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OpenAIの内部メモリーク・Mamdani富裕税・Swalwell転落——All-In Podcast最新回が語る「AIと政治の乱流」

All-In Podcastの最新エピソード(2026年4月17日公開)は、ゲストにTravis Kalanickを迎え、AIの覇権争い・ニューヨークの政治実験・民主党のスキャンダルという三つの全く異なる話題が交錯した。OpenAIが、「Anthropicの収益は水増し」と非公式に主張する内部メモをリークさせた件、NYCのZohran Mamdani市長による超富裕層向け課税の初弾、そして、カリフォルニア知事選の首位走者が100時間以内に議会を去った件——いずれもIPOを前にした市場と政治の「正直な姿」を映し出している。


1. OpenAIのアイデンティティ危機——リークされた内部メモが示す戦略の迷走


1-1. 「Microsoftではなく、Amazonが新パートナー」という歴史的転換

OpenAIの新任CRO(最高収益責任者)Denise Dresserが、4月13日(日)に全社員あてに送った内部メモがリークされた。そのメモでDresserは、「Microsoftとのパートナーシップは成功の基盤だったが、多くの企業が使うBedrock(Amazon)でエンタープライズ顧客に会えないなど、私たちのリーチを制限してきた」と明記した。

この移行は、AmazonがOpenAIに最大500億ドルの投資を発表し、OpenAIのエージェント管理プラットフォーム「OpenAI Frontier」の独占的な第三者クラウド配信プロバイダーになる合意が背景にある。

Microsoftは、OpenAIに2019年以来130億ドル超を投資してきたが、2024年の年次報告書からOpenAIを「競合他社」として記載している。Dresserのメモは、長年の最重要パートナーとの関係が実は「エンタープライズ拡大の制約」になっていたという事実を、公式に——そして社内向けながら漏洩前提で——認めた点で歴史的な意味を持つ。

1-2. 「Anthropicの30億ドルARRは会計操作で実態は22億ドル」という主張

Anthropicは、2025年末に約90億ドルだった年間換算収益(ARR)が、2026年3月末までに300億ドルに急増したと発表している。OpenAIは、同年2月時点で250億ドルのARRを達成しているとしており、Anthropicが追い越したという見方が広がっていた。

Dresserのメモはこれに反論した。「Anthropicは、グロス(総額)での売上計上を行っており、AmazonとGoogleとの収益配分をグロスアップしているが、私たちは、Microsoftの収益配分をネット(実受取額)で計上している。この差によって、AnthropicのARRは、約80億ドル過大表示されている」と主張。8億ドル差し引くとAnthropicのARRは約220億ドルとなり、OpenAIの250億ドルに逆転されるという計算だ。

Anthropicは、これに対してFTを通じて反論した。Anthropicはパートナー経由の売上において取引の主体(プリンシパル)であり、クラウドパートナーは、流通チャネルに過ぎないため、グロス計上は会計基準上正当だという立場だ。

重要なのは、双方ともIPOに向けて「どちらの収益が大きいか」を公開市場の投資家に示す必要がある点だ。OpenAIは、評価額8,520億ドル、Anthropicは、3,800億ドル(2026年2月時点)で、両社が2026年中にIPOを目指しており、この収益論争は、どちらが「AIのリーダー」として公開市場に出るかという問いに直結している。

1-3. 「単一製品会社はプラットフォーム戦争では勝てない」という攻撃的フレーミング

Dresserは、メモでAnthropicの戦略を「恐怖・制限・少数エリートがAIを管理すべきという考えに基づいて構築されている」と表現し、「OpenAIのポジティブなメッセージ——強力なシステムを構築し、適切な安全装置を組み込み、アクセスを拡大し、人々がより多くを達成できるよう支援する——が長期的に勝つ」と述べた。

コーディングへの集中について「エンタープライズに対する初期のウェッジ(くさび)を与えたが、プラットフォーム戦争において単一製品企業になることは避けるべき」とも述べた。これは、AnthropicのコーディングAI特化(OpenClawが牽引)という強みを、逆に「脆弱性」として再定義しようとする巧妙なナラティブだ。

All-Inホストたちは、このメモを「OpenAIがパニックを起こしている証拠」と読んだ。先週のエピソードで取り上げられた「Anthropicが30億ドルARRで、コーディングAIで市場を席巻している」という状況への焦りが、異例のメモ公開(事実上のリーク)につながったという解釈だ。

2. データセンター戦争——ビッグテックの計算資源独占とフロンティアラボの行方


2-1. コンピュートの覇権がAIの未来を決める

エピソードは、ビッグテックの計算資源支配がフロンティアラボに与える影響について深く議論した。MicrosoftやGoogle・Amazonといったハイパースケーラーが自社でAIモデルを開発しながら、同時に、OpenAIやAnthropicのようなラボに計算資源を提供するという「競合かつ協調」という複雑な関係が浮かび上がっている。

Dresserのメモは、Anthropicについて「コンピュートを十分に確保しなかった戦略的ミスがプロダクトに現れている」と指摘した。Anthropicは、直近でGoogleとBroadcomと「複数ギガワット」規模のコンピュート契約を発表しており、この制約への対処を急いでいる。All-In的な読み方では「次の10年のAI競争はモデルの賢さだけでなく、誰がどれだけのコンピュートを持つかで決まる」という視点が強調された。

2-2. Allbirds株400%超・データセンター災害という対照的な事例

同エピソードでは、Allbirdsの株価が400%超上昇したAIピボットも取り上げられた。データセンター関連企業の苦境(「datacenter disaster」)との対比として、ソフトウェアとインフラの評価が逆転しつつある現象が議論された。

3. Mamdaniの初弾——ニューヨーク「ピエ・ア・テール税」が示す政治的実験


3-1. ニューヨーク州史上初の超富裕層向け別荘税

ニューヨーク市長Zohran Mamdaniとニューヨーク州知事Kathy Hochulは、4月15日(タックスデー)、州史上初の「ピエ・ア・テール税」の導入を発表した。ニューヨーク市内の500万ドル超の不動産のうち、オーナーの主居住地が市外にある物件に年間課税を課すもので、年間5億ドルの税収を見込む。

Mamdaniは、シタデルのケン・グリフィンが2019年に2億3,800万ドルで購入したマンハッタンの高層ペントハウス前でビデオを撮影しながら発表した。「私が市長選に出た時、富裕層に課税すると言った。本日、私たちは、富裕層に課税する」という言葉は、SNSで約47万回の視聴・4万8,000件のいいねを集めた。

税収は、保育の無償化・路上清掃・近隣安全対策に充てる予定で、市の54億ドルの予算赤字の9%弱をカバーする。州議会の承認が必要で、支持率は93%という調査結果も示された。

3-2. Trumpの猛反発とビジネス界の懸念

Trumpは、これを「コミュニスト・キャンディデート」と批判し、「マムダニはニューヨークを破壊している」とTruth Socialに投稿、連邦資金を差し止めると脅した。

不動産開発業者の一部からは、「5百万ドル超の別荘オーナーが売却に動けば市場に悪影響が出る」という懸念も出ている。All-Inの議論では、民主社会主義者Mamdaniが、就任初期に具体的な政策を実行したことの政治的意味——「ポピュリスト政治が実際に動いた場合、富裕層や投資家はどう行動するか」——が焦点となった。

4. Swalwell転落——100時間でカリフォルニア知事レース首位から議員辞職へ


4-1. 首位から辞職まで100時間の衝撃

カリフォルニア州知事選の民主党首位争いにいた下院議員Eric Swalwellが、性的不正行為の告発を受けて日曜日に知事選を離脱し、月曜日に議会を辞職した。Swalwellは一部の告発について「深刻な虚偽の告発と戦う」と述べながらも、「自分が犯したミスへの責任を取る」と辞職の理由を説明した。

CNNの報道によれば、Swalwellの転落は、「異例に素早い100時間の圧力キャンペーンの結果」で、元スピーカーのNancy PelosiやHakeem Jeffriesら党指導部が彼を見捨てることが明らかになると、一般議員も次々と離反した。マンハッタン地方検事局も刑事捜査を開始したと確認している。

4-2. カリフォルニア民主党とDemocratic Machine

Swalwellの離脱により、知事選は混乱状態に陥っている。それまで三つ巴の首位争いを演じていたKatie Porter(元下院議員)とTom Steyerが最も利益を得る可能性が高いとされている。Swalwellの議席については、カリフォルニア州選挙法の規定により早くとも8月中旬が補欠選挙の最短日程となっている。

All-Inの議論では「民主党のマシン(組織政治)が不正をどの程度把握していたか」「メディア対インフルエンサーというガーディアン機能の変化」という政治メカニズムの問いが立てられた。

5. 市場の状況——イラン和平の織り込み・AI混合シグナル・膨張した評価額


5-1. イラン停戦報道が市場を押し上げ

エピソードの終盤では市場分析も行われた。「イラン和平の織り込み・AIの混合シグナル・膨張した評価額」という三つが市場の「混乱した指標」を生んでいるという見方が示された。

ホルムズ海峡の再開(4月17日)と原油▲10%超という動きは、エネルギーコスト懸念の緩和としてテック株にポジティブに働いた。Nasdaq100は、13日連続上昇という2013年以来最長の記録を更新。これは先週のBloomberg Tech放送でも確認されたとおりだ。

5-2. 「バフェット的指標」とAIの評価乖離

エピソードでは、Warren Buffettの考え方を参照しつつ、AI企業の評価額が「実際の収益効率」とどれほど乖離しているかという問いも議論された。VC資金の73%がAI5社に集中するという先週Bloombergが報じたデータを踏まえると、「資本の一極集中」と「残りの市場の凍結」という二極化が続いていることが確認できる。

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