巡礼の道 ~ そのましろき声に ~

仮衣(かりぎぬ)の
身とてこの世にありてこそ
時の重ねに匂う日を
影にひなたに往く旅の
きょうのこの身を歩にあずけ
想いのはてに仰ぎみる
声なきこえのいざないも
ましろき道の砂礫とともに
紅き身にそむ風のみち
重ねた日々を砕きつつ
風に晒してみちの辺の
襲の色目(かさねのいろめ)の時の波
遠きみ空の日に落つる
想いの丈はひと知れず
ひと夜の眠り咲けとばかりに
ひと世の仮寝かりの間の
闇夜に掛かる白き道
夢と匂わすまくら辺の
過ぐる月日の影に舞う
こころ綾なす絃の音も
時に晒して我を解く
ましろき声のさやぎのなかに
かえらぬ想いのたましずめ
きのうを今日とたずねつつ
あしたを歩く白き道
胸の熾火(おきび)は時を抱き
紅きほむらの影に哭(な)く
迷いの空にひとすじの
奇(くす)しき声のひらく刹那に
時のあゆみはしずやかに
胸の鼓動のこえを訊(き)く
紅き血潮のしおさいも
ましろき声のうたに寄す
きょうと聴こゆる時の音に
こころ映して風の香の
かがよう空に同行二人
