳しくご紹介しています👇
■ 誤解されがちな“米価上昇”の裏側
このように、「米価が上がった」と一言で言っても、
実際には経費の上昇や収量・品質の影響が大きく、
すべての農家が恩恵を受けているわけではありません(地域差も大きいですが)。
特に農業は、天候や病害虫などに大きく左右されるので、
一見「価格が上がった年」でも、収量や品質が悪ければ逆に赤字になってしまうこともあるんです。
🌾 まとめ
お米の価格が上がっている――
たしかにそれは事実です。でもその裏側では、生産コストの急上昇や、天候による不作・品質低下といった、厳しい現実があります。
一等米だけを見れば「儲かっているように見える」かもしれません。
でも、私たち農家が直面しているのは、「とれない」「売れない」「コストが高すぎる」の三重苦。
価格が上がったからといって、手元にお金が残るわけではありません。
このnoteで少しでも、「農家=儲かっている」というイメージがすべてではないと伝わっていたらうれしいです。
次回は、「じゃあ、農家ってどうやって生活してるの?」という
“副収入”や“年金”、そして“綱渡りのやりくり”のリアルについて書いてみようと思います。
よかったら、続きも読んでもらえるとうれしいです☺️
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