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春を待つ音、命のひびき。――七草粥の朝に思うこと

今日から、娘も始業式。
「休みが少ないよ、もっと寝ていたい」と言いながらも、
支度をして、学校へ向かっていきました。

こうした慌ただしい朝が始まると、
お正月のにぎやかさが、少しずつ遠ざかっていく気がします。

けれど体のほうは、まだその先に追いついていないようで。
ごちそうの余韻が残り、
どこか動きが鈍いような感覚があります。

そんな朝に、七草粥をつくりました。

子どもたちは、あまり好きではないようなので、
今朝は私だけ。
静かな台所で、鍋に火をかけます。

七草を刻んでいると、
ふと、こんな言葉を思い出しました。

「七草なずな、
唐土の鳥が、日本の土地へ、
渡らぬ先に、ストトントン」

七草囃子(ななくさばやし)と呼ばれる一節です。
昔は、包丁で草を刻むとき、
トントンと音を立てながら唱え、
目に見えない病や災いを、
その音で追い払おうとしていたといいます。

今よりも、命がずっと儚かった時代。
冬は、今よりずっと重たい季節だったのだろうな、と。
そんなことを思いながら刻むと、
包丁の音が、私には少しだけ静かに聞こえました。

白いお粥に、
冬の土の下から顔を出したばかりの草を刻む。
味は淡く、香りも強くはありません。

それでも、この料理が
長いあいだ食べ継がれてきた理由を思うと、
そこには、
今よりもずっと切実な願いが
込められていたのかもしれないな、と思います。

今では、我が家の子どもたちのように、
七草粥を食べる人も少なくなりました。

それでもこの日、
青菜のお粥でも、
大根の葉でも、
春菊を少し刻んだものでもいい。

ほんの少し、
日本に伝わる食の記憶を思い出しながら、
植物が持つ力に、
そっと意識を向けてみる。

それだけで、
七草粥の時間は、
ちゃんと今につながっている気がします。

今夜は、七草粥ではありませんが、
そんな祈りの気持ちを込めて、
子どもたちも食べられるように
春菊の炊き込みご飯にしようと思います。


今日の小さな養生

・白いお粥やごはんに、青いものを少し
・温かさを、急がずに味わう
・整えようとしすぎない

そんな「人日の節句」を過ごしたいと思います。



🔳 12月|冬の養生 記事まとめ▼

冬のあいだ、喉や鼻の乾燥、
台所での養生について書いてきた12月の記事を、
まとめてあります。


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