【2025】製薬M&A“再点火”——特許の崖とAI創薬が作る「次の覇権」
2025年度は、製薬業界のM&A(合併・買収)において歴史的な転換点となる一年であった。過去に見られた無差別なメガ合併とは異なり、本年は極めて計算された「ストリング・オブ・パール(真珠の首飾り)」戦略と、要所を抑える「戦略的アンカー」としての大型買収が組み合わされた年として記憶されるだろう。このディール活動の再活性化を牽引した最大の要因は、「2030年パテントクリフ(特許の崖)」という避けられない現実である。2025年から2030年にかけて、キイトルーダ、ステラーラ、エリキュースといった超大型ブロックバスター薬の独占販売期間が終了し、業界全体で年間2,000億ドル規模の売上が消失のリスクに晒されている。
これまでの「コストシナジー(経費削減)」を目的としたM&Aサイクルとは異なり、2025年の波は、「収益の代替(Revenue Replacement)」と「パイプラインの加速(Pipeline Acceleration)」という二つの切迫したニーズによって定義された。メガファーマ(巨大製薬企業)は、収益の空白を埋めるために、リスクが低減された(De-risked)商用化ステージまたは臨床後期(Phase 3)の資産を貪欲に獲得する一方で、次世代の覇権を握るためにRNA、遺伝子編集、そして、AI創薬インフラへの投資を惜しまなかった。
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