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R06【13森林部門】必須問題Ⅰ『解答論文例』問題Ⅰ-2 - 技術士第二次試験 -


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🔷R06_I-1|過去問題

 野生動物が人間の生業や生活及び自然環境に被害を与える事例が頻繁に発生している。中でもニホンジカ(学名:Cervus nippon、本問においては日本列島に生息する地域亜種すべてを含むものとする。以下、シカと記述。)による様々な被害が深刻化しており、対策が強く求められている。本問は、森林が持つ多面的機能の維持・発揮に向けた森林の管理・経営における効果的なシカ害対策について問うものである。
(1)森林の持つ多面的機能をシカが低下させる事例を挙げて、技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、これを最も重要とした理由を述べよ。その課題に対する複数の解決策を、森林部門の専門技術・手法を用いて示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。

「日本技術士会HP」

🔷R06_I-1|骨子案

1.森林の多面的機能を低下させるシカ害と課題
 〇森林の持つ多面的機能をシカが低下させる事例
  ・下層植生消失による生物多様性への影響
  ・土壌流出と水源涵養機能の低下
 〇観点1:森林生態系の保全
  ・下層植生減少による種多様性の損失
  ・生息環境悪化と生態系バランスの崩壊
 〇観点2:治山・防災機能の低下
  ・林床植生消失による土壌保持力の減少
  ・土砂災害リスク増大と下流域への影響
 〇観点3:持続的林業経営の阻害
  ・造林木の食害による成長障害と枯死
  ・対策費用増加と森林資源確保の困難化
2.最重要課題およびその解決策
 ▼最重要課題及びその理由
  ・持続的林業経営の基盤崩壊
  ・森林の健全な循環の断絶
 ▽解決策1:ICT活用捕獲システム
  ・森林GISとセンサーカメラの統合システム
  ・GPS技術とドローン活用による個体数管理
 ▽解決策2:耐性樹種の複層林化
  ・不嗜好性樹種の戦略的植栽
  ・複合的保護対策による更新基盤の確保
 ▽解決策3:地域連携推進体制
  ・多様な関係者による協議会の設立
  ・ジビエ活用と環境教育の推進
3.新たに生じうるリスクとそれへの対策
 ◇リスク及び対策1:生態系バランスの変調
  ・過度の捕獲による局所的絶滅の危険性
  ・継続的モニタリングと順応的管理の実施
 ◇リスク及び対策2:防護施設の景観影響
  ・森林景観とレクリエーション機能の阻害
  ・景観配慮型設計と撤去計画の策定
 ◇リスク及び対策3:地域合意形成の困難
  ・利害関係者間の意見対立と調整課題
  ・科学的データ共有と透明性の確保
4.業務遂行に必要な要件
 ☆技術者としての倫理の観点
  ・科学的根拠に基づく長期的視点の保持
  ・多様な価値観の尊重と人道的処理の徹底
 ☆社会の持続可能性の観点
  ・複合的社会課題の同時解決への貢献
  ・気候変動を考慮した世代間公平性の確保
(Made by Team Koizumi)


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1.森林の多面的機能を低下させるシカ害と課題
〇森林の持つ多面的機能をシカが低下させる事例
 森林の多面的機能に対するシカの影響として、下層植生の消失による林床植物の多様性低下、土壌流出による水源涵養機能の低下、稚樹食害による森林更新阻害などが顕著である。
〇観点1:森林生態系の保全
 シカの過剰な採食圧は下層植生を著しく減少させ、植物種多様性を損なっている。これにより植物を基盤とする昆虫類や小型哺乳類の生息環境が悪化し、森林生態系全体のバランスが崩れている。
〇観点2:治山・防災機能の低下
 林床植生の消失は土壌保持力を弱め、特に急傾斜地での表土流出や土砂崩壊リスクを高めている。この林地荒廃は下流域への土砂流入を招き、森林の持つ防災機能を著しく低下させている。
〇観点3:持続的林業経営の阻害
 造林木への食害は成長阻害や枯死を引き起こし、防護柵などの対策費用は林業経営を圧迫している。これにより将来的な森林資源確保が困難となり、木材生産機能や炭素固定機能も低下している。
2.最重要課題およびその解決策
▼最重要課題及びその理由
 前問の観点3より、持続的林業経営の阻害を最重要課題とする。森林管理が適切に行われなければ生物多様性保全や防災機能維持も困難となるためである。シカによる更新阻害は森林の健全な循環を断ち切り、多面的機能の発揮を妨げている。
▽解決策1:ICT活用捕獲システム
 森林GISとセンサーカメラを連携させ、シカの出没情報をリアルタイムで把握するシステムを構築する。くくり罠へのGPS発信機装着による捕獲の即時把握とドローンによる生息状況調査を組み合わせ、科学的な個体数管理を実現する。
▽解決策2:耐性樹種の複層林化
 シカの不嗜好性樹種を活用した植栽設計を行い、針広混交林や複層林化を進める。忌避剤や物理的保護資材などを組み合わせた複合的対策により、森林の更新基盤を確保する。
▽解決策3:地域連携推進体制
 関係者による協議会を設立し、情報共有と役割分担を明確化する。捕獲シカのジビエ利用促進により経済的インセンティブを創出し、環境教育を通じて対策の社会的理解を深める。
3.新たに生じうるリスクとそれへの対策
◇リスク及び対策1:生態系バランスの変調
 過度の捕獲によるシカの局所的絶滅は生態系バランスを崩す恐れがある。森林生態系の継続的モニタリングにより植生回復や他種の生息状況を評価し、順応的管理手法で個体数調整目標を柔軟に見直す。
◇リスク及び対策2:防護施設の景観影響
 防護柵は森林景観やレクリエーション機能を阻害する可能性がある。景観配慮型資材の選定と最小限の設置範囲の検討、植生回復後の速やかな撤去計画により、公益的機能への影響を最小化する。
◇リスク及び対策3:地域合意形成の困難
 対策推進過程で利害関係者間の意見対立が生じる可能性がある。科学的データに基づく客観的情報提供と透明性の高い意思決定プロセスを確立し、費用対効果の定量評価による最適資源配分を実現する。
4.業務遂行に必要な要件
☆技術者としての倫理の観点
 森林技術者は科学的知見に基づく客観的判断と長期的視点からの森林生態系保全を心がけ、多様な価値観を尊重した丁寧な合意形成を図るべきである。特に野生動物対策では倫理的配慮と人道的処理を徹底する責務がある。
☆社会の持続可能性の観点
 シカ害対策は持続可能な森林管理の一環として、生物多様性保全、防災、地域経済活性化などの社会課題の同時解決を目指すべきである。気候変動影響を考慮した順応的管理手法により、森林の多面的機能が将来世代にわたって発揮される社会システムの構築が求められる。
(Made by Team Koizumi)


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🔶R06_I-2|過去問題

 森林の多面的機能の持続的発揮と地域の活性化には、森林整備とともに木材の需要拡大が不可欠である。そのような状況のもと、建築用材等として多くの針葉樹材が用いられているが、広葉樹材は1960年代以降、薪炭材としての利用が減少し、その森林の高林齢化がすすんでいる。一方、我が国の広葉樹林の面積率は約47%と針葉樹林とほぼ同等であり、未利用広葉樹資源の利活用が求められている。
 上記のような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1)広葉樹林及びその資源の多面的な利活用に関して、その利活用事例を1つ挙げ、その事例に対して技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1)~(3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。

「日本技術士会」HP


🔶R06_I-2|骨子案

1.広葉樹林資源の多面的利活用と課題
 〇広葉樹林及びその資源の利活用事例
  ・岐阜県の広葉樹CLT活用と公共建築物への展開
  ・森林資源の循環利用と未利用広葉樹の有効活用
 〇観点1:木材加工技術の適応
  ・広葉樹特性に対応した技術開発の必要性
  ・内部割れや変形に対応した加工プロセスの確立
 〇観点2:市場受容性と認知度向上
  ・広葉樹CLTの性能評価と建築基準の整備
  ・官民連携による普及促進とマーケティング戦略
 〇観点3:供給体制とコストの最適化
  ・広葉樹材の流通量不足と原材料調達コストの課題
  ・地域単位での集約化と供給システム構築
2.最重要課題およびその解決策
 ▼最重要課題及びその理由
  ・広葉樹材の安定供給とコスト低減の必要性
  ・安定した供給体制とコスト競争力の確保
 ▽解決策1:林分計画育成管理
  ・長伐期施業の推進と計画的な伐採、植林
  ・未利用二次林の活用と適切な間伐の実施
 ▽解決策2:地域拠点体制整備
  ・集材・加工拠点の整備と輸送コストの削減
  ・広葉樹特有の乾燥技術高度化と品質均一化
 ▽解決策3:多用途市場価値創出
  ・CLT以外の家具や内装材など多用途での利用推進
  ・広葉樹材活用モデル建築の整備と実証事業の展開
3.新たに生じうるリスク及びその対策
 ◇リスク及び対策1:生態系バランス崩壊
  ・過剰伐採による森林生態系への影響と多様性喪失
  ・認証制度導入による環境負荷の最小化
 ◇リスク及び対策2:地域拠点採算性悪化
  ・運営コストと需要変動による採算性の課題
  ・地域材のブランド化と環境価値の可視化
 ◇リスク及び対策3:輸入材市場圧迫
  ・安価な輸入材による国内産業への影響
  ・国産材の差別化と公共調達方針の強化
4.業務遂行に必要な要件
 ☆技術者としての倫理の観点
  ・持続可能な森林管理と過剰伐採防止の責任
  ・透明性の高い事業運営と地域社会への配慮
 ☆社会の持続可能性の観点
  ・地域産業の継続性確保と森林の多面的機能維持
  ・環境との調和と産業全体の持続的発展

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