バークシャー第2四半期決算:クラフト・ハインツ評価損で純利益59%減
ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、2025年第2四半期において、クラフト・ハインツ株の評価損計上を主因に純利益が前年同期比で大幅に減少しました。本記事では、決算の主要ポイントをセグメント別に分析し、今後の見通しやリスク要因を指摘します。
1. 主要決算ハイライト
2025年第2四半期の純利益は、123億7,000万ドルにとどまり、前年同期の302億5,000万ドルから約59%減少しました。この大幅な減少は、クラフト・ハインツ株式の評価損37億6,000万ドル(税引き後)を計上したことが主因です。一方、保険事業やエネルギー、物流など主要事業の営業利益は、横ばいないし微減にとどまり、「営業利益指標」(Operating Earnings)は111億6,000万ドルと前年同期比4%減となりました。
2. クラフト・ハインツ株の評価損
2-1. 評価損計上の背景
バークシャーは、2015年にクラフトとハインツの合併を主導し、27.4%の株式を保有しています。しかし、消費者の健康志向シフトやインフレによる原材料コスト上昇が売上に影響し、株価は統合時から62%下落しました。これを受け、第2四半期末時点で帳簿価額を84億ドルに減損しました。
2-2. 投資家の反応
評価損計上により、バークシャー株は、発表直後に約12%下落し、S&P500を下回る動きを見せました。投資家からは、今後の成長見通しや追加の減損リスクを懸念する声が上がっています。
3. セグメント別業績動向
3-1. 保険事業
保険部門では、特に再保険の引受利益が落ち込みましたが、GEICOなど自動車保険の利益は堅調で、全体として保険セグメントの営業利益は前年同期比で横ばいでした。
3-2. 鉄道・物流事業
BNSF鉄道は、輸送量の増加を背景に営業利益が19%増加し、堅実な成長を維持しました。ユーティリティ部門もインフラ投資の効果でプラス成長を達成しています。
4. 今後の展望とリスク要因
キャッシュポジションの活用
バークシャーは、3441億ドルの現金・現金同等物を保有し、追加投資余力は十分です。しかし、高評価銘柄の買収や自社株買いには慎重姿勢を崩していません。経営体制の移行
バフェットCEOは年内に退任し、会長職に専念すると発表。後任のグレッグ・エイベル副会長体制下での投資戦略変更が注目されます。市場環境リスク
・インフレ圧力による輸送・保険コストの上昇
・クラフト・ハインツのさらなる構造改革・分割可能性
・規制・税制変化による再保険収益への影響
今回の評価損計上は純利益を大きく押し下げたものの、バークシャーの中核事業はおおむね安定成長を遂げています。今後は経営体制の移行期にあたり、新CEO体制下での投資判断や資本配分が株主価値にいかに反映されるかが焦点となるでしょう。

