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2025.07.21 注目の海外スタートアップの資金調達2選

近年、バイオテックとFinTechの両分野で大規模な資金調達が相次いで発表され、技術革新と市場拡大に向けた動きが加速しています。本記事では、SAB Biotherapeutics(以下、SAB BIO)が1億7,500万ドルのプライベートプレースメントを実施した事例と、Eton Solutionsが5,800万ドルのシリーズC調達を完了した事例を取り上げ、出資背景や資金使途、両社が見据える今後の展望を解説します。


1. SAB BIOの資金調達概要


1-1. 取引の背景と目的

SAB BIOは、自己製造したヒトIgG(ヒト型免疫グロブリン)を用いた免疫療法プラットフォームを有する臨床ステージのバイオ製薬企業です。主力候補薬「SAB‑142」は、診断直後の1型糖尿病(T1D)患者において自己免疫の進行を遅延させることを目指しており、その有効性を評価する第2b相SAFETYGUARD試験(Stage 3)を進めています。

1-2. 出資者構成と条項詳細

2025年7月21日に発表されたプライベートプレースメントでは、サノフィをはじめ、RAキャピタル・マネジメント、コモドア・キャピタル、ヴィヴォ・キャピタル、ブラックストーン・マルチアセット・インベスティング、スプルース・ストリート・キャピタル、フォージ・ライフサイエンス・パートナーズ、ウッドライン・パートナーズなど大手戦略的投資家が参加しました。また、既存投資家としてセッサ・キャピタル、T1Dファンド、ATWパートナーズも継続出資を行っています。本案件では、優先株式Series B(非議決権)最大100万株を発行し、普通株換算で最大1億株(転換価格1.75ドル)に相当します。さらに、追加で最大150万株相当の優先株引受権(ワラント)を発行し、全行使時には最大2億8,400万ドルの追加調達が可能です。

1-3. 資金使途と今後の見通し

得られた純資金は、SAB‑142の第2b相SAFETYGUARD試験(Stage 3)の完遂と、一般的な運転資金および企業活動全般に充当されます。同社はこれにより、現有資金と併せて2028年中頃までのキャッシュランウェイを確保すると見込んでいます。リーディング・プレースメントエージェントにはLeerink Partnersが、ジョイント・エージェントとしてUBS、Chardan、Oppenheimer & Co.が起用されており、取引のクロージングは2025年7月22日頃を予定しています。

2. Eton Solutionsの資金調達概要


2-1. 業界背景と市場機会

Eton Solutionsは、単一家族・複数家族オフィス向けにAI駆動型の資産管理プラットフォーム「AtlasFive®」を提供するWealthTech企業です。現在、世界中800以上の超富裕家族オフィスで1兆ドル超の資産管理に利用されており、近年の超富裕層拡大に伴い、同社の市場機会は急速に拡大しています。Deloitteの報告によれば、全世界の単一家族オフィス数は2024年に9,030社で、2030年には10,720社へ増加すると予測されています。

2-2. ラウンドのリードインベスターと参加者

2025年7月18日に完了したシリーズCラウンドでは、Navis Capital Partnersがリードインベスターとして5,800万ドルをリードし、同社は過去にも出資実績のあるリピート投資家です。ラウンドは2つのトランシェ(分割)で実施され、Navisのほか、既存投資家も継続して参加したとされています。これにより、Eton Solutionsは直近3年間で収益を4倍超へ拡大し、顧客基盤を340%成長させた実績を背景に、さらなるイノベーションとグローバル展開を狙います。

2-3. 資金使途:AI開発とグローバル拡大

調達資金は、AtlasFive®プラットフォームのAI開発強化および機能拡充に充当されます。同社はこれまでにコア・プロダクト開発へ5,000万ドル超を投資しており、現在はPEやファンド業界向けの新製品ラインも構築中です。また、北米、本社を置くシンガポールを軸に、欧州や中東、アジア太平洋地域での顧客基盤拡大を加速させる方針です。

SAB BIOとEton Solutionsの大規模資金調達は、それぞれバイオ医薬とWealthTech領域の最前線で技術革新と市場拡大を狙う動きを象徴しています。免疫療法・AI駆動型資産管理いずれの分野も成長余地は大きく、投資テーマとして今後も注目に値するでしょう。

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