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蒸しみかんとシナモンの午後|湯気の向こうで冬を楽しむ

昨日は、産地直送の市場に立ち寄りました。

かごに並んだみかんを眺めていると、
納品に来ていた農家さんが少しだけ声を落として、

「これね、無農薬なのよ」

と教えてくれました。

特別な言い方でもなく、
自慢するでもなく、
ただ事実をそっと渡すような声でした。

その一言で、みかんの色が少しだけ違って見えるから不思議です。

家に帰って、かごから取り出すと、
皮の表面にまだ畑の気配が残っているような気がして、
しばらく手のひらで転がしてちょっと特別感を味わってから、洗いました。

今日は、生で食べるのではなく、蒸すことにしたからです。

蒸籠を出して、
水気を拭いたみかんの皮に、包丁で小さく切れ目を入れる。

そこに、シナモンスティックを一本だけ。

ふたを閉じて、火にかける。
すると、しばらくして
台所の空気がゆっくり変わっていきます。

甘さと、少しの苦みと、
木の皮のようなあたたかい香り。

それが混ざり合って、
部屋の奥まで静かに広がっていくのを
お茶を飲みながら楽しみます。

ただ湯気の立つ音を聞いているだけでも
癒されますね。

蒸しあがったみかんは、
皮がやわらかく、指に少しだけ熱を残しています。

ひと口かじると、
いつものみかんよりも輪郭の丸い甘さ。

冬の果物が、
ちゃんと「温かい食べもの」になっていました。

香りは、まだ部屋に残っています。
子どもたちがいない静かな午後。
自分だけの時間。

何かを整えようとしたわけでも、
体にいいことをしようと思ったわけでもなく。

ただ、そうしたくなった午後でしたが、
なんかとても贅沢な時間を味わった気がします。

もう少ししたら、
子どもたちもかえってきて一気に忙しく、
そしてにぎやかになるのでしょうね。

そうなる前のあとほんの短い時間。
休憩は終わりにして仕事に集中したいと思います。


🔳 今日の小さな養生

・皮に小さな切れ目を入れる
・シナモンスティックを一本添える
・みかんを蒸籠で5分ほど蒸す

香りを味わうための時間も、蒸し時間のうち。


おわり

冬の養生は、
何かを足すことよりも、
火を入れて待つことなのかもしれません。

湯気の向こうで、
季節が少しだけやわらぐ。

そんな午後も、悪くないなと思いました。


🔳 12月|冬の養生 記事まとめ▼

冬のあいだ、喉や鼻の乾燥、
台所での養生について書いてきた12月の記事を、
まとめてあります。


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