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Google DeepMind、A24に7500万ドル出資 ― 月曜日発表、映画スタジオへの初の出資

GoogleのAI研究部門DeepMindが、インディー映画スタジオA24に出資すると発表した。Googleが映画スタジオに直接出資するのは今回が初めてで、AIとハリウッドの関係性を測るうえで注目すべき動きだ。


1. 提携の概要 ― 7500万ドルの出資と「データは渡さない」という条件


現地時間6月22日(月)、Google DeepMindは、「Marty Supreme」「Everything Everywhere All At Once」、そして、直近のヒット作「Backrooms」で知られるA24に対し、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)報道によれば7500万ドルを投資すると発表した。DeepMind側は、これを単なる出資ではなく、映画製作のためのAIツールを両社で共同開発する「前例のない」パートナーシップだと位置づけている。 TechCrunch

注目すべきは、この提携がAlphabet傘下のGoogleが映画スタジオに出資するのは今回が初めてという点だ。また、A24の映像作品ライブラリやコンテンツデータについては、契約上Googleのアクセス対象から明確に除外されている。AI企業と創作系企業が提携する際にしばしば懸念される「データの吸い上げ」リスクを、契約条件で明示的に排除した形だ。

2. なぜこのタイミングか ― 双方の狙い


2-1. DeepMind側の発信

DeepMindの共同創業者でCEOのデミス・ハサビス氏は、声明の中で、アーティストを支援するツールを開発する最良の方法はアーティストと直接協働することだと述べ、A24のような映画製作者や業界のリーダーと初期段階から連携することで、本物の意味あるストーリーテリングを支える新しいAI機能を構築できると説明した。

2-2. A24側の発信

A24でテクノロジー部門「A24 Labs」を率いるスコット・ベルスキー氏は、WSJに対し多くのAI開発企業が自社の製品を「映画をより安く・速く作る手段」として誤って売り込んできたと指摘し、自分たちのアプローチはそれとは異なると説明している。同氏は創作上のコントロールを保持しながらリスクを取れるような、より良い活用法があるはずだと語った。

具体的な第一弾の取り組みとしては、監督が撮影前にシーンを計画する際に使う簡易的な絵コンテ(ストーリーボード)をAIで生成する仕組みの開発が進められている。なお、この提携は複数年契約かつ非独占的なもので、A24は、他のAI企業とも協業できるほか、DeepMind側も他のスタジオと連携できる仕組みになっている。

3. 業界の温度差 ― ハリウッドとAIの緊張関係


今回の提携は、ハリウッドとAI企業の関係が決して一枚岩ではないタイミングで発表された点も見逃せない。ディズニーとOpenAIの協業は、OpenAIが3月に映像生成ツール「Sora」の提供を停止したことを受けて、今年に入って解消された。

対照的に、Netflixは、別の方向性を選び、撮影後でも追加撮影なしにシーンを修正できる技術を持つAIスタートアップを買収している。これはベン・アフレック氏が手がけていたInterPositive社で、Amazon傘下のMGMスタジオも昨年、映像制作向けAIユニットを立ち上げている。

さらに、この提携発表のわずか数日前には、Amazonが、OpenAIへの500億ドル規模の出資パートナーを不利に描いているとされたサム・アルトマン氏の伝記映画の制作をほぼ完成段階で中止したと報じられている。AI企業と資本関係にあるスタジオが、編集上の判断にどこまで影響を受けるかという論点は、今回のGoogle・A24提携にも今後問われてくる可能性がある。

4. 投資家目線で見るポイント


https://note.com/startup_now0708/n/n47f7c13000f84-1. Alphabetにとっての規模感

7500万ドルという金額は、Alphabet全体の投資規模からすれば決して大きくはない。Alphabetは、2026年通期の資本支出を1750億〜1850億ドルと見込んでおり、それと比較すれば今回の出資は限定的だ。発表当日、Alphabet株は347.56ドルで取引され、年初来では11%上昇、市場価値は4.2兆ドルに達している。なお当日の株価下落については、A24との提携とは無関係の要因によるものとされている。

4-2. A24の企業価値との比較

出資額の参考値としては、A24が2024年6月にThrive Capital主導のラウンドで35億ドルの評価額をつけ、その際にThriveが投じた金額も同程度の7500万ドルだったという点が挙げられる。つまり、今回のGoogleの出資は、規模としては過去の主要投資家の出資額に近いラインに設定されている。

投資家として注目すべきは、この提携が単なる「広告的なAI協業」ではなく、DeepMindが、個別の映画製作者(ダーレン・アロノフスキー氏など)との協業実績を積んだ上で、スタジオ単位での提携としては今回が初めての試みになる点だ。AI企業が創作産業に「製品ではなく協働」として入り込む際のモデルケースとして、今後の他スタジオとの提携動向を見るうえでの一つの参照点になりそうだ。

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