【閑古鳥雑貨店のプク】コーヒーと猫。冬を待つ朝の景色|HARIO(ハリオ) V60 ドリップケトル・ヴォーノ
朝の空気がひんやりしてきました。
手先がかじかむ日には、温かい一杯が恋しくなります。
そんな季節に、ひとつ道具を新しくしました。

店の鍵を開けると、プクが奥から“とてとて”と歩いてきて、
カウンターの上にぴょこんと飛び乗りました。
「おはよう、プク。今日も店番、お願いね」
しっぽが“ぴっ”と一度だけ上を向く。
了承の合図なのか、眠気をごまかしているのか。
外では、北風が落ち葉を一枚、ころんと転がしていきました。
ああ、冬がもうすぐそこなんだな、と胸の奥でそっと思う。
最近、ケトルを買い替えました。
ハリオのV60ドリップケトル・ヴォーノ。
細い注ぎ口が前から気になっていて、
「そろそろ、迎えてもいいかな」と思える朝だったのです。
「ねぇプク、新しいケトルだよ。見てごらん」

声をかけると、プクが身を乗り出して“くんくん”。
金属のひかりを、不思議そうに目で追っています。
やがて、お湯があたたまり始める小さな音。
ほっとするような湯気が、くちばしのような口からすっと立つ。
その湯気に、プクは
“すぅー…”と引き寄せられるように目を細めました。
「プク、その顔…かわいすぎるんですけど」
ゆっくりと、円を描くようにお湯を落としていく。
豆がふくらむ瞬間の、あの静かなふくらみ。
店の空気が、コーヒーの香りとともにやわらかく変わっていく。

「コーヒーの香りって不思議よね。
お客さんが来なくても、気持ちが少し整うというか…」
そうつぶやくと、プクが“ふにゃ”と控えめに返事。
慰めてくれているのか、ただ眠いのか。
どちらでも、もう十分。
今日のコーヒーは、いつもよりやわらかくて丸い味。
新しいケトルの力って、きっとこういうことなんだろう。

プクは湯気のほうを向いたまま、
とうとう丸くなってうとうとし始めました。
「ねぇプク。
うちは今日も来店ゼロ名かもしれないけど…
まぁ、ゆっくりでいいよね」
しっぽがぽそりと揺れて、
まるで「うむ」と返事しているみたい。
湯気がひとすじのぼっていく。
その向こうで、ぷくりと眠るプク。

こんな朝が、私はちょっと好きです。
細い注ぎ口は、
「ここに落としたい」という気持ちに
そっと応えてくれます。
ハンドルも指先になじむので、
湯量の調整がとてもやりやすいんです。
一杯の味を大切にしたい方に、
そっと寄り添うケトルですよ。

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