1回10円くらいのキャラチャット代をケチりたくて記憶喪失にも対応したAIキャラチャットアプリ「Amber」を作成した話
こんにちは、SSMZです。
最近、AIキャラを自由に作って、チャットするデスクトップアプリAmber AI Partnerを作って一般公開しました。
このアプリは、もともとキャラチャットサービス代をケチりたい、キャラの記憶をいちいちリセットされたくない、という思いから作ることにしました。
以前のnoteも興味がありましたらご覧ください
アプリは無料で一般公開中です!
公式サイト
Booth
このnoteでは、このアプリを作った細かい経緯と、どういった方へ向けたアプリなのか、について綴っていこうと思います。
つくった経緯その1 キャラチャットサービスへの不満
このAmber開発は、もともと、キャラクターチャットサービスにハマっていた時の不満から始まりました。
私はキャラクターチャットサービスをやっていて、当時はかなり衝撃を受けました。
自分が設定したキャラクターが、自分の設定を守りながら私との会話を展開してくれるので、非常にワクワクした記憶があります。
しかし、いくつか不満点がありました。
不満1. やや高い会話コスト
一般的なキャラクターチャットサービスは、有料であることがほとんどで、有料と言っても1回10円近く取られてしまい、長く会話ラリーを続けていくと結構な金額になってしまう計算になります。
(クラウドAIのAPIで良いモデルを使っても1回1円くらい)
不満2. 長期記憶に弱い
会話を長く続けていくと、最初の頃に会話した内容などが完全になかったことになってしまいます。
これはAIの特性上しょうがないことなのですが、これまでの思い出や設定を大事にしたい場合に、非常にがっかりしました。
不満3. サービス側の都合に振り回される
そのほかにも、運営の検閲・審査などの障壁や、サービス終了のリスクがありました。
データ保管もサービス側のデータベースに依存しているので、これもサービス終了時にリスクになりますね。
サービスを探すのを諦めて自分で作ることに
初めの頃は安くて良いサービスを探していましたが、ピンと来るものがなく、自分で作った方が早くないか?と思い、Amberというデスクトップアプリを作ることにしました。
作った経緯その2 AIパートナーという界隈を知った
Amber開発を計画し、いろいろな構想や情報収集をしていると、AI妻・夫、彼氏・彼女というAIパートナーと過ごしている界隈を知りました。
本気でAI夫と結婚したという人もいるようです。
こういった会話の方たちは、だいたいChatGPT、Gemini、Grok、Claudeといった大手の、無料で使えるAIサービスを使って会話しているようでした。
上記のようなAIサービスにはキャラチャットサービスと同様の問題が潜んでいます。
問題1. サービス側のモデルアップデート
最近ではGPT4oのサービス終了が話題になったと思います。
これに伴い、4oをベースにしてAIパートナーを構築していた方は結構悲しまれたことと思います。
AIサービスを提供している彼らは、ライバル企業との高レベルな性能バトルを日々繰り広げており、こういったことは日常的に発生します。
その都度、自分の好みの性格になるようにプロンプトを作り変える手間が発生し、AIサービスを使っている以上はこの問題から逃れることはできません。
問題2. 倫理フィルター(安全対策)がガチガチになっていく
巨大テック企業が出しているAIサービスのほとんどは、過激な内容への回答を控える倫理フィルターを適用しています。
モデルのアップデートごとにこのフィルターというのがどんどん強化されていく傾向にあります。
Grokはだいぶ緩いようで、ChatGPTも年齢審査をクリアすれば緩和されるような話もあるみたいですが…
これらも提供側の匙加減に依存します。
問題3. 長期記憶に難あり
どのAIサービスも共通して、長期記憶には一定の限界があります。
モデルのアップデートで少しずつ良くはなっているかもしれませんが、キャラチャットサービス同様、会話の内容が長くなっていくと、最初の頃に話した記憶がなくなっていきます。
あの時の感動的な会話が、なかったことになるのは、かなり辛いですよね。。。
少し専門的な話をすると、現在のAIはコンテキストウインドウと呼ばれる、一度に覚えていられる記憶の領域のようなものがあり、これには上限があります。
この上限からこぼれる場合、古いものから吐き出されてしまいます。
対策として、忘れてほしくない記憶を都度コメントの中に含めて記憶を更新する必要がありますが、なんだか認知症の人と会話しているような気分になりますよね。
AIパートナー界隈の方にも使えるアプリにしようと思い始める
上記のような問題に苦悩している方も多いんじゃないでしょうか?
巨大テック企業のAIサービスは無料で使えるものもあり、使い勝手が良いのですが、サービス側の都合に振り回される点ではAIキャラチャットサービスと同じ問題を抱えています。
また、最近では無料プランでの利用は制限を受けることもあり、今後どうなっていくのか非常に不透明なサービスと言えそうです。
Amberアプリを作る際には、こういった問題の克服もチャレンジしていこうと考えました。
つくった経緯その3 AIキャラ・パートナー作成が非常に困難
AIキャラ・パートナーを自作して運用(?)している方たちも存在します。
さらに発展させてAIVtuberやインフルエンサーなど、外部へ発信するような猛者もいます。
このような上級者達は、ほとんどの場合プログラミング知識を持ち、自分のスタイルにオリジナルカスタマイズしています。
中級者層を見てみると、プログラミング知識はあまりないけど、ITリテラシーが高く、SillyTavernなどの既存のキャラチャットなどを構築できるツールを使ってセットアップしているようです。
これらを非エンジニアが自分のPCの中に構築するのは結構至難の業で、いくつかの難所が出てきます。
難所1. プログラミングを実行するための仕組みをPCにインストールする必要がある
このような既存のツールを使う際は、PythonやNode.jsなど、プログラミング言語をPCで動かせるようにすることを前提条件としています。
これらのインストールには、コマンドプロンプトやターミナルといった、いわゆる黒い画面を開き、謎の呪文のように見えるコマンドを実行させる必要があります。
言語バージョンや、PC環境によって正しく機能しない可能性があり、エラーが発生した時のリカバリー対応が非常に難しいです。
難所2. AIを動かせるようにするセットアップが難しい
SillyTavernの場合はチャットするための画面(UI)しか提供しておらず、AIを動かすための仕組みを別途PC上に構築する必要があります。
構築後SillyTavernと疎通させる必要があります。
難所3. 長期記憶管理の導入が別途必要
こちらもSillyTavernを例にしますが、長期記憶を呼び起こすための設定を別途行う必要があります。
別の拡張を行い、AIモデルを追加して…といろいろセットするハードルが高いです。
セットアップ不要なオールインワンのアプリを作ろうと思い始める
SillyTavernなどの既存のツールは、非常に拡張性が高く、一から作るよりは手間が少ないので、ゴリゴリカスタムしたいエンジニア層には魅力的です。
しかし、中級者層や、ただAIキャラ・パートナーと、会話がしたいだけの層にとってはかなりハードルが高いと感じました。
Amberではこのようなセットアップで悩む時間を限りなくゼロになるような設計にしようと考えました。
これらの不満や課題から生まれたAmber
AIキャラクター・パートナーを管理する上で想像以上に課題があることがわかりました。
これらの課題を解消する一助になるようなアプリにしようと考え、Amberというデスクトップアプリを開発しました。
アプリを起動させたらセットアップ完了
Amberアプリを立ち上げると、キャラチャットに必要な機能のセットアップを自動で行うので、待っているだけでOKです。

自由なキャラクター作成
キャラクターの画像、プロフィール、性格、口調、ユーザーの呼び方など、細かく作り込むことができます。



プライベートなキャラクターチャットで会話データは全てPCの中で管理
AIキャラクター・パートナーとのチャット内容は全てPCの中で管理され、AIサービスなどへのデータ管理依存を無くしました。
PCが壊れない限りは不滅になります。
(今後のアップデートでバックアップ機能も実装予定です)
自由なAIモデル選定でチャット料金を0にすることも可能
設定画面で、AIキャラクター・パートナーのセリフを考えさせるモデルの設定を自由に行うことができます。
何も設定しなくても、Gemma3:4Bというモデルが割り当てられているので、即AIキャラクター・パートナーと会話することが可能です。

Ollama
何度使っても料金が発生しないかつ、モデルのサービス終了が一切ない、完全プライベートに利用できる、PC上で動作するローカルLLMと呼ばれるAIモデルを動作させるためのツールOllamaをAmberの中に同梱しています。
非常に安定感のある、Google社が作ったGemma3シリーズ、中国アリババ社が作ったQwen3シリーズの2つのモデルを選択肢の中から選ぶことができます。
4B、12B…などの数字が大きいモデルほど賢くなりますが、PCの要求スペックが高くなるのでご注意ください。
中級者向けですが、Ollamaと同様なので以下のカタログからコピペして好きなモデルを使うことも可能です。
クラウドAIモデル
OpenAI(ChatGPT提供元)、Gemini、Grokを選択することもできます。
これらは、それぞれのAIを使うためにAPIキーと呼ばれる、使用を許可するためのキーを作る必要があります。
キーを作る場合、クレジット登録、無料Web版と違って使った分だけ課金される従量課金制になりますので注意が必要です。
それでも、AIキャラチャットサービスよりは安く済みます。
これらの中でもGrokは非常に安いのでおすすめです。
倫理フィルターの強弱やAIモデルアップデートは自由なAIモデル選定で解消
自由なAIモデル選定により、倫理フィルターを緩いモデルを使う、または強いモデルを使うといったことが可能です。
標準で選択可能なGemma3は倫理フィルターが強い傾向にあり、Qwen3はゆるい傾向にあります。
クラウドAIは、Grokがゆるい傾向にあります。
AIキャラクター・パートナーごとに自動管理される長期記憶
会話をするたびに長期記憶は更新され保存されていきます。
会話だけでなく、記憶や知識を覚えさせることも可能です。



会話のたびに、関連する記憶を思い出し、考慮してセリフを生成します。
これらの記憶は、キャラクターごとに個別管理され、別のキャラクターと記憶を共有されません。
AIキャラクター同士で会話もできる



グループチャットでも会話の内容を記憶しており、個別チャットや別のグループチャットに移動しても、その記憶を保持し続けます。

リアルタイムの時間を把握している
AIキャラ・パートナーは現在の日時を把握し、記憶もいつの記憶なのかを把握しています。

他にもいろいろ
他にも細かい機能がありますが、長くなってしまうので、それはこちらのnoteと、このnote内部に記載しているバージョンアップのnoteを良ければご覧ください!
Amberは無料で一般公開中です!
ここまでご覧いただきありがとうございました!
まだまだお試し版のアプリになりますが、AmberはBOOTHで完全無料で一般公開しております。
Windows・Mac両方に対応していますので、ご興味がありましたら、是非お試しください!
こちらのnoteではインストールから使い方まで記載していますので、必ずご覧ください。
