欠点だらけ、それでも一番好き。ゼノブレイド2 300時間プレイレビュー
ゼノブレイドシリーズをこれから始める人に、1本だけ勧めるならどれか。
そう聞かれたら、私は『ゼノブレイド Definitive Edition』を選びます。ストーリーは分かりやすく、戦闘も比較的シンプルで、ゲーム全体が美しくまとまっているからです。
では、シリーズで一番好きな作品はどれか。
その答えは、迷わず『ゼノブレイド2』です。
他作品と比較し戦闘システムの説明やUIは不親切で、『ゼノブレイドクロス』ほど自由な探索ができるわけでもありません。それでも、物語が大きく動いた瞬間の高揚感や戦闘の爽快感、遊び終えたときの喪失感と感動は、シリーズの中でも群を抜いていました。
減点方式で見れば、ほかの作品に負けるかもしれない。
しかし、加点方式で選ぶなら圧倒的な1位。それが、私にとっての『ゼノブレイド2』です。
【ゼノブレイドシリーズ プレイ歴】
Xenoblade definitive edition:150時間以上 つながる未来クリア済
Xenoblade2:300時間以上 黄金の国イーラクリア済
Xenoblade3:150時間以上 新たなる未来クリア済
XenobladeX Definitive Edition:120時間以上 追加ストーリー含めクリア済人を選ぶ、それでも一番泣いた物語
『ゼノブレイド2』のストーリーは、シリーズの中でも特に好みが分かれます。
キャラクターデザインや演出はアニメ色が強く、随所にコメディ寄りの場面も少なくありません。この空気が合わず、「寒い」「ノリについていけない」と感じる人がいるのも理解できます。物語が本格的に動き出す前に離脱した人も多かったのではないでしょうか。
ただ、その先まで進んだからこそ味わえる感情の振れ幅は、本作ならではです。

中盤以降は大きな山場が何度も訪れ、終盤になるほど、それまで何気なく見ていた言葉や行動の意味が変わっていきます。特に印象的なのは、敵として立ちはだかる人物にも、それぞれの信念や葛藤があることです。彼らがなぜその道を選んだのかを知るほど、物語の見え方が深くなります。
初代は、伏線をきれいに回収し、1本の物語として非常に美しく完結しています。考察を読まなくても、物語の根幹を理解しやすい作品です。
一方『ゼノブレイド2』は、1周しただけでは拾いきれない要素が多くあります。場面を見返したり、考察を読んだりして、ようやく腑に落ちる部分も少なくありません。分かりやすさでは初代に及びませんが、理解が深まるたびに評価が上がっていく物語です。
『ゼノブレイド3』は6人の主人公全員を丁寧に描いた群像劇として魅力的でしたが、回収されない謎も多く、私は少し消化不良を感じました。それに対して『ゼノブレイド2』は複雑でありながら、最後には強い感情を残してくれます。
シリーズで最も美しくまとまっているのは初代。
それでも、エンディングで最も泣いたのは『ゼノブレイド2』でした。

分からないと苦痛、分かると最高の戦闘
戦闘も、初代と比較しかなり複雑です。
崩しから始まるドライバーコンボ、必殺技を属性順につなぐブレイドコンボ、チェインアタックでの属性玉破壊。複数の仕組みを同時に考える必要があるため、序盤は「何が起きているのか分からない」まま戦うことになりがちです。

しかし、この一連の流れを自分のパーティーで再現できるようになると、戦闘の印象は一変します。自分なりの型が完成し、その型がきれいにはまった瞬間の爽快感は、シリーズでもトップクラスです。
初代の戦闘はシンプルで理解しやすく、レベルを上げれば突破しやすい設計です。『ゼノブレイド3』は、1と2の要素を引き継ぎながら、チュートリアルとUIを大幅に改善しています。
それでも、戦闘を理解した後の爆発力では2が上です。
美しいアルストと、探索を止める仕組み
雲海を泳ぐ巨神獣「アルス」の上に国や街が築かれている世界観は、本作を象徴する魅力です。
草原、雪原、荒野など、アルスごとに景色と文化が大きく異なり、次の土地へ向かうたびに冒険している実感があります。特にスペルビアを歩いたときの景色と、フィールドBGMの組み合わせは強く印象に残っています。
ただし、今作にはいくつかの大きな欠点があります。
高低差のある地形に対して目的地表示が十分ではなく、方向と距離は合っているのに道が見つからないことがあります。先へ進むために特定のフィールドスキルが必要となり、そのたびにブレイドの編成を見直す場面も多々あります。探索したい気持ちを、ゲーム側の仕組みに止められてしまうのが惜しいところです。

マップそのものの完成度なら、私は『ゼノブレイドクロス』をシリーズ最高に挙げます。ドールを手に入れ、やがて空まで自由に飛べるようになったときの世界の広がりは唯一無二でした。
音楽が物語を記憶に変える
BGMは文句なしです。
戦闘、フィールド、イベントのすべてに印象的な曲がそろっています。なかでも「Counterattack」は、物語が大きく動く場面の興奮を何倍にも引き上げる一曲です。曲を聴くだけで、そのときの映像や感情まで一緒によみがえります。
物語と音楽が重なった瞬間の破壊力は、2が最も強かったと感じます。
良い曲が流れていた、という記憶ではありません。その音楽があったからこそ、場面そのものが忘れられない記憶になった。本作のBGMは、物語を飾るものではなく、感情を完成させる重要な一要素となっています。
最大の敵はUIかもしれない
本作を手放しで勧めにくい最大の理由が、UIの分かりにくさです。
迷いやすいナビゲーションや、情報量の多い戦闘画面。複雑なゲームシステムに対して、それを理解させるための説明が不親切です。
『ゼノブレイド3』では、この反省が生かされたように感じました。6人以上が同時に参加する戦闘でありながら情報は整理され、チュートリアルも親切です。初代リメイクも、目的地までの導線が分かりやすく、シリーズ未経験者でも遊びやすくなっています。
それらと比べると、『ゼノブレイド2』のUIは明確に弱点です。
Nintendo Switch 2 Editionでも、フィールドスキル周りは改善されましたが、UIや各システムの分かりにくさまで作り直されたわけではありません。本作特有の不器用さは健在です。

減点方式では負ける、加点方式なら圧倒的1位
初代の方が物語は美しくまとまっています。3の方が親切で遊びやすいです。クロスの方が世界を探索する楽しさに優れています。
『ゼノブレイド2』にはここまで記したような明確な欠点があります。あと一歩整っていれば、途中で離れたプレイヤーにも、本当の面白さが届いたのかもしれません。
それでも私は、2が一番好きです。
ゲームは、遊び終えたあとに静かに記憶から薄れていくことがあります。しかし『ゼノブレイド2』は、物語を見返し、音楽を聴き直し、戦闘を理解するほど、時間がたっても好きな理由が増えていきます。
シリーズ最初の1本として勧めるなら、私は初代を選びます。
でも、私が全シリーズを遊び終えたあと、どの作品が一番心に残ったのかと聞かれると、間違いなく『ゼノブレイド2』です。
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