2026年、Uberアプリで“空のタクシー”予約開始へ — Bladeヘリが復活
2025年9月、都市内空中移動の未来に向けた一歩がまた踏み出されました。電動エアタクシー開発を進めるスタートアップ、Joby Aviationが、Blade Air Mobilityの旅客部門を1億2,500万ドル(約数百億円)で取得し、そのヘリコプターおよび水上機サービスを2026年には、Uberアプリで利用可能にする計画を発表したのです。これは、地上交通に加えて空の移動もワンアプリで完結する“モーダル統合”による都市交通の翻新を示す、大きなマイルストーンとなります。
1. JobyとBlade、そしてUberの再結合
1-1. Bladeの旅客事業を取得
Joby Aviationは、2025年8月、Blade Air Mobilityの旅客サービス部門を最大1億2,500万ドルで買収しました。ただし、臓器輸送などを担うBladeの医療部門は対象外で、今後も別会社として存続します。これにより、JobyはBladeが築いてきた都市空間での発着拠点、運用ノウハウ、ブランドを丸ごと手に入れました。
Bladeは2024年に5万人以上の乗客を輸送し、JFK空港やニューアーク空港、マンハッタン、ハンプトンズ、さらには南欧のルートでもネットワークを展開していました。
1-2. Uberとの歴史的パートナー関係
実は、JobyとUberは以前から繋がりがありました。2019年にUberの“Elevate”部門との提携を開始、2020年にはその部門をJobyが取得。Uber Copter(ヘリによる空中送迎)プロジェクトでの経験を引き継ぎ、都市空中移動の技術基盤を確立しています ReutersTechCrunch。
ゆえに今回、Bladeによるヘリ/水上機サービスをUberアプリ上へ統合することは、モーダルを超えた統合移動サービスの再スタートともいえるでしょう。
2. 2026年、Uberアプリでヘリ予約が可能に
2-1. いつ、どこでスタートするのか?
このサービスは「早ければ2026年から(as soon as next year)」開始される見込みとされており、まずはニューヨーク市近郊や南欧の主要ルートを中心に展開される見通しです。
TechCrunchによれば、「最も人気のあるルート」、つまり空港とのアクセスに集中する可能性が高く、JFK/ニューアークやマンハッタン–ハンプトンズ間といった経路が有力候補とされています。
2-2. 現在のBladeサービスをUberから呼べる未来へ
Bladeの現行のヘリコプターや水上機の運用は、まずUberアプリで統合的に呼べるようになります。これは、既存のインフラと顧客基盤を活かしながら、新規導入コストを抑えつつAir Mobilityへの移行を進める狙いです。
3. 電動eVTOL航空機への移行と将来展望
3-1. JobyのeVTOL、いつ・どこで飛ぶ?
JobyのeVTOL(電動垂直離着陸機)は、4名の乗客とパイロット1名を乗せて、最高時速約200マイル(約320km/h)、従来のヘリコプターより格段に静かな飛行を可能にする設計です。
現在FAA(米国連邦航空局)の認証取得を進めており、Type Inspection(型式審査)飛行試験は2026年初頭とされ、最初の商業サービスはドバイで2026年の開始を予定しています。
認証取得後は、ニューヨーク、ロサンゼルス、英国、日本など他都市圏にも展開する計画です。
3-2. 移行を支えるパートナーシップと戦略
Bladeの既存インフラとUberの膨大なユーザーベースがシームレスに結びつくことで、eVTOL導入前段階でも都市空中交通システムの認知度と利便性を高め、「空のUber予約」は現実となります。
Joby CEOのJoeBen Bevirtは、「BladeをUberアプリへ統合することが、静かで排出ゼロの航空機を広める基盤になる」と述べており、Uber COOのAndrew Macdonaldも「都市で安全、静か、持続可能な移動を届ける」と語っています。
4. 意義と課題:未来への期待と現実的な見通し
4-1. 意義:都市交通の進化と統合
“空の配車”という新ジャンル:地上から空への移動をワンアプリで予約できるというのは、都市移動のインターフェースを大きく変えます。
環境面の可能性:eVTOLは排出ゼロ、かつ騒音も格段に少ないため、都市への導入に合理性があります。
インフラ/コストの効率化:Bladeの既存ターミナルやラウンジ、運用ノウハウを活用することで新たな施設建設や顧客獲得の力度を抑えつつ展開可能となります。
4-2. 課題:認証、規制、環境規制、コスト
FAA認証と規制対応:安全性の検証と規制クリアは必須であり、時間とコストがかかる段階です。
地元住民・政治との調整:都市部での低高度飛行には騒音や景観への懸念があり、ニューヨーク市ではすでにツーリスト用ヘリに対する規制強化の動きも出ています。
価格設定と利用可能層:Travel + Leisureによれば、Bladeのヘリは1名195ドルから開始、8名でチャーターすると約2,000ドルと高額です。eVTOLも初期は高価格帯となる可能性が高く、対象が限定される可能性があります。
結論
2025年9月の発表は、都市空間における交通の新時代への予兆ともいえます。Joby AviationのBlade旅客事業取得とUberアプリとの統合は、まずは現行のヘリコプターサービスによる“空のUber”を実現し、最終的には静かでクリーンなeVTOLへと移行していくという、段階的・戦略的なモーダルシフトの好例です。
都市部の混雑、環境負荷、利便性への要求が高まる現代において、この動きは非常に注目に値します。今後のFAA認証通過や利用価格の動向、各都市での普及状況に注目しつつ、「空の移動」がどれほど我々の日常に統合されていくかを見守りたいところです。
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