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名作でも刺さらないことがある。ミステリーADV相性表を作ってみた

前回、推理ADVが好きな理由について書いた。

https://note.com/stellanumber/n/ne833fa3d0a30/

今回はその続きとして、これまで遊んできたミステリーADVを「自分との相性」で振り返ってみたい。

あくまで作品の優劣ではなく、相性の話です。

名作なのは分かる。
評価が高いのも分かる。
でも、自分に刺さるかどうかはまた別問題。

たぶんゲームにも、人間関係みたいなところがある。

いい人なんだけど、結婚はちょっと違う。
そんな感じです。

……ゲームに対して何を言ってるんだ、自分は。


作品の評価ではなく、自分との相性

まず最初に書いておきたいのは、これは「作品の点数」ではないということ。

世の中的に名作と言われている作品でも、自分には合わなかったものがある。逆に、世間の評価以上に、自分の中では妙に刺さっている作品もある。

だから今回は、作品としての完成度ではなく、

自分の好きなミステリーADV感にどれくらい近かったか

という基準で振り返る。

星の意味はこんな感じ。

★★★★★
自分の好みにかなり刺さった。基準になる作品。

★★★★☆
かなり好き。人にもすすめたい作品。

★★★☆☆
面白いけど、自分の好みとは少しズレる作品。

★★☆☆☆
評価は分かるけど、自分にはあまり合わなかった作品。

★☆☆☆☆
すまん。自分にはかなり合わなかった作品。

こうやって書くと急に偉そうになるけど、ただの一個人の相性表です。

※プラットフォーム表記は、自分が遊んだ機種や、プレイできると思われる主な機種を中心に書いています。移植・配信状況は変わることがあるので、正確な対応機種は各ストア等で確認してください。

★★★★★ 自分の好みにかなり刺さった作品

かまいたちの夜(SFC、PSなど)
閉鎖感、怖さ、推理、分岐。自分の中の原体験のひとつ。

さんまの名探偵(FC)
有名人キャラゲーっぽさもありつつ、ちゃんと推理ADVとして楽しかった。

ファミコン探偵倶楽部 後ろに立つ少女(FC、SFC)
少し怖くて、最後にちゃんと回収される感じがかなり好き。

クロス探偵物語(PS)
キャラ、事件、テンポのバランスがかなり好み。

神宮寺三郎シリーズ(FC、PSなど)
地道に調べて事件に近づいていく感じが好き。雰囲気も良い。

金田一少年の事件簿シリーズ(PS、SS)
事件、閉鎖感、聞き込み、推理。原作ものとしての強さもありつつ、自分の好きなミステリーADV感にかなり近い。犯人目線で進める作品も強烈に印象に残っている。

DS西村京太郎サスペンス 新探偵シリーズ(DS)
旅情、事件、聞き込み、サスペンス。まさに自分が好きな「場所と事件を追う」タイプのADV。

DS山村美紗サスペンス(DS)
京都サスペンス的な空気感と、人間関係を追っていく感じがかなり好み。2時間サスペンス感も含めて好きだった。

EVE burst error(SSなど)
ザッピングと事件の絡み方が今でも印象に残っている。

街 〜運命の交差点〜(PS)
複数主人公のザッピング、日常と事件が絡み合っていく感じがかなり好き。群像劇ADVとして外せない作品。

428 〜封鎖された渋谷で〜(PS)
ザッピング、テンポ、キャラ、事件の広がり、最後に収束していく気持ちよさが強い。かなり刺さった作品。

逆転裁判(GBA、3DS、PS、iOSなど)
キャラの濃さ、推理、逆転の気持ちよさが完璧。

大逆転裁判(3DS、iOSなど)
物語全体の回収感が素晴らしい。最後まで行ってこそ刺さる作品。

パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語(iOS)
伊勢、人魚伝承、土地の空気感。自分にはかなり刺さった。

このあたりは、自分の中でかなり強い。

共通しているのは、
事件があり、調べる過程があり、キャラが立っていて、最後にちゃんと答えへ向かっていくこと。

やっぱり自分は、物語が終わる時に、
「なるほど、そういうことだったのか」
と腹落ちしたいタイプなんだと思う。

謎が謎のまま残るのも、もちろん作品としてはアリだと思う。
でも、自分はたぶん眠れなくなる。

いや、本当に眠れないかは分からないけど、気持ち的にはかなりモヤモヤする。

金田一・西村京太郎・山村美紗は外せない

ここで絶対に入れておきたいのが、金田一少年の事件簿シリーズ。

自分の中では、これはかなり★5寄り。
というか★5です。

原作ものだからキャラの土台があるのはもちろん、事件の雰囲気、聞き込み、閉鎖感、推理して真相に近づいていく感じが、自分の好きなミステリーADVにかなり近かった。

特に印象に残っているのが、犯人目線で進める作品。

普通は金田一側に立って事件を解くのに、犯人側になって金田一にバレないように動く。

これ、今考えてもかなり攻めている。

じっちゃんの名にかけて暴かれる側になるゲーム。
なかなかの緊張感です。

それから、DSの西村京太郎サスペンス、山村美紗サスペンスもかなり好きだった。

旅情。
事件。
聞き込み。
人間関係。
少しずつ真相に近づいていく感じ。

派手な演出があるわけではないけど、自分が求めているミステリーADV感はかなり詰まっていた。

こういう作品を思い出すと、自分はやっぱり「場所」と「事件」がセットになっているADVが好きなんだと思う。

列車、温泉地、京都、島、古い屋敷。
そういう舞台があるだけで、もう少しワクワクしてしまう。

単純ですね。

でも、好きなものは仕方ない。

ザッピングと群像劇もかなり好き

『EVE burst error』、『街』、『428』あたりを並べると、自分はザッピングや群像劇もかなり好きなんだと思う。

複数の視点で物語が進んでいく。
最初は別々に見えていた出来事が、少しずつつながっていく。
ある人物の行動が、別の人物の運命を変える。

この「バラバラだったものが一本の線になる感じ」がかなり好き。

特に『428』は、テンポもよくて、キャラも濃くて、事件の広がりもあって、最後に物語が収束していく気持ちよさがあった。

こういう作品は、自分の好きな「最後にちゃんと回収される物語」とかなり相性がいい。

散らばったピースが、最後にパチッとはまる感じ。

あれがたまらない。

パズルが完成する気持ちよさに近いのかもしれない。

★★★★☆ かなり好き・印象に残っている作品

ダンガンロンパシリーズ(PSP、PSなど)
キャラの濃さ、事件のインパクト、裁判パートの勢いが強い。かなり好きだけど、作品によって後味の差はある。

春ゆきてレトロチカ(PS)
実写ADVとしてかなり楽しめた。事件を追う感覚と、物語の雰囲気が自分に合っていた。

シュタインズ・ゲート(PS、iOSなど)
SF寄りだけど、伏線回収と物語の熱量が強かった。

ひぐらしのなく頃に(PC、DS、PSなど)
怖さと疑心暗鬼の作り方が印象的。途中の引き込み方が強い。

レイジングループ(iOSなど)
閉鎖感と人狼的な疑心暗鬼がかなり好み。

ポートピア連続殺人事件(FC)
古典だけど、調べて進めるADVの原点感がある。

オホーツクに消ゆ(FC)
旅情と事件を追う感じが良い。昔ながらのADV感が強い。

ミステリー案内シリーズ(PS)
地名、聞き込み、旅情、事件。かなり自分の好みに近い。
作品によっては★★★★★に近い。

都市伝説解体センター(PS)
都市伝説を追う空気感が好き。題材としてかなり惹かれる。

逆転検事(DS、iOS)
逆転裁判とは少し違うけど、推理とキャラの魅力はしっかりある。

パラノマサイト FILE23 本所七不思議(iOS)
ホラー、呪い、群像劇としての完成度が高い。かなり面白かった。

このあたりもかなり好き。

『ダンガンロンパ』シリーズは、かなり外せない。
キャラの濃さ、事件のインパクト、裁判パートの勢い。
かなり尖った作品だけど、

「キャラが立っていて、事件があって、最後に真相へ向かっていく」

という意味では、自分の好きな要素がかなり詰まっていた。

『春ゆきてレトロチカ』も印象に残っている。
実写ADVという少し珍しい形だけど、事件を追う感覚がちゃんとあって、物語の雰囲気も良かった。

やっぱり自分は、ただ事件が起きるだけではなく、その場所に何かがある感じに弱いのかもしれない。

町を歩いて、人に話を聞いて、少しずつ事件の輪郭が見えてくる。
この感覚がたぶん好きなんだと思う。

昔のコマンド選択式ADVの、
「あっち行って、こっち行って、聞き込みして、詰まって、また戻って」
みたいな流れ。

当時は不便だったはずなのに、今思うとあれが結構楽しかった。

現代の便利なゲームに慣れているのに、なぜわざわざ詰まりたいのか。

自分でもよく分からない。

でも、詰まって、うろうろして、やっとフラグが立って話が進んだ時の快感。
あれはやっぱり特別だと思う。

パラノマサイトは、FILE38の方がより刺さった

最近の作品で印象に残っているのは、やっぱり『パラノマサイト』シリーズ。

『FILE23 本所七不思議』もかなり面白かった。
怖さもあるし、キャラも立っているし、群像劇としての仕掛けも良い。

ただ、自分により刺さったのは『FILE38 伊勢人魚物語』の方だった。

伊勢という土地。
人魚伝承。
その場所に根づいた謎。
事件だけではなく、土地の空気ごと追いかけていく感じ。

これがかなり好みだった。

たぶん自分は、ただ奇抜な事件が起きる話よりも、その土地や人の背景を拾いながら、少しずつ答えに近づいていく物語が好きなんだと思う。

こういう作品に出会うと、

「ああ、自分は昔のADVを懐かしんでいるだけじゃないんだな」

と思う。

今の作品でも、刺さるものはちゃんと刺さる。

★★★☆☆ 面白いけど、自分の好みとは少しズレる作品

超探偵事件簿 レインコード(PS)
物語やキャラ、ドンデン返しは好き。ただ、アクション要素が少し多く、自分の求めるミステリーADV感とは少しズレた。

デスカムトゥルー(PS、iOS)
実写作品として面白かったけど、ADVとしての調査感や回収感はやや控えめ。

Detroit: Become Human(PS)
完成度は高い。ただ、ミステリーADVというより選択型ドラマとしての印象が強い。

ここは、決して嫌いではない。
むしろ、普通に面白いと思っている作品たち。

ただ、自分がミステリーADVに求めているものと比べると、少しズレがあった。

『超探偵事件簿 レインコード』は、物語やキャラクターはかなり好きだった。ちゃんと驚きもあるし、キャラも濃い。

ただ、アクション要素やゲーム的な操作の比重が、自分には少し多く感じた。
自分が求めているのは、派手に攻略する感じよりも、じわじわ調べて真相に近づいていく感覚なのかもしれない。

『デスカムトゥルー』や『Detroit: Become Human』も面白かった。
ただ、自分の中ではミステリーADVというより、実写ドラマや選択型ドラマに近い印象がある。

面白い。
面白いんだけど、心のど真ん中ではない。

この「面白いけど、ど真ん中ではない」という感覚。
たぶんゲーム好きには分かってもらえると思う。

いや、分かってほしい。

★★☆☆☆ 評価は分かるけど、自分には合わなかった作品

YU-NO(PS)
前半の探索感は好き。ただ、後半は自分の好みから外れた。

AI: ソムニウムファイル(PS)
評価は分かるけど、自分には少し合わなかった。

カオスヘッド(iOS)
世界観や設定理解の負荷が、自分には少し重かった。

カオスチャイルド(iOS)
面白さは分かるけど、自分の求めるADV感とは少し違った。

弟切草(SFC)
原点的な作品ではあるけど、自分の好みとは少しズレた。

Life Is Strange(PS、iOS)
作品としての良さは分かるけど、救われなさが強く、自分には少し合わなかった。

ここからが少し難しい。

嫌いという話ではない。
むしろ、評価されている理由は分かる作品も多い。

でも、自分との相性で見ると、少しズレた作品たち。

たぶん自分は、SF要素や世界観の理解が前面に出すぎると、少し置いていかれる。もちろん、それが好きな人にはたまらないのだと思う。

でも自分の場合、

「まず世界の仕組みを理解してください」

という感じが強くなると、事件を追うワクワクよりも、理解する負荷の方が勝ってしまう。

『Life Is Strange』も、作品としての評価は分かる。
空気感もあるし、心に残るタイプの作品だと思う。

ただ、自分には少し救われなさが強かった。

切ない物語が嫌いなわけではない。
でも、やっぱり自分は最後にどこか納得できる着地がほしい。

悲しくてもいい。
苦くてもいい。
でも、救いのようなものは少し欲しい。

わがままですね。

でも、ゲームくらい少し救ってほしい。

★☆☆☆☆ すまん、自分にはかなり合わなかった作品

EVE LOST ONE(SS)
EVEシリーズの中ではかなり合わなかった。

√Letter ルートレター(PS)
途中までは悪くなかったけど、主人公の言動に感情移入しづらく、終盤もあっさりしすぎて自分には合わなかった。

★1にするのは少し申し訳ない。
でも、相性表なので正直に書く。

『EVE LOST ONE』は、EVEシリーズが好きだからこそ、余計に合わなかった印象が強い。
期待していたものと違った、という気持ちが大きかったのかもしれない。

『√Letter ルートレター』は、途中までは悪くなかった記憶がある。
題材も雰囲気も、嫌いではなかった。

ただ、途中から主人公の言動についていけなくなった。

そこ、そんな急に行く?
そんな言い方する?
今それやる?

みたいな場面が増えて、感情移入が難しくなってしまった。

さらに終盤も、自分が期待していたほど事件や感情の回収に重みがなく、少しあっさり感じた。

雰囲気や題材は嫌いじゃなかっただけに、余計にもったいなく感じた作品だった。

自分が求めているのは「納得できる終わり」

こうやって振り返ると、自分がミステリーADVに求めているものが少し見えてくる。

自分が好きなのは、たぶんこういう作品。

  • 事件のワクワクがある

  • 少し怖い

  • キャラが濃い

  • 調べて進める感覚がある

  • 詰まるけど、進んだ時に気持ちいい

  • 最後にちゃんと回収される

  • 「なるほど」と納得して終われる

  • 場所や旅情がある

  • 人間関係をたどる面白さがある

  • 複数の視点が最後につながる気持ちよさがある

逆に苦手なのは、

  • 設定理解の負荷が強すぎる

  • 世界観の把握がメインになる

  • アクション要素や操作要素が前に出すぎる

  • 謎が謎のまま残りすぎる

  • 解釈を大きく委ねられる

  • 最後に腹落ちしない

  • 救われなさが強すぎる

  • 感情の積み上げがないまま急に進む

もちろん、余韻のある終わりも良い。
全部を説明しすぎない美しさもあると思う。

でも、自分はやっぱり、物語が終わる時に、1+1が2で終わってほしい。

「これは何だったんだろう」ではなく、
「ああ、そういうことだったのか」と思いたい。

それが自分にとっての気持ちいいミステリーADVなのだと思う。

名作だから刺さるとは限らない

今回、相性表として振り返ってみて改めて思った。

名作だから刺さるとは限らない。
評価が高いから、自分も好きになるとは限らない。

逆に、世間的な評価がどうであれ、自分の中で妙に残り続ける作品もある。

これはゲームに限らず、映画でもドラマでも、たぶん同じだと思う。

結局、自分が何に惹かれているのかを知ることが大事なのかもしれない。

自分の場合は、ただ謎があればいいわけではない。
ただ怖ければいいわけでもない。
ただ意外な展開があればいいわけでもない。

事件があって、
人がいて、
場所があって、
少し怖くて、
少しずつ真相に近づいて、
最後にちゃんと納得できる。

別々に見えていたものが、最後につながる。

そういうミステリーADVが好きなのだと思う。

作品ごとの深掘りはまた別で

今回は全体の相性表としてざっくり振り返ってみた。

本当は、それぞれの作品についてもっと書ける。

『かまいたちの夜』の閉鎖感。
『金田一少年の事件簿』の事件と犯人目線の異色さ。
『西村京太郎サスペンス』『山村美紗サスペンス』の旅情と聞き込み感。
『逆転裁判』の気持ちよさ。
『EVE burst error』のザッピング。
『街』と『428』の群像劇としての面白さ。
『ダンガンロンパ』のキャラと事件の強さ。
『春ゆきてレトロチカ』の実写ADVとしての面白さ。
『パラノマサイト FILE23』と『FILE38』の違い。
『YU-NO』の前半は好きだったのに、なぜ後半で合わなくなったのか。
『√Letter ルートレター』でなぜ感情移入できなくなったのか。

たぶん書き出すと、それぞれで一本ずつ記事になる。

というか、普通になりそう。

なので、作品ごとの細かい話はまた別の記事で書いていきたい。

今回はまず、

「自分はこういう基準でミステリーADVを楽しんでいるんだな」

という整理でした。

名作でも刺さらないことがある。
でも、それは作品が悪いという話ではない。

自分との相性があるだけ。

そして、その相性を振り返ってみると、自分が何を面白いと感じているのかが少し見えてくる。

やっぱり自分は、謎があって、少し怖くて、キャラが濃くて、場所や人間関係をたどりながら、最後にちゃんと回収される物語が好きだ。

そしてできれば、物語の最後にはちゃんと1+1が2になっていてほしい。

そこだけは、たぶんこれからも変わらない気がする。

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