📖「春のこわいもの」
著:川上未映子
新潮文庫
誰もが知っているおなじみの感覚の、「それ、その感覚の表現の最適解!」と絶賛したくなるような、秀逸な言い回しがたくさん。
コロナ渦最初期の、あのなんとも言えない日常と非日常のはざま。
人々の生活にはまだ大きな影響は出ていないものの、じわじわと迫りくるその気配を、みな日を増すごとに感じていた。
そんな状況を背景にした6つの物語は、どれも危うい空気を多分に含んでいて、たしかに”こわかった”。
川上さんの文章は独特の”ぬめり”があって、読みやすいのに濃厚で、読後の満足感が高いから、小難しい文章を頭が受けつけないとき、つい手が伸びる気がする。
コンフォートフードならぬ、コンフォートノベルかな。
