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イーサリアムL2台頭とソラナ再浮上:2025年半期ブロックチェーン概観

2025年も半ばを迎え、ARK Investのデジタル資産チームは、「Scaling Blockchains Research | 2025 Mid‑Year Review」と題した報告を発表しました。本稿では、同レポートの要点を整理し、イーサリアムをはじめとする主要ブロックチェーンのスケーリング進捗やレイヤー2(L2)ネットワークの競争環境、分散型アプリケーション(DApp)市場の拡大、そしてソラナ(Solana)の再浮上を中心に解説します。専門的な内容を噛み砕きつつ、具体的なデータや事例を交えながら、2025年前半におけるブロックチェーン業界のダイナミズムを俯瞰します。


1. イーサリアムのスケーリング進展とレイヤー2の台頭


1-1. トランザクションコストの大幅削減

2024年に実施されたイーサリアムの大型アップグレードにより、L2上の取引コストは、従来比で10~20倍の低減を実現しました。これにより、ガス代(手数料)の高騰がしばしば問題視されてきたイーサリアム上で、ユーザーはより安価かつ迅速にトランザクションを処理できる環境が整いました。

1-2. ユーザー移行と取引量の急増

コスト削減の直接的な効果として、イーサリアム上の取引の85%超がL2へ移行しました。データによると、イーサリアムベースのL2ネットワーク全体のトランザクション数は、過去1年で飛躍的に増加。ユーザーは、「安い」「速い」を実感し、DeFiやNFT、ゲームなど多様なDAppへのアクセスを拡大しています。

1-3. イーサリアム財団の今後のアップグレード計画

イーサリアム財団は、L2だけでなく、レイヤー1(L1)の性能向上にも注力しています。2025年後半には、ベースレイヤーのガスリミット拡大や新たな実行クライアント導入などが予定されており、ユーザーがL1を直接選択できる選択肢を拡充する見込みです。

2. レイヤー2ネットワークの競争環境


2-1. Coinbase発「Base」の支配力

2025年の最大の話題は、Coinbaseが設計・育成するL2「Base」です。アクティブユーザー数、トランザクション数、手数料収入のいずれもL2市場の過半数を占め、事実上“L2王者”の地位を確立しました。

2-2. 新規参入勢力の動向

しかし、Base一強体制に挑む動きも活発化しています。

  • Kraken(欧州大手取引所):独自L2「INC」を発表。

  • Robinhood:アービトラム技術を活用した「Robinhood Chain」を立ち上げ予定。

  • Athena(セキュリティトークン発行社):「Converge」を構築中。

  • Worldcoin:Optimismスタック上でL2を展開。

これらの競合参入により、L2領域はより多彩なサービスとユースケースが錯綜する“健全な混戦状態”に突入しています。

2-3. 健全な競争がもたらす恩恵

多様なL2の並立は、ユーザーや開発者にとって選択肢を増やすだけでなく、コスト競争やUX向上、セキュリティ強化といったイノベーションを誘発します。L2同士が切磋琢磨することで、エコシステム全体のレジリエンスと魅力が高まる好循環が生まれつつあります。

3. 分散型アプリケーションと取引インフラの効率化


3-1. DApp市場シェアの拡大

2025年1月時点で、パブリックブロックチェーン上のDAppスポット取引量とデリバティブ取引量は、中央集権型取引所(CEX)市場のシェアを前年比で倍増させ、全体の約20%に達しました。オンチェーンでの資本形成が急速に進む中、DAppsは従来の金融インフラに挑戦する存在として確固たる地位を築いています。

3-2. 分散型取引所 vs 中央集権取引所の効率比較

ARKの調査によれば、Raydium、Uniswap、Orca、Aerodromeといった主要DEXは、従業員数100名未満にもかかわらず、取引量では、数千~数万名を抱えるCEXと同等以上のパフォーマンスを発揮。単位従業員当たりの取引効率は5~10倍に及び、スマートコントラクト基盤の優位性が顕在化しています。

3-3. ハイブリッドモデルの台頭

さらに注目すべきは、中央集権取引所が自社L2をローンチしつつ、DEXエコシステムを育成する“ハイブリッド運営”の増加です。Coinbaseは、Base上でDEXを支援し、RobinhoodやKrakenも同様の戦略を採用予定。これにより、従来のCEXユーザーがシームレスに分散型プロトコルへアクセスできる道筋が整いつつあります。

4. ソラナの再浮上と将来展望


4-1. ベースレイヤー重視の設計思想

2024年のベアマーケットで一時8ドル台まで下落したソラナは、ベースレイヤーの性能を極限まで追求する設計により、“復活の秘訣”を示しました。スケートトレードオフを厭わず、ベースレイヤーで高いTPS(≈800)を実現したことで、イーサリアム系L2と比較しても群を抜く性能を発揮しています。

4-2. トランザクションスループットと開発者動向

現在、ソラナはイーサリアムと比較して4~5倍のスループットを誇り、アクティブユーザー数や手数料収入でもトップクラスに浮上。さらに、2024年~2025年初頭にかけては“ネット新規クリプト開発者数”でソラナが首位を獲得。Baseも開発者獲得数で上位5位に入り、2025年に向けたエコシステム拡大の勢いが加速しています。

4-3. 今後のアップグレード計画

ソラナは今後、実行クライアント「Fire Dancer」やコンセンサスクライアント「Alpenlow」を順次ローンチ予定。これにより、安定性・セキュリティ・パフォーマンスのさらなる向上が見込まれ、引き続きトップクラスのブロックチェーンとして競争力を維持すると期待されます。

2025年前半のブロックチェーン業界は、イーサリアムのL2普及によるスケーラビリティ改善、Coinbase Baseを筆頭としたL2同士の熾烈な競争、そしてDEXの効率性向上とハイブリッドモデルの浸透が特徴的でした。その中で、ソラナは独自の高スループット設計で再浮上を遂げ、開発者とユーザーの支持を集めています。後半に予定されるイーサリアムL1のアップグレードや各チェーンの新機能リリースが、次なるフェーズをどのように形作るのか──引き続き注目が必要です。

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