【工作録】強ベイで勝ち誇る息子と大人気ない父。自作シリコン型とピューター鋳造で蘇れ!爆転シュートの輝く思い出
『普段のサバゲーを少し離れて、大人気ない大人の工作を』
普段(と言っても今日で開始9日目だが)、このブログでは、サバゲーを軸に、相棒のAIハーマイオニーと二人三脚で、自己流のPMCスタイルの確立に向けた試行錯誤や、出会った装備品をメンテナンスして愛用品に変えていく、そんな話を書いている。
そんな私が、今回は「ベイブレード」について書く。
理由は特にない。ただ、ブログ執筆を通して自分の「好き」について振り返っていると、大好きなベイブレードについて無性に書きたくなった。ただ、それだけだ。
これは大人気ない大人の工作の記録である。
『息子の一言と禁断のベアリング』
事の発端は、小学生の息子(当時7歳)だ。
最新の「ベイブレードX」シリーズに、かつて自分が小学生だった頃に熱中した「ドラグーンS」と「ドライガーS」が復刻されているのを知った。懐かしさのあまり即座に購入し、小学生の息子とバトルをしてみたのだが、どうにも勝てない。
特に昔から愛用しているドラグーンは、当時の仕様を再現しているせいか現行のベイに比べて非常に軽く、激しい「Xダッシュ(ギアで超加速するギミック)」を受けるとあっけなく弾け飛んでしまう。
息子から「なんかそのベイ弱いね」と言われ、さすがにカチンときた。
大人の力を見せつける時が来た。
思えば小学生の頃も、「ガルマーン」というベイのフリー回転刃を取り外し、ウエイトディスク(重り)を2枚重ねるような工夫…という名の力技をして勝とうとしていた。
まずは相手を吹き飛ばしつつ、防御力も極端に高い「真円」かつ「フリー回転刃」のベイを作ってやろうと思い立った。そこで、NGK製ベアリングを調達し、ハードオフで買った適当なベイを素体に、レジンでベアリングを接着して「ブレード(相手ベイと直に接するパーツ)」にした。
結果は当然ながら圧勝だったが、見た目がひどく不格好で、何よりルール無用すぎてズルいので封印した。
(なお、私はYouTuber「ためおじ」氏の大ファンであることをここで公言しておく)

レジンコーナーにあった謎の金色の石で
装飾したらカッコよくなると思ったが…()
目的が少しズレてしまったので、原点に立ち返ることにした。まずは現状でも相応に戦えるドライガーSの復刻版を強化しよう。ドライガーは円形に近い形状で、下から跳ね上げるアッパー攻撃が強力だ。ドライガーV2はとにかく強かった…。
最初はガルマーンの時のように内部に重量物を仕込もうとベイを分解してみたが、そんなスペースはない。
そこで思い出したのが、ためおじ氏の「チタンピオ」だ。「フルメタル」という響きだけで、ワクワクするのは私だけではないはずだ。
とはいえ、私には3Dモデリングの技術も、当然ベイをスキャンする機材もない。ネット上には有志が作成した3Dデータも落ちていたが、いくら個人利用とはいえ著作権的に手を出したくなかった。
他の手段を探して「ベイブレード フルメタル」などで検索していると、自作で金属鋳造をしている人がいるらしい。
鋳造には大がかりな設備が必要だと思い込んでいたが、調べてみると、小学生向けのワークショップで錫のコップを作ったり、ピューター(鉛や錫等の低融点合金)でアクセサリーを自作する人が大勢いた。
片っ端から調べ、金属メダルの鋳造工程を解説しているサイトに行き着いた。「メダルがいけるなら、ベイブレードもいけるはずだ」。
ベイすべてを金属の一体成型で作るのは難易度が高すぎるし、なにより絶対にバーストしないのはズルすぎる。
「ビット(軸パーツ)」や「ラチェット(ブレードとビットを繋ぐ中間パーツ)」を組み替えて遊ぶベイ本来の醍醐味も消えてしまう。
そこで、「ブレード」の樹脂部分のみをメタル化することにした。それなら重量も程よく増すはずだ。そこまで配慮する私は、なんと大人なんだろう!
(大人はそこまでして子どもに勝とうとしない、という正論は置いておく)
各種サイトを頼りに、耐熱シリコンや型枠ブロックなど必要な道具をAmazonで揃えた。購入ボタンを押す瞬間、「これで新しいベイが何個買えるかな?」と頭をよぎったが、無視した。
さっそく、ネジ止めされているブレードを3つのパーツに分解し、樹脂パーツをシリコンで型取りしていく。
シリコンの硬化には時間がかかるため、朝と晩に作業を割り振り、日中は仕事や家事をこなした。
(途中、硬化中のシリコンに息子とその友人が面白半分で指を突っ込むという事件が起き、泣きそうになったが)
シリコン型は想像以上に綺麗に仕上がった。しかし、溶かした金属を流し込んでも上手くいかない。空気の抜け道が狭く、型の隅まで金属が回らないのだ。

カッターや彫刻刀で空気穴を増やすと、今度はそこから金属がダダ漏れになる。結局、型から作り直す羽目になり、さらに数日を費やした。
ようやくでき上がった金属パーツを組み合わせる段階でも壁はあった。ラチェットが入らずヤスリで削ると、今度は削りすぎてしまったため、また鋳造。ランナー(金属の通り道)を力任せに切断して鋳造パーツを曲げてしまい、また鋳造。
失敗の連続にさすがに嫌気がさしたが、私が買い与えた「ウィザードロッド」のような強力なベイを使い、ドヤ顔で勝ち誇る息子を負かしたい。ただその一心で試行錯誤を続けた。
完成した金属パーツの接合は、力技でねじ込んだビスと金属専用接着剤を用いた。最初はハンダやレジンでの接着を試みたが、真夜中のテストで「スリー・ツー・ワン、Goシュート!」した瞬間にベイが四散するという悲劇があったためだ(息子に見られなかったのだけが幸いである)。
『絶妙な重さのドライガー。土曜朝一番のリベンジ』
ドライガーの重さは約70g。現行ベイの1.2〜2倍程度で、ノーマルベイを破壊しなさそうな絶妙なラインに収まった。重心が高くなるため回転はやや不安定になるが、強さのバランスとしては丁度いいだろう。ま、勝つのは私だが(≖ᴗ≖ )ニヤリ
最後にブレードを中性洗剤で洗い、ピンセットでシールを丁寧に貼り付け、表面保護のクリアスプレーをかける。そうして出来上がったのがこちらだ。

その無骨さもまたいいのだ
土曜の朝一番。「ベイやろう!」と誘うと、息子は「やっと金属ベイできたの?」とテンションを上げた。
結果は圧勝。大人が本気で時間と労力を注ぎ込み、ベイ筋を振り絞って放たれたドライガーの前に、息子は無力だった。
(ベイブレードもサバゲーも最後にモノを言うのは己の筋肉である)
その後は、金属ベイとノーマルベイを順番こで使い、ベイバトルを楽しんだ。
ドライガーの成功に気を良くし、本命であるドラグーンのメタル化にも着手した。工程の苦労は全く同じなので割愛するが、2度目の鋳造にも関わらず、ドライガーより凹凸が多いドラグーンの鋳造はさらに骨が折れた。
ドラグーンといえば、ブレードの龍を模した4枚刃の「目」が命だ。手持ちのルミノーバ(蓄光)粉末をレジンに混ぜ、爪楊枝で目を塗装した。まさに画竜点睛である。


子どもの頃、蓄光と蛍光の違いを知らず、
蛍光ペンで塗って光を当て続けたことを思い出す
重さは56g。現行機と大差ない重量になってしまった。実戦での勝率もせいぜい5割といったところ。軸先がラバーのため、ハマれば一撃で相手を粉砕するパワーを秘めているが、暴走してスタジアムの四隅の穴に飛び込み自滅することも多い。
だが、これでいいのだ。ドラグーン系統の「左回転」と「ラバー軸」が織りなす変則的な軌道、そして光輝く青龍の目。ロマンの塊なのだから。
『手間暇かけて愛用品を作る過程』
その後、この金属ベイたちはどうなったか。
ドライガーがあまりにも強すぎたこと、そして何より「せっかく当たったレアベイ(ワルキューレボルト)に傷をつけたくない」という息子の極めて真っ当な意見により、あえなく実戦から引退することとなった。
(結局レアベイも普段から使っているので傷だらけなのだが…)
これらのベイは現在、自室の片隅にある「好きなもの置き場」に飾っている。エアガンや遊戯王カード、腕時計たちと同じように。
今回のきっかけは息子の何気ない発言だ。だが、サバゲー装備のカスタムもベイの改造も、自分の理想に向けて試行錯誤する作業であることに変わりはない。
結局のところ、私は隙間時間を見つけては、手間暇かけて自分だけの愛用品を作り上げる過程そのものがたまらなく好きなのだ。

次は、欲しくても手に入らなかった
コロコロ限定ブラックメタルカラーの
ドラグーンSを金属で作りたいものだ
