学校における言語ゲーム|陽浜なんでも座談会
参加者
* 蒼瀬澪(日本文学・物語論/司会)
* 獅子神依愛(比較哲学/聞き手)
* 灰斑晶🌹(言語哲学)
* 深山優香(陽浜南高校、仮在籍)
* 氷室・S・アイノ(陽浜南高校、西洋哲学)
* 紺野美鈴(倫理・教育学)
⸻
はじめに
蒼瀬澪
「みなさん、お集まりいただきありがとうございます
研究補助メイド長の蒼瀬澪です。
本日のテーマは、
『学校における言語ゲーム』
です。
学校という場所には、
* 教室
* 職員室
* 部活動
* 友人関係
など、
さまざまな『言葉のルール』があります。
今日は、それぞれの立場から、
学校という空間を丁寧に見つめていきましょう」
⸻
獅子神依愛
「はーい!
陽浜の主人公こと獅子神依愛です!
『言語ゲーム』って聞くと難しそうだけど、
“その場その場の空気やルール”
くらいに考えると分かりやすいよね。
学校って、
まさにそのルールがいっぱいある場所だと思う!」
⸻
灰斑晶🌹
「ごきげんよう
灰斑晶ですわ。
依愛ちゃんの説明、
とても分かりやすいですわね🌹
私たちは普段、
場に応じて言葉を使い分けています。
友達との会話、
先生との会話、
職場での会話。
それぞれ、
ルールが違う。
学校という空間は、
『複数の言語ゲームが同時進行している場所』
なんですの🌹」
⸻
生徒から見た「教室」の言語ゲーム
深山優香
「えっと……。
仮在籍の深山優香です。
教室の中って、
独特のルールがありますよね……。
友達同士のノリとか、
『空気を読む』感じとか……。
私は、
そのルールにちゃんと乗れているのか、
不安になることがあります。
だから、
つい『これで大丈夫かな……』って確認しちゃうんです」
⸻
獅子神依愛
「ゆーかりん、
それめちゃくちゃ分かるよ💦
教室の言語ゲームって、
ちょっとタイミング外しただけで、
『え、何それ?』
みたいな空気になったりするもんね。
独自のミームとか、
身内ノリとか、
まるで“そのグループ専用ルール”
みたいな感じ!」
⸻
氷室・S・アイノ
「アイノも言う!
教室のゲームって、
おとなのゲームとちがう!
時々すごく残酷!
ルールを知らないだけで、
『なかまはずれ』になったりする!
オオカミの群れみたいに、
“だれが群れの中か”
を、
言葉で決めてたりするんだ!」
⸻
灰斑晶🌹
「鋭い指摘ですわね🌹
教室内の言語ゲームは、
* スクールカースト
* 同調圧力
* 所属感
と深く結びついていますの。
特定の言葉やノリを共有することが、
『私たちは同じ側です』
という合図になるんですの🌹
逆に、
そこから外れると、
孤立の不安が生まれる。
ですから、
優香ちゃんが不安になるのは、
決して弱さではありませんわ
それは、
“ゲームのペナルティ”
を察知しているからですわ🌹」
⸻
深山優香
「……ありがとうございます。
私、
文系と理系のどちらに進むかも、
まだ迷っていて……。
進路の話をする時も、
周りの反応を気にして、
言葉を選んじゃうんです」
⸻
教師から見た「管理と教育」の言語ゲーム
紺野美鈴
「……ふむ。
生徒側の苦しさは理解しました。
ですが、
教師側にも、
別の言語ゲームがあります。
それが、
『教育と管理』
のゲームです」
⸻
蒼瀬澪
「紺野先生、
それはどのようなものなのでしょうか?」
⸻
紺野美鈴
「教師の言葉は、
単なる会話ではありません。
* 授業を成立させる
* 集団行動を維持する
* 生徒を評価する
という役割を背負っています。
教師は、
『先生』
という役割を演じる必要がある。
私個人がどれだけ柔らかくありたいと思っても、
教壇へ立った瞬間、
管理の言語ゲームへ参加せざるを得ないのです」
⸻
氷室・S・アイノ
「美鈴、
いつもカタい言葉つかう!
それって、
『先生のお面』をつけてるから?」
⸻
紺野美鈴
「……ある意味では、
その通りです。
もし教師が、
完全に生徒と同じ言語ゲームで話し始めれば、
学校というシステムは維持できなくなる。
しかし同時に、
『管理の言葉』
が、
優香ちゃんのような迷いやSOSを、
押しつぶしてしまう危険もあります。
そこは、
教師側も自覚しなければなりません」
⸻
異なる言語ゲームの衝突
灰斑晶🌹
「学校の難しさは、
『異なるゲームが同時に存在している』
ことにあります🌹
生徒側には、
生徒側の生存戦略がある。
教師側には、
教師側の管理責任がある。
しかし、
お互いのルールを理解しないまま衝突すると、
悲劇が起こりますわ。
例えば、
生徒の『だるい』というSOSを、
教師側が
『不真面目』
としか翻訳できないような状況ですわ🌹」
⸻
深山優香
「それ……あります。
本当は苦しいのに、
上手く説明できなくて、
結局、
『大丈夫です』
って言って、
会話を終わらせちゃうことがあります……」
⸻
獅子神依愛
「あー……。
それって、
“違うルール同士で会話してる”
感じなんだね💦
だから、
お互い噛み合わなくなる」
⸻
「まんなかの安堵」
蒼瀬澪
「ここで大切になるのが、
当研究所支援員、
リュミエール紗月さんの提唱する
『まんなかの安堵』
という考え方かもしれません。
学校には、
* 教室
* 職員室
だけではなく、
* 図書室
* 保健室
のような、
“少しだけゲームを降りられる場所”
が必要なのだと思います」
⸻
紺野美鈴
「確かに、
図書室や保健室には、
学校の強い言語ゲームを、
一時停止させる力がありますね。
そこでは、
優香ちゃんも、
『生徒役』を演じ続けなくていい。
私も、
『管理者』としての言葉を、
少し緩めることができる」
⸻
氷室・S・アイノ
「アイノ、
研究所すき!
ここ、
学校のゲームしなくていいから、
のびのびしゃべれる!」
⸻
灰斑晶🌹
「ふふっ
私も、
この研究所の空気は心地よいと思っています
学校で息苦しくなった時は、
『自分は今、
どのゲームへ参加させられているのか』
を、
一歩引いて見てみることも大切ですわ🌹
ルールが見えるだけでも、
“まともに全部食らわなくていい”
と気づけますからね🌹」
⸻
おわりに
蒼瀬澪
「みなさん、
ありがとうございました。
学校という場所が、
『複数の言語ゲームによって成立している空間』
であることが、
とてもよく見えてきましたね。
最後に、
本日の座談会メモを記載いたします」
⸻
📝座談会メモ
学校における言語ゲームの構造
1.生徒の言語ゲーム(生存と所属)
教室内では、
同調圧力や空気読みを含む、
独自のルールが形成される。
そこでは、
言葉が所属確認として機能する。
⸻
2.教師の言語ゲーム(管理と教育)
教師は、
学校システム維持のため、
* 規律
* 指導
* 評価
を担う。
そのため、
『先生』という役割を引き受ける必要がある。
⸻
3.ゲーム衝突と「第三の場」
生徒側と教師側のルールが噛み合わない時、
コミュニケーション不全が起こる。
そのため、
* 図書室
* 保健室
* 研究所
のような、
「既存ゲームを少し降りられる場所」
が重要になる。
⸻
蒼瀬澪
「学校のルールに少し疲れてしまった時は、
どうか、
『自分が悪い』だけで終わらせないでくださいね。
もしかすると、
今いる場所のルールそのものが、
あなたに合っていないだけかもしれません。
本日の座談会はここまでです。
ありがとうございました」
