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桜と香りの記憶|花見の季節に思うこと

地域差はありますが、
そろそろ桜が咲き始め、花見の季節が近づいてきましたね。

桜といえば花見。
お弁当を持って出かけたり、夜桜を眺めながら少しお酒を楽しんだり。
春ならではの楽しみのひとつです。

この時季になると、
お香講座でも、桜をイメージした香りを作ることがあります。

春の明るさを出すために、
甘い香りをベースにしつつ、
静けさを表現するために沈香を少しだけ忍ばせることもあります。

桜そのものの天然の香りではありませんが、
桜葉を思わせる香りや、クマリンのようなやわらかな甘さを使うこともあります。

桜の香りというと、
やわらかく、ほのかに甘く、春の明るさを感じる香り。

けれど私にとって桜は、それだけではありません。

どこか懐かしくて、少しだけ切ない。

にぎやかな花見の景色の奥に、
静かな気配がひそんでいるようにも感じます。

桜は、咲いている時間は短いのに、
毎年こんなにも人の心を動かします。

満開の美しさはもちろんですが、
風に揺れ、やがて散っていく姿まで美しい。

そのせいでしょうか。
桜には、ただ華やかなだけではない、
少し祈りに似たものが似合う気がするのです。

だから桜をイメージしたお香を調合するとき、
私は甘さだけでは終わらせたくないと思ってしまいます。

沈香や白檀のような、心を静かに整えてくれる香りに、
どこか澄んだ清らかさを添えたくなるのです。

香りは、ふとした瞬間に記憶を連れてきます。

春らしい甘さの奥に、少しだけ沈香の静けさを感じると、
昔見た夕暮れの桜を思い出します。

桜の香りにも、そんなところがあるように思います。

春の喜びだけではなく、
過ぎていくものの美しさや、今ここにある時間の大切さを、
そっと思い出させてくれるようなところ。

桜をイメージしたお香にも、
甘さが際立つものや、木の静けさを感じるものがあります。

春の明るさに惹かれる日もあれば、
どこか懐かしく静かな香りを選びたくなる日もあります。

そんなふうに、その日の気分に合う香りを探してみるのも楽しいものです。

忙しくて花見に出かけられない年もありますし、
ゆっくり桜を眺める余裕がない春もあります。

けれど、そんなときでも、
部屋の中で香りをひとつ楽しむだけで、春を迎える気持ちは少し取り戻せる気がします。

外で桜を見る日も、見られない日も。
香りの中で春を味わうのも、
またひとつの花見なのかもしれませんね。

今日は、そんなことを思いながら、桜の季節のお香のことを考えていました。

今日の小さな養生

春らしいやわらかな香りをひとつ、部屋の中で楽しんでみる

お香でも、ハーブでも、お茶の香りでも。

外に出て花を眺める余裕がない日も、
香りは小さく季節を運んできてくれます。

春を追いかけるのではなく、
まずは香りの中で静かに迎えてみてはいかがでしょうか。

🔳 2月|冬の養生 記事まとめ▼

季節のゆらぎの整え方や養生については、こちらのまとめ記事にも書いています。

また、四体液質やヒルデガルトの自然療法から見た、
季節の不調についてメンバーシップで少し深く書いています。

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