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新人介護士の頃、「人によるから」がいちばん難しかった|先輩によって言うことが違う現場で感じたこと


こんにちは。
元ITエンジニアで現役介護福祉士のやなぎです。

転職してあっという間に3か月が過ぎ、30代にもなると新人気分って味わう機会があまりないので、新鮮だったのですが周囲がもう新人扱いしてくれないことに少しだけ寂しさを感じているやなぎです🤫
そうは言っても半年は新人だと思っているので、まだまだ新人です!と声を上げていきたいと思います😌

そんな僕ですが、新人教育について考えていると、昔の自分を思い出すことがあります。

介護の仕事を始めたばかりの頃、僕がよく戸惑っていた言葉があります。

それは、
「そこは人によるから」
という言葉です。

今なら、その言葉の意味も少し分かります。

介護の現場では、利用者さん一人ひとりの状態が違います。
その日の体調も、気分も、声かけへの反応も違います。
職員ごとに経験や考え方もあります。
間接業務(利用者さんと関わらない仕事)は、本人のやりやすい手順や準備があります。

だから、すべてを同じやり方にできるわけではありません。

でも、新人の頃の僕にとって、
「人によるから」
は、とても難しい言葉でした。

自由に考えていいというより、
何を頼りにすればいいのか分からなくなる言葉でもありました。

「人による」と言われた瞬間に、正解がふっと遠くなるような感覚があったのを覚えています。



新人の頃、「人によるから」はとても難しい言葉だった

新人介護士だった頃、先輩によって言うことが少しずつ違う場面がありました。

Aさんには、
「こうした方がいいよ」
と言われる。

Bさんには、
「いや、こっちの方がいいよ」
と言われる。

Cさんには、
「そこは人によるから、その場で考えて」
と言われる。

今振り返れば、どの先輩も意地悪で言っていたわけではないと思います。

それぞれの経験があって、
それぞれに大切にしている見方があって、
現場の中で身につけた工夫を教えてくれていたのだと思います。

でも、新人だった当時の僕には、その違いを受け取る余裕があまりありませんでした。

「人によるって、どういうことだろう」
「じゃあ、何を最初に覚えればいいんだろう」
「どこまでが基本的なことで、どこからが先輩のやり方なんだろう」

そんなふうに考えていました。

そして、いつの間にか、

「この先輩の時はこうしよう」
「あの先輩の時は違うやり方にしよう」

と、人ごとに正解を探そうとしていた気がします。

それは、自分なりに現場に慣れようとしていたからでもあります。

でも、本当は新人さんが最初に覚えるべきなのは、先輩ごとの正解ではないのだと思います。


最近、新しい現場でも同じような言葉を聞いた

僕は最近転職をして、新しい現場に入りました。

新しい現場に入ると、やっぱり覚えることはたくさんあります。

利用者さんのこと。
職員さんの動き方。
物品の場所。
記録の書き方。
声かけの雰囲気。

同じ介護の仕事でも、現場が変われば知らないことはたくさんあります。

その中で、今回も似たような言葉を聞くことがありました。

「そこは人によるから」
「職員によって少しやり方が違うから」
「慣れてきたら、自分に合うやり方で大丈夫」

この言葉だけを見ると、新人の頃に戸惑っていた時と似ています。

でも、今回は少し受け取り方が違いました。

もちろん、新しい現場なので分からないことはあります。
迷う場面もあります。
すぐに全部が見えるわけではありません。

それでも、経験を重ねた今は、その説明の中で
どこが大事なのか
が、少し見えやすくなっていました。

たとえば移乗介助なら、

「この職員さんはこの順番で確認しているんだな」
「でも大事にしているのは、ブレーキや足元、移乗先の安全確認なんだな」
「この声かけは、その利用者さんが安心しやすいようにしているんだな」
「ここは職員さんごとの経験からくる工夫なんだな」

と考えられるようになっていました。

新人の頃は、違いがあるだけで不安でした。

でも今は、違いの中にも、共通して大切にしている部分があると少し見えるようになりました。

同じ言葉なのに、受け取り方が変わっていたことに、自分でも少し驚きました。


経験者には見えていて、新人には見えにくいものがある

この違いは、けっこう大きいと思います。

経験のある職員には、見えているものがあります。

  • これは安全のために必ず必要な確認。

  • これは施設として大切にしている基本。

  • これはその利用者さんに合わせた対応。

  • これは自分が現場の中で身につけた工夫。

でも、新人さんには、まだその違いが見えません。

全部が同じ重さに見えます。

先輩が言ったことは、全部守らなければいけないことのように感じます。
昨日言われたことと今日言われたことが違うと、自分が間違えたように感じます。
「人による」と言われると、急に足元が不安定になるような感覚になることもあります。

だから、新人さんが迷うのは、何を大切にすればよいかが、まだ見えにくいからなのだと思います。

経験者には自然に見えている、
「ここは基本」
「ここは工夫」
「ここはその人に合わせて変えるところ」
という分かれ目が、新人さんにはまだ見えにくい。

だからこそ、そこを言葉にして渡すことが大切なのだと思います。

新人さんが安心して覚えられるようにするには、
「考えて」だけではなく、
「まずここを見れば大丈夫です」
という小さな支えが必要な時もあります。


「人によるから」の前に、渡せる言葉がある

今の僕が新人指導で大事にしたいと思っているのは、教え方を全部同じにすることではありません。

介護の現場では、利用者さんの状態も違います。
職員ごとの経験や工夫もあります。
その違いを全部なくそうとすると、現場に合わなくなることもあると思います。

でも、最初にそろえたいものはあります。

それは、細かいやり方よりも、
「この業務で何を目指すのか」
というゴールです。

たとえば移乗介助なら、ただ移乗できればいいわけではありません。

利用者さんが体をぶつけたり、腕や足をひねったりしないこと。
怖さや不安が少ないこと。
職員も腰や膝を痛めず、無理の少ない姿勢で介助できること。

そこが見えていると、同じ「人によるから」という言葉でも、受け取り方が少し変わります。

これは必ず守る基本なのか。
それとも、その職員さんが経験の中で身につけた工夫なのか。

その違いが見えやすくなるからです。

新人さんに最初からそれを全部見分けてもらうのは、きっと難しいです。

だからこそ、指導する側が先に、

「この業務では、まずここを大切にしています」
「ここは必ず確認するところです」
「ここは私が経験の中でやりやすいと感じている工夫です」
「まずは基本を覚えて、慣れてきたら一緒に考えていきましょう」

と伝えられると、新人さんは少し安心して学びやすくなるのだと思います。

「人によるから」と伝える前に、
ゴールと基本を渡す。

そのうえで、職員ごとの工夫を伝える。

その順番があるだけで、新人さんの受け取り方は変わる気がしています。



教える側も、一人で抱えなくていい

新人教育というと、新人さん側の不安に目が向きやすいです。

でも、指導する側にも迷いがあります。

「ちゃんと伝わっているかな」
「自分の教え方でいいのかな」
「他の職員と違うことを言っていないかな」
「どこまで任せていいんだろう」

こうした不安は、きっと多くの指導員が感じていると思います。

だから、新人教育は一人の指導員だけで抱えるものではなく、チームで支えるものにしていきたいです。

誰か一人が完璧な教え方をするのではなく、

「この業務のゴールは何か」
「ここは共通して伝えよう」
「ここは職員ごとの工夫として残そう」
「新人さんが迷いやすいところは、最初に説明しておこう」

と確認し合う。

それだけでも、新人さんにとっては安心につながると思います。

そして指導員側にとっても、
「自分だけで全部背負わなくていい」
と思える形になるのではないでしょうか。

新人さんを支えるためには、指導する人も支えられていることが大切なのだと思います。


ブログで詳しく書きました

今回、この内容をもう少し実践向けにまとめて、ブログ記事にしました。

ブログでは、

  • 介護現場の新人教育で教え方がバラバラになる理由

  • 新人さんが混乱しやすい背景

  • 指導員側が悩みやすいポイント

  • 業務ごとのゴールから考える方法

  • 施設として守る基本と、職員ごとの工夫の分け方

  • 指導内容共有シート

  • 進捗確認シート

  • 利用者別・介助習得一覧表

  • AIで共有シートを作りやすくするプロンプト

までまとめています。

無料Excelテンプレートも用意しました。

新人教育で、
「教え方が人によって違うかもしれない」
「新人さんが迷っている気がする」
「指導員同士で、もう少し共有しやすくしたい」
と感じている方の参考になれば嬉しいです。

▼ブログ記事はこちら



おわりに

新人さんが迷うのは、何を大切にすればよいかが、まだ見えにくいからなのだと思います。

指導員によって伝え方が違うのも、必ずしも悪気があるからではありません。

それぞれが一生懸命だからこそ、見ているポイントや伝え方が少しずつ違うことがあります。

だからこそ、責めるのではなく、
「何を目指しているのか」
「どこを共通して大切にするのか」

を一緒に確認できたら、現場は少し学びやすくなると思います。

新人さんにとっても。
指導する人にとっても。

安心して聞けること。
安心して教えられること。
そして、利用者さんにとっても安心できるケアにつながること。

そんな新人教育の形を、少しずつ作っていけたらいいなと思います。

完璧な教え方を最初から目指さなくても、
「ここは一緒に大切にしよう」
と確認し合えるだけで、現場の空気は少し変わる気がします。

その小さな確認が、新人さんの安心にも、指導する人の安心にも、きっとつながっていくのだと思います。

よかったら皆さんが新人教育で気を付けていること、新人教育を受けて感じていたことなどあればぜひコメントで教えてくださいね。

今回も最後まで読んでいただい、ありがとうございました🍀



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