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【2/28 - 3/6】注目の海外スタートアップの大型資金調達

2025年3月第1週(2月28日〜3月6日)の米国スタートアップ市場では、5億ドル以上の大型ラウンドが3件成立し、比較的活況な週となった。今週のトップ10を見ると、宇宙テクノロジーとAIインフラが調達額の上位を占め、ヘルスケア・神経科学・エンタープライズソフトウェアがそれに続いた。

以下では各案件を概説しながら、業界トレンドと投資家への示唆を整理する。


1. 宇宙テック——2件で合計10.5億ドル、評価額は合計1.175兆円超


1-1. Sierra Space:評価額約8,000億円超で5.5億ドル調達

今週最大の案件は、コロラド州ルイスビルを拠点とするSierra Spaceだ。衛星・宇宙船・宇宙サブシステムの設計・製造を手がける同社は、LuminArx Capital Managementが主導するエクイティラウンドで5億5,000万ドルを調達。評価額は80億ドル(約1.2兆円)に達した。創業から5年でこの水準に到達した点は注目に値する。

1-2. Vast:次世代宇宙ステーション開発で5億ドル

カリフォルニア州ロングビーチのVastは、次世代商業宇宙ステーションの開発を進めるスタートアップだ。今回の調達はシリーズAエクイティ3億ドルと負債2億ドルの合計5億ドルで、Balerion Space Venturesが主導した。宇宙ステーションという長期・高資本集約型の事業に対して、エクイティと負債を組み合わせた調達構造を採用している点が特徴的だ。

宇宙ビジネスは従来、政府機関や防衛企業が主役だったが、民間資本の流入が加速しており、今週のトップ10だけで宇宙関連2社が合計10.5億ドルを集めた。

2. AIインフラ——光通信チップで5億ドルのシリーズE


カリフォルニア州サンノゼのAyar Labsは、AIインフラ向けコパッケージド光学(CPO)の開発企業だ。Neuberger Bermanが主導するシリーズEで5億ドルを調達し、評価額は37.5億ドルとなった。

CPOとは、チップと光通信モジュールを一体化することでデータ転送速度を高め、電力消費を抑える技術だ。大規模AIモデルの学習・推論に必要な高速データ通信の需要が急拡大する中、このような半導体インフラ領域への資本流入は今後も続くとみられる。創業から11年を経てのシリーズEという点からも、長期開発型のディープテック企業が大型資金を引き付けるフェーズに入ったことが伺える。

3. ヘルスケア・神経科学——多様な領域で大型調達が相次ぐ


3-1. Findhelp:社会的ケアのコーディネーション基盤で2.5億ドル

テキサス州オースティンのFindhelpは、医療機関・政府・福祉機関をつなぐケアコーディネーションプラットフォームだ。TPGのThe Rise Fundから2億5,000万ドルの投資を受けた。2010年創業の同社は、医療の周辺領域(社会的決定要因)への対応需要を背景に成長している。

3-2. Science Corp.:脳コンピューターインターフェースで2.3億ドル

カリフォルニア州アラメダのScience Corp.は、BCI(ブレイン・コンピューター・インターフェース)技術を手がけるバイオテックだ。Lightspeed Venture Partners、Khosla Ventures、Y Combinatorなどが参加したシリーズCで2億3,000万ドルを調達した。Neuralink以外のBCIプレイヤーへの大型資金流入は、この分野が注目されていることを示す。

3-3. Grow Therapy:メンタルヘルスケアで1.5億ドルのシリーズD

ニューヨークのGrow Therapyは、メンタルヘルスケア提供のプラットフォームだ。TCV とGoldman Sachs Growth Equityが主導するシリーズDで1億5,000万ドルを調達した。

3-4. Cognito Therapeutics・Sage:神経変性疾患と高齢者ケアで合計1.7億ドル

Cognito Therapeutics(神経変性疾患療法、シリーズC・1億500万ドル)とSage(高齢者施設向けソフトウェア、シリーズC・6,500万ドル)が、ヘルスケアの異なる側面でそれぞれ資金を調達した。Goldman Sachs AlternativesがSageのラウンドを主導した点も注目される。

4. その他——Eコマース・エンジニアリングソフトウェア


Cart.com(ヒューストン)は、Eコマースプラットフォームとロジスティクスサービスの提供企業で、Springcoast Partners主導のグロースエクイティ1億8,000万ドルを調達した。

Nominal(オースティン)は、エンジニア向けテスト・運用ツールの提供企業で、Founders Fund主導の8,000万ドル調達により評価額が10億ドル(ユニコーン)に到達した。宇宙・防衛・エネルギー領域のミッションクリティカルな設備のテストを支援するという事業内容が、Founders Fundの投資哲学と合致する。

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