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Mira Murati率いるThinking Machines Lab、シードで120億ドル評価–AI人材争奪戦の最前線へ

AI界の最前線に新たな注目企業が現れた。OpenAIの元CTOであるMira Murati氏が設立した「Thinking Machines Lab」が、シードラウンドにして異例の20億ドル(約3,200億円)を調達し、企業評価額はなんと120億ドルに達した。これは、AIスタートアップ史に残る驚異的な資金調達であり、同時にMurati氏の存在感と市場の熱狂を証明する事例でもある。本記事では、この前代未聞の調達劇の全容と、同社が描く未来像をひも解く。


1. 史上最大級のシード資金調達


1-1. 20億ドル調達の背景と主要投資家

Thinking Machines Labは、2024年に創業されたばかりのAIスタートアップだが、2025年7月のシードラウンドで20億ドルを調達。主導したのはAndreessen Horowitz(a16z)であり、ほかにもNVIDIA、AMD、Jane Street、ServiceNow、CISCO、Accelなど、AI業界や金融の巨人たちがこぞって名を連ねた。

Murati氏の発信によれば、この資金は「フロンティアAI(Frontier AI)モデルの開発とオープンソース製品の提供」に使われる予定だという。

「近いうちに、我々の最先端科学を共有し、研究コミュニティがフロンティアAIをより深く理解できるよう貢献します」(Mira Murati氏)

1-2. 急上昇した企業評価額

当初、業界では同社の評価額を100億ドルと予測していたが、最終的には120億ドルまで跳ね上がった。これは、製品未発表段階のAI企業としては異例の評価であり、「OpenAIの再来」あるいは「Anthropicに続く第三の旗手」としての期待が織り込まれている。

2. 未公開のプロダクトとMurati氏のビジョン


2-1. 正体不明のプロダクト、しかし期待値は絶大

現時点で、Thinking Machines Labはまだ具体的な製品を公開していない。だが、Murati氏は、X(旧Twitter)上で「数ヶ月以内に初期プロダクトを発表する」と予告し、その中には、研究者とスタートアップ向けのカスタムAI構築ツールや、「重要なオープンソースの提供物」が含まれるという。

「カスタムAIモデルを構築するスタートアップにとって役立つプロダクトになる」(Murati氏)

この発言は、OpenAIやAnthropicが商用製品に閉じた戦略を取っている中で、オープン性を武器に市場を切り開く意図を感じさせる。

3. OpenAI人材の再集結とMetaによる買収検討


3-1. 元OpenAIの精鋭が集結

Murati氏のもとには、OpenAI時代の共同研究者であるJohn Schulman氏(ChatGPT開発の中心人物)やBarret Zoph氏、Luke Metz氏らが既に参加。これは、「第2のOpenAI」とも言える体制構築を意味し、投資家たちの期待を高めている。

3-2. Metaによる買収交渉の噂

2025年前半にはMeta(旧Facebook)が同社の買収を検討していたと報じられている。最終的にオファーには至らなかったものの、「超知能(superintelligence)」を目指すMetaの戦略の一環として注目された。

4. フロンティアAI市場における競争と展望


4-1. 対峙する巨大プレイヤーたち

Thinking Machines Labは、OpenAI、Anthropic、Google DeepMind、Metaといった既存の“巨人”たちがひしめくフロンティアAI領域に挑むことになる。これらの企業はいずれも数千億円規模の研究開発費を背景に、大規模モデルの開発にしのぎを削っている。

4-2. 差別化のカギは「研究開放」と「構築の自由度」

Murati氏は、研究成果のオープン化やカスタムAIの構築自由度を重視するスタンスを強調しており、閉鎖的な商用AIプラットフォームとの差別化を図っている。すでにGoogle Cloudと提携し、AIトレーニング環境の構築も進行中だ。

Thinking Machines Labの登場は、AIスタートアップ市場に新たな緊張感をもたらした。Mira Muratiというカリスマリーダーの存在、OpenAIのDNAを受け継ぐ開発陣、そして異例の巨額資金という三拍子が揃った今、同社が次なるAI覇権を握る可能性は十分にある。

もちろん、技術面・競争面でのハードルは高い。だが、Murati氏の言葉を借りれば、「最先端のAI研究は、社会全体に恩恵をもたらす共有資産であるべきだ」。

この思想が世界にどう受け入れられるか——その答えは、数ヶ月後に発表される初プロダクトが握っている。

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