R06【05化学部門】必須問題Ⅰ『解答論文例』- 技術士第二次試験 -
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🔷R06_I-1|過去問題
これまで我が国は積み上げ型の開発を得意とし、技術を磨き上げることにより革新的マテリアルを生み出してきた。しかしこの手法は開発時間が長く、期間短縮が大きな課題となっている。近年AIビッグデータの発展が研究開発手法を大きく変革している。従来のように経験やノウハウ等をベースに仮説を立てて検証するのではなく、事象を大量のデータとして定量的に把握・解析することで研究開発を推進する、データ駆動型研究開発の取組が注目を集めており、例えばマテリアルズ・インフォマティクスを用いた全固体電池の材料開発、プロセス・インフォマティクスを用いた樹脂加工工程の改善、QSAR (Quantitativestructure-activityrelationship 定量的構造活性相関)による新規化学物質評価等、国内外で成果が現れてきている。
(1)開発業務の具体例を示し、化学技術者としての立場からデータ駆動型研究開発を進めるための3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえでその課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、これを最も重要とした理由を述べよ。その課題に対する複数の解決策を、化学部門の専門技術・手法を用いて示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)を業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。
🔷R06_I-1|骨子案
1.データ駆動型研究開発業務の具体例及び課題
▼開発業務の具体例
・マテリアルズ・インフォマティクスを用いた全固体電池の材料開発
・プロセス・インフォマティクスを用いた樹脂加工工程の改善
▼化学技術者としての課題
①データ品質と可用性の観点
・データ不整合
・データ標準化と一元管理の必要性
②技術的スキルとインフラの観点
・専門知識の不足
・教育・研修の必要性
③協業とデータ共有の観点
・データ形式の不統一
・知的財産権の問題
2.最重要課題およびその解決策
〇最も重要な課題:②技術的スキルとインフラの課題
▽解決策1「階層別教育プログラムの整備」
・スキル向上
・実践的スキル習得
▽解決策2「データ解析基盤の強化」
・環境構築
・スムーズなデータ解析
▽解決策3「専門家との連携強化」
・体制整備
・連携強化
3.解決策実行に伴うリスク及びその対策
◇データセキュリティリスク
・機密情報漏洩
・セキュリティ基準明確化
◇技術的依存性リスク
・特定技術への依存
・多様なスキル習得促進
◇人材の流動性リスク
・人材の流動性
・社内教育プログラム充実
4.業務遂行に必要な要件
1)技術者倫理の観点
・透明性の確保
・プライバシー保護の徹底
2)社会の持続可能性の観点
・環境負荷低減
・データリテラシー教育推進
🔶R06_I-2|過去問題
地球は奇跡の水の惑星と言われる。水は様々な形で地球上の陸海空に広く存在する。水は人類の生命維持活動に必須のため、飲用水として利用されるだけではなく、農業用水や工業用水にも用いられる。日本は食糧の多くを輸入に依存しているため、バーチャルウォーターを海外から輸入しており、その量は国内年間水使用量と同程度と推計されている一方で、世界では水質汚染や水不足が深刻化している。化学産業において、水は、原料、溶媒、洗浄、熱交換等の様々な用途で利用され、その調達や後処理には化学産業技術が不可欠である。また、河川や海洋の汚染は、過去には公害として、現在では新たな問題が顕在化している。このように水は化学産業に密接に関わっており適切な利活用が求められている。
(1)化学産業に従事する技術者としての立場で、水資源利用について多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記して説明せよ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、重要と考える理由とその課題に対する解決策を複数示して説明せよ。
(3)前問(2)で示した解決策を実行した際に新たに生じうるリスクを示し、それへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たって必要な要件を技術者としての倫理、社会の持続可能性の立場から題意に即して述べよ。
🔶R06_I-2|骨子案
1.水資源利用の課題
〇観点1:環境負荷の低減
・水質汚染による生態系影響
・環境負荷の抑制
〇観点2:資源利用の課題
・水資源の有限性認識
・水使用量の効率化
〇観点3:地域社会との関係における課題
・共有財産としての認識
・地域社会との合意形成
2.最重要課題およびその解決策
◇最重要課題とその理由
・環境負荷低減の位置付け
・持続可能性確保の必要性
1)高度廃水処理システムの導入
・複合的処理技術の活用
・有害物質除去の効率化
2)環境モニタリングの強化
・多角的な環境調査
・早期対策の実現
3)環境配慮型原料への転換
・環境負荷低減原料の採用
・持続可能な生産体制
3.解決策実行に伴うリスク及びその対策
①経済的リスクと対応
・初期投資負担の軽減
・段階的な設備投資
②社会的リスクへの対応
・地域社会との対話促進
・信頼関係の構築
③技術的リスクの管理
・運用管理体制の整備
・技術者育成の推進
4.業務遂行に必要な要件
1)技術者倫理の遵守
・環境影響評価の実施
・社会的責任の遂行
2)社会の持続可能性への配慮
・長期的視点での計画
・世代間公平性の確保
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