第30話:秋の実りと山の手入れ──なつめ・柿・ゆず・しいたけ、そして木の伐採ラッシュ
秋が深まり、佐用の山や畑が一気に「実りモード」に入った頃の記録です。
なつめや桑の葉、あけびに始まり、畑の草刈や木の伐採、新しい農機具や列車での移動、そして軽トラ不在の平日活動まで…。
五つの視点で、2021年秋の #131〜135 の出来事を振り返っていきます。
1. 秋の実りラッシュとなつめ・桑の葉・あけび
まずは #131 「秋の収穫など…」。
この回は、夕方から前泊して臨んだ「秋の収穫モード全開」の週末でした。
夏頃から様子を見てきたなつめは、いよいよ収穫のタイミング。
木の下にシートを敷き、木を揺らして実を落とすスタイルで作業効率アップ。
食べられそうな実は全体の約1/4ほどで、赤くなりすぎたものやキズのある実は残念ながら見送り。
味は「青りんごのような、ほんのり甘い感じ」。来年は9月中旬までの収穫を目標にしました。
タイミングが合わず、神戸の「元町マルシェ」への出品は見送りに。乾燥させてドライフルーツにする計画です。




山のあちこちにある桑の木からは、桑の葉を収穫。葉だけを残して乾燥させ、桑の葉茶として楽しむ準備を進めました。

さらに、桑の葉を採りに山へ入った際には、思いがけずあけびを大量発見。
昨年のポイントにも実っていましたが、今年は予想以上に多く、採り切れない分は贅沢にもそのまま残すほどの豊作でした。


食卓では、栗ごはんや柿など秋の味覚も登場。
栗は「今年は少なめらしい」と聞きつつも、季節を感じる大切なごちそうです。

2. 山と畑の草刈りと動物たち
続く #132〜135 では、山や畑の草刈りと整備が大きなテーマになっています。
ウド畑と籾殻、そして草刈り(#132)
親友Fくんの家の稲刈りが終わり、ウド栽培に使う籾殻を2袋分いただきに。お米までお裾分けしてもらい、ありがたさを噛みしめました。


籾殻を使う予定の畑や周辺は草だらけ。父親と二人で手分けし、畑と周辺の草刈りを実施。
ベテランの父親は作業が早く、私は斜面の凸凹や石で道具を傷めてしまい苦戦しつつも、「勉強不足だなぁ」と反省しながら汗を流しました。


畑周辺では、シカ3頭(親子2頭+立派な角の雄1頭)や、タヌキではなさそうなハクビシンらしき動物にも遭遇。
ニホンミツバチは見ない一方で、動物はよく見かけるという、里山の今の姿がはっきりと浮かび上がってきます。


伐採準備と樫の木との格闘(#133)
山の近くの方から声が掛かり、道に隣接する樫の木の伐採に向けた作業へ。
まずは、伐採した木の置き場所や作業効率を高めるために草刈りからスタートしました。樫の木の伐採では、チェーンソー担当は父親、切った木の収集は私という分担。
カマキリに睨まれたり、10月なのにカブトムシが出てきたりと、思わぬ出会いもありました。




作業後は、切った木を草刈りしたスペースに集めながら、「明日の筋肉痛は確定だな」と実感するほどのハードワークでした。
列車移動と山の斜面、そして軽トラ不在の草刈り(#134〜135)
#134 では、久しぶりに姫新線での列車移動。高校時代は通学やサッカーの遠征で使っていた路線ですが、車移動が当たり前になって以来、実に約34年ぶりの乗車でした。


出荷作業や山での草刈りの合間には、佐用町内のスポットをめぐり、まだ行ったことがない場所を確認。
「元町民として、ちゃんと回っていかないと」と、改めて地域を見るきっかけにもなりました。



#135 では、いつも大活躍の軽トラが車検で不在。やむなく自家用車に道具を積み込んで山に向かい、前回の伐採で宙ぶらりんになっていた木を処理した後、予定していた草刈りの続きも実施しました。
作業後は、車内を念入りに掃除。「汚したら大変」と、いつもと違う緊張感の中での草刈りでした。



里山の草刈りは、見た目を整えるだけでなく、作業道を確保し、実りや山の安全を守るための大切な基盤づくりだと、改めて感じたシーズンでした。
3. ミツバチと森のことを考えるようになったきっかけ

#131〜135 の記録には、ニホンミツバチと森の未来について考え始めた私の気づきが色濃く残っています。
静かな山と増える動物たち(#131〜132)
山に入ると、
音が静か
虫が少ない
シカなどの動物は多い
木の下に緑が少ない
という状況が、だんだん当たり前になってきました。
管理されていない植林が育ち、木が大きく傘のようになって陽の光を遮ることで、
草が生えない
土だけになり、土砂が崩れやすい
少ない植物を動物が食べてしまう
という悪循環が起きていると感じました。
これが、過疎・限界集落の山で起きている現実。
「森を復活させるにはどうすればいいのか」「自分にできることは何か」と、#131では何度も「んー…」と考え込んでいます。
ミツバチの居場所とバランスの取り方(#132)
山でニホンミツバチを見かける機会は減る一方で、動物はよく見かけます。
そんな中、ミツバチの保護と森づくりを両立しようとする取り組みを知り、
「森の木を伐採(間引き)した後、その木をどう使うか」
「動物を捕獲した後、どう扱うか」
といった、現場で必ず生じる課題にも意識が向くようになりました。ホームセンターでは、動物よけネットや檻が並び、
ミツバチの保護+植物の育成+動物との共存
のバランスが取れないと、本当の意味での「森の再生」は難しいと痛感します。

太陽光発電と雨水、山を守る視点(#134〜135)
活動する山に隣接して作られた太陽光発電設備では、雨水処理工事が停滞し、畑に水が溜まる状態に。
現状確認と管理会社との打ち合わせに向けた調査も行いました。#135 では、その状況を報告書としてまとめ、父親と内容を確認して管理元へ提出。
「この山を土砂災害から守る」という視点で活動の幅が少しずつ広がっています。
ミツバチの巣箱を見に行ったとき、じっとしていたハチたちが急に一斉に動き出す様子を見て、
「ミツバチにだって事情があるんだろうな」と考えたりもしました。
静かな山・増える害獣・減る蜜源とミツバチ。
これらの変化を肌で感じる中で、「山の管理」「森をどう残していくか」という問いが、私自身の中で少しずつ大きなテーマになっていきます。
4. 原木しいたけ・なつめ加工・農機具…小さなチャレンジの積み重ね
秋の活動には、「新しい道具」や「加工の工夫」といった、小さなチャレンジがいくつも出てきます。
中古の耕運機**「こまめちゃん2号」**を新たに迎え入れ、長年頑張ってきた1号機に「お疲れ様」と声をかけつつ、これからの畑作業の主役交代を実感しました。(#131)

収穫したなつめは、食品乾燥機を使ってドライフルーツ化。
色が変わるほどしっかり乾燥し、味も濃くなり、「杏仁豆腐の上に乗っているクコの実みたいだな」と感じる仕上がりでした。(#132〜133)

乾燥したなつめを真空パックにしてみるなど、長期保存や味の凝縮を意識した加工にもトライ。
まだ販売できる量には届きませんが、「来年こそは収穫タイミングからきっちり整えよう」と課題も見えてきました。(#133)

山や畑では、原木しいたけの収穫・手入れも続きます。
どんことして出荷できるもの、乾燥しいたけにするもの、自宅で味わうものと、形や状態を見ながら用途を分けていきます。(#134〜135)
道具面では、草刈機やチェーンソーに加え、耕運機・食品乾燥機・真空パック機など、
「人手と時間を補うための小さな投資」が、少しずつ現場の負担を減らし、新しい商品づくりのヒントにもなってきました。
5. 人とのつながりと移動の物語──列車・元町マルシェ・軽トラ・親友へのL-O-V-E
【画像:姫新線の車内や駅、元町マルシェの売り場、軽トラと山道、ホルモンうどんの写真】
#134〜135 では、移動と人とのつながりが印象的なテーマになっています。
#134 では、高校時代以来となる姫新線での佐用入り。
約1時間の列車旅は、通学やサッカーの遠征の記憶を思い出す時間でもありました。神戸の「元町マルシェ」では、久しぶりに出荷作業に立ち会い、
ナス・カボチャ・ジャガイモ・サトイモ・オクラ・ブロッコリーなど、両親が育てた野菜が並ぶ光景を確認。
ニホンミツバチのはちみつが買えるのは、「元町マルシェ」と「食べチョク」だけという現状を、改めて整理しました。



出荷の帰りには、父親の「寄り道する?」の一言から、安倍晴明ゆかりの場所に立ち寄ることに。
自分が生まれ育った町の中にも、まだまだ知らないスポットがたくさんあることを実感しました。(#134)一方、#135 では、軽トラが車検で不在というハプニングからスタート。
いつもは軽トラで行く山も、自家用車に道具を積んで移動し、伐採した木の後処理や草刈りをこなしました。佐用駅前の拠点「コバコ」では、父親の起業後初めての確定申告に向けた支援を受けることに。
税金や申告の話は難しい面も多いですが、こうした地域のサポートのおかげで、一歩前に進める心強さを感じました。太陽光発電の管理会社への状況報告書をまとめたり、佐用名物のホルモンうどんを父親と味わったりと、
平日の「働きながらの田舎活動」ならではの濃い一日でもありました。

そして最後には、専門学校時代からの親友Oくんの入籍をお祝い。
心の中で流れていたのは、ジャズのスタンダードナンバー**「L-O-V-E」**。
日本語版も含めて、改めて歌詞を味わいながら、「お幸せに」とエールを送りました。
列車、軽トラ、自家用車…。
移動の手段は変わっても、
その先にはいつも「家族」「親友」「お世話になっている人たち」とのつながりがあり、
それが私の活動を支えてくれていると感じた期間でした。
まとめの一言
秋の実りと山の手入れ、ミツバチと森のこれから、
そして人とのつながりや、軽トラ・列車・自家用車を使い分けながらの移動。
どれも派手な出来事ではありませんが、
こうした一つひとつの積み重ねが、
「佐用の恵み」と私自身のこれからを形づくる大事なピースだと感じています。
少しずつ、少しずつ。
今に満足せず、前へ前へ──。
次回予告(#136〜140より)
【画像:干し柿がずらりと並ぶ風景、ゆずやキウイ、原木しいたけ、里芋の収穫風景などを組み合わせた写真】
次回の第31話は、#136〜140 の内容を予定しています。
#136 実ってます…
干し柿約300個からスタートし、甘柿・渋柿・ご近所さんや親友Fくんからいただいた柿、そしてゆず・キウイ・原木しいたけまで、秋の実りが大集合。祖父が植えた杉林が、今は管理しきれず放置されている現状にも触れ、山と害獣、ミツバチの行方についてさらに考えを深めていきます。#137 チョットだけ…
所要のため半日の活動ながら、伐採後の山道の様子や、間伐材を引き取ってくれる業者の情報を確認。原木しいたけは、設置から1年経っていない場所で思いがけない収穫があり、「あっ!」の連続。干し柿は合計600個に増え、業務スーパーのチーズケーキにハマるおまけも。#138 今年最後!?柿の収穫など…
予定が行き違い、思いがけずお泊まり活動に。畑では同級生たちと何十年ぶりの再会、新種の原木しいたけの試食会も。翌日は山で柿としいたけを収穫し、大きな甘柿を取るための草刈りも決行。冬に向けた木の伐採計画がいよいよ現実味を帯びてきます。#139 平日活動…
平日休みを取り、父親の青色申告に向けた税理士さんへの相談や、農林振興課・森林組合で害獣と間伐材の扱いについて情報収集。大イチョウの黄葉を初めて見に行き、「まだまだ行ったことのない佐用がある」と実感します。#140 あー…疲・れ・た
日帰りで山と畑のフルコース。ゆずの木までの斜面の草刈り、原木しいたけの確認、畑横の草刈り、玉ねぎの定植、人生初の里芋堀り。
神戸では、入籍した親友Oくんのお店に立ち寄り、害獣よけグッズを受け取りつつ近況報告。苗字の由来をネットで調べて盛り上がり、「今日のおみやげは筋肉痛」という一日になります。
お楽しみに。
タグ案
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なつめドライフルーツ
原木しいたけ
山の手入れ
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元町マルシェ
里山暮らし
Jターン
田舎と都会の二拠点生活
家族と親友とのつながり
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#里山暮らし
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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▼前回の第29話(#126〜130)の振り返りはこちら
https://note.com/suetch/n/n9f31c5b9a764
▼この連載のもとになっているブログ本編(#131〜135)は、はてなブログ「suetchの田舎活動記録」で公開中です。
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