ひよこ豆で整える秋の食卓|“温の豆”を楽しむ炒り豆レシピ
大豆にあずき、花豆、そらまめ、金時豆――
日本にはたくさんの「豆」があり、季節や家庭ごとに、さまざまな料理として食卓に並びます。
日々の食卓に欠かせない豆の中でも、大豆はイソフラボンが豊富で更年期世代の女性を力強くサポートする食材として親しまれています。
でも今日の主役は、大豆と同じくらい栄養豊富で、さらに驚くべきパワーを秘めた「ひよこ豆」です。
実はこのひよこ豆、はるか昔、中世の修道女ヒルデガルトもその効能を語った“温の豆”なのです。
秋の深まりとともに心身のバランスを崩しやすいこの季節にぴったりのひよこ豆の魅力を、ヒルデガルトの知恵とともに深掘りしていきたいと思います。
ヒルデガルトの言葉にみる、ひよこ豆の性質

ヒヨコマメは温性で穏やかである。
軽くて食べやすく、食べても悪い体液を増加させることはない。
熱のある人は燃えている炭の上でヒヨコマメを焼くとよい。
これを食べるとよくなる。
ヒルデガルトの世界では、食材はすべて「温・湿・冷・乾(ときに熱)」との関係で捉えられていました。
ヒルデガルトによると、ひよこ豆は“温”の性質をもち、体をやさしく温めながら、過剰な体液(特に冷と乾をもたらす黒胆汁)を増やさない穏やかな豆と紹介されています。
ちなみに東洋医学では「やや温性」または「平性」、アーユルヴェーダでは
「やや熱性」とされることもあるようです。
つまり、西洋、そして東洋においてもひよこ豆は伝統療法では、秋の「冷と乾」の季節にふさわしい豆といえます。
現代栄養学におけるひよこ豆
ひよこ豆には、クセのない味とほくほくとした食感が特徴で、トルコなどの中東諸国ではペーストにした「フスム」、インドなどではカレーやスープに入れる食材として人気があります。
体をつくる「たんぱく質」はもちろん、大豆に比べると含有量は少ないものの、女性に嬉しい「イソフラボン」も含まれているので骨粗鬆症予防にも役立ちます。
また、その他にもビタミンB6やEなどの「ビタミン類」、鉄分や葉酸、カリウムなどの「ミネラル」も豊富に含まれているのも嬉しいですね。
そのため、便秘の解消やむくみ、アンチエイジングなど女性には嬉しい食材のひとつです。
日本でも、水煮やドライパックなどはスーパーや輸入食品店などで購入することができるので、カレーやスープ、サラダなどに使ってみてはいかがでしょうか。
ヒルデガルトに学ぶ、「炒りひよこ豆」のすすめ

左から「ターメリック(ウコン)」「クミン」「バジル」の味付けです
ヒルデガルトは「燃えている炭の上でヒヨコマメを焼くとよい」と言っています。「炭の上で焼く」は、現代なら“フライパンで香ばしく炒める”と解釈して、「炒りひよこ豆」を作ってみました。
材料(作りやすい分量)
・ひよこ豆(水煮・汁を切ったもの)…200g
・塩…ひとつまみ
・乾燥バジルまたはクミンシード…少々(お好みのものでOK)
作り方
フライパンを熱し、豆を入れて中火で水分を飛ばしながら炒める。(ほくほく感を残したいので、表面の水分を飛ばすぐらいでOK)
水分がなくなり、温まったら塩をふり、ハーブを加えて香りを立たせる。
香ばしい香りが立ったら火を止め、器に盛る。
※私は手軽な水煮のひよこ豆を使っていますが、もし乾燥豆を使う場合は、前日からしっかり浸水させてくださいね。
表面はカリッと、中はほくほく。
ワインのおつまみにも、おやつにもぴったりです。
香ばしさを引き立てたいときはクミンなどのスパイスを、
軽やかに仕上げたいときはバジルやローズマリーがおすすめです。
我が家の子供たちはにんにくとバジルの組み合わせが大好きです。
四体液質で見る、秋とひよこ豆の関係
四体液質の考えでは、秋は「冷」と「乾」が優勢になり、黒胆汁質(メランコリー)が高まりやすい季節です。
この時期に“温と湿”を少し補ってあげることが、心身のバランスを保つ鍵になります。
ひよこ豆は、まさにその「温」をもたらす食材。
バジルやクミンなどのスパイスと組み合わせれば、「風」の要素も加わり、
“冷と乾”に偏った体と心に、やさしく流れを取り戻す助けになります。
豆ひと粒がもたらす、やさしい整え時間

ひよこ豆のほくほくとした温かみは、まるで大地の恵みをそのままいただいているような、深い安心感をもたらしてくれます。
ヒルデガルトは、食べることを“治療”と同時に“祈り”でもある。そして、「人は、季節の恵みを受け入れることで、体の調和を保つ。」とも語っています。
忙しい日々の中でも、炒り豆をひと粒、口に運ぶだけで心がほっと緩む――それは、食卓のひと皿を通して、自分と自然がひとつに結びつく、調和の時間なのかもしれません。
そんな小さな「整える食卓」を、この秋に大切に育んでいきたいですね。
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