第8回|モリオンとスモーキークォーツ。わたしをパワーストーンの世界に連れてきた、黒い石の話

この連載も8回目。ふと、そもそも自分がなぜパワーストーンにハマったんだっけ、と考える瞬間がありました。
思い返すと、答えは一つの石にたどり着きます。ちょっと照れくさいけれど、今日はその「はじまりの石」について正直に書こうと思います。
誕生石は知っていた。でも「パワーストーン」はまだ知らなかった
わたしが石そのものを嫌いだったわけではありません。誕生石くらいは知っていたし、アクセサリー屋さんで天然石を見るのも好きでした。
でも当時のわたしにとって、それは「きれいな石」であって「パワーストーン」ではなかったんです。石に意味や力があるという発想そのものが、正直まだ自分の中になかった。
その状態を変えたのが、モリオンでした。
モリオン ―理屈より先に、体が動いてしまった石―

色:漆黒、光を通さないほど深い黒
モリオンという名前を最初に知ったとき、真っ先に頭に浮かんだのは「魔除け」という言葉でした。日本のパワーストーンの世界では、数ある石の中でもとくに強い魔除けの力を持つとされている石で、調べれば調べるほど「最強クラスの厄除けの石」という言葉が出てきます。
不思議な言い伝えを知って、なぜか妙に納得してしまったのを覚えています。「この石は、悪いものを跳ね返す代わりに、自分が黒く濁っていく」というような話も伝わっていて、身代わりのように働く石として扱われてきました。理屈じゃなく、直感的に「これは持っておきたい」と思ってしまった。それが正直な始まりです。
鉱物としてのモリオンは、水晶の仲間。地中に含まれる微量の成分と、長い年月をかけて受けた自然放射線の影響によって、透明だった水晶が黒く色づいたものです。同じ現象で色づいた水晶の中でも、光をほとんど通さないほど黒が濃いものだけがモリオンと呼ばれます。
スピリチュアルな観点では、ルートチャクラ(体の一番下、地に足をつける力に関わる場所)に対応するとされていて、不安や漠然とした恐れを地面に流し、心を落ち着けてくれる石と言われています。「なんとなく不安な夜」「理由のわからないざわつき」があるときに、そっと支えてくれる石という印象です。
わたしはこの石を知ってすぐ、アンクレットにして即買いしました。石を「選んで買う」というより「知ってしまったから、もう身につけるしかなかった」という感覚に近かったです。今も、その日の気分によってタイガーアイのアンクレットと付け替えながら過ごしています。
ファッションとしては、漆黒というだけあってオールブラックのコーデにひとつ足すだけで一気に引き締まります。シルバーとの相性も良く、いま流行りの「モノトーンコーデ」に自然に馴染む石だと思います。
スモーキークォーツ ―モリオンの、少し力を抜いた親戚―

色:くすんだ茶色〜灰色がかった半透明の煙色
スモーキークォーツは、モリオンと生まれ方がとても近い石です。同じように水晶が自然放射線の影響で色づいたものですが、モリオンほど黒くならず、煙のようなグレーブラウンで止まったものがこう呼ばれます。いわば、モリオンの一歩手前、少し力を抜いた親戚のような存在です。
歴史をたどると、スコットランドとの結びつきが印象的です。スコットランド北部のケアンゴーム山地で多く産出したことから「ケアンゴームストーン」とも呼ばれ、伝統的なキルトのブローチやスコッチ・ジュエリーに古くから使われてきました。ヴィクトリア朝時代には喪の装身具(モーニングジュエリー)としても選ばれていて、静かで落ち着いた色合いが「悲しみに寄り添う石」として好まれていたようです。
スピリチュアルの文脈では、モリオンと同じくルートチャクラに対応し、グラウンディング(地に足をつけること)とストレスの解放を助ける石とされています。モリオンが強い浄化・魔除けの石だとすれば、スモーキークォーツはもう少し日常的な、「頑張りすぎた自分を、少し緩めてくれる」ような石という印象です。
ファッション面では、くすんだブラウングレーはニュートラルカラーのコーデに驚くほど馴染みます。ベージュやグレーのミニマルな装いに一点添えるだけで、こなれた印象になる。派手さはないけれど、だからこそ長く使える色だと思います。
コラム|「天然の黒」と「つくられた黒」
正直に書いておきたいことがあります。
モリオンやスモーキークォーツのような色は、自然界で長い年月をかけて放射線の影響を受けてできるものですが、市場に出回っているものの中には、無色の水晶に人工的に放射線処理を施して黒く色づけたものも一定数あります。処理そのものは業界的に珍しいことではないのですが、「これは自然にできた黒なのか、人の手で濃くされた黒なのか」を、購入時に意識してみるのは大切なことだと思っています。
見分け方の基本的な考え方は、以前まとめた偽物・処理石の回とも重なる部分があります。
色の均一さや価格帯は、今回もやっぱり有効な手がかりです。
黒い石って、地味に見えて実はすごく奥が深いなと、書きながら思いました。あなたが最初にパワーストーンを好きになったきっかけの石は、何でしたか?よかったらコメントで教えてください。
次回は、ブランドジュエリーでの採用例がしっかりある石を紹介しようと思っています。楽しみにしていてください。
このnoteは、パワーストーン × ファッション × スピリチュアルをテーマに、体験と感覚を正直に書いています。専門家ではなく、ただ石が好きな普通の人間が書いています。石の効果を保証するものではありません。
