あなたを苦しめる「べき思考」の正体。会社員を辞めても抜け出せなかった私が、人生の自由度を取り戻した「魔法のツッコミ」
「ちゃんとしなければ」 「周りの期待に応えるべきだ」 「この年齢なら、これくらいできて当然であるべきだ」
あなたは今、こんな「べき」に縛られて、息苦しさを感じていませんか?
真面目で、責任感が強く、一生懸命に生きてきた人ほど、この無意識の「べき思考」にがんじがらめになっていることがあります。
かつての私が、そうでした。
それは、まるで自分で自分に「呪い」をかけているようなもの。その呪いが、知らず知らずのうちに、あなたの人生の自由度を奪い、可能性を狭めているとしたら…。
今日は、私自身がどうやってその「呪い」に気づき、少しずつ解いていったか、そのプロセスと考え方についてお話ししたいと思います。
「ダメ出しの天才」だった私
私はメンタルコーチとして活動する前、31年間会社員として働いてきました。そこで染み付いたのは、「正しさ」「基準」「ルール」といったものを何よりも重視する思考のクセでした。
「資料は完璧であるべきだ」 「会議では的確な発言をすべきだ」 「上司の期待を超える成果を出すべきだ」
この「べき」が、私の中で絶対的な物差しになっていました。そして、その物差しで常に自分を測っては、「できていない自分」ばかりを見つけ出すのです。
まさに「自分にダメ出しする天才」でした。
「ああ、またあの部分が不十分だった」 「なぜ、あの時こう言えなかったんだ」 「○○さんはできているのに、自分はなんてダメなんだ」
四六時中、頭の中で自分へのダメ出しが鳴り響いている。当然、心は休まず、常に疲弊していました。必死で頑張ってはいるものの、そこには「楽しい」という感情は皆無でした。
会社を辞めても続いた「呪い」
そんな会社員生活にピリオドを打ち、私は独立起業の道を選びました。
環境を変えれば、自分も変われるはずだ。 もっと自由に、もっと楽しく働けるはずだ。
そう信じていました。しかし、現実は甘くありませんでした。
独立しても、私を動かしていたのは、会社員時代と全く同じ「べき思考」だったのです。
「起業したからには、すぐに結果を出すべきだ」 「完璧なサービスを構築しなければいけない」 「家族に心配をかけるわけにはいかない」
新しい挑戦にワクワクするどころか、またしても自分で作り上げた「べき」のハードルを前に、必死で自分に鞭を打っていました。眉間にシワを寄せ、パソコンと睨めっこする日々。
そんなある日、私の姿を見かねた妻が、ふとこう言ったのです。
「あなた、会社辞めた意味なくない?」
ガツン、と頭を殴られたような衝撃でした。
その一言で、すべてを悟りました。「確かに…」と。 環境(会社)という「外側」は変えた。でも、肝心な自分の「内側」、つまり「思考のクセ」は何も変わっていなかったのです。
「リザルト」を変えるための「プロセス」
その時、ふと、ラグビー日本代表ヘッドコーチであるエディー・ジョーンズ氏の言葉が蘇りました。
「リザルト(結果)を変えたければ、プロセス(過程)を変える」
しごく当然の理屈です。しかし、この時の私には、知識としてではなく、強烈な「体感」として突き刺さりました。
私が望む「リザルト」は、ワクワクする毎日、自由度の高い人生のはず。 それなのに、私が取っていた「プロセス」は、自分を縛り付け、疲弊させる「べき思考」そのものだったのです。
これでは、望む結果(リザルト)が出るはずがない。
変えるべきは、環境や他人ではなく、自分自身の「思考プロセス」だった。 私はようやく、その事実に気づいたのです。
自分への「魔法のツッコミ」
そこから、私は自分自身の思考に「挑戦」することを始めました。
具体的にやったのは、とてもシンプルなことです。 心の中に「こうあるべきだ」という声が聞こえてきたら、すかさず
「それ、本当か?」とツッコミを入れる。
ただ、これだけです。
しかし、このシンプルな「ツッコミ」こそ、実は「覚悟」を要するものでした。
なぜなら、長年、自分が信条としてきた価値観や「正しさ」を、自分自身で疑う行為だからです。それは、自分が自分であることの土台を、グラグラと揺さぶるような、正直、少し怖い作業でもありました。
「人前で弱みを見せるべきではない」 (…本当か? むしろ、弱みを見せる方が信頼関係が築けるんじゃないか?)
「失敗は絶対にしてはならない」 (…本当か? 失敗からしか学べないこともあるんじゃないか?)
「常に完璧を目指すべきだ」 (…本当か? 80点でまずやってみる方が、早く結果に繋がるんじゃないか?)
この「本当か?」を、一度や二度ではなく、自分の中に「べき」が顔を出すたびに、何度でも繰り返す。
本当の意味で自分の「べき思考」に気づき、それを変えていくには、こうした「ツッコミの習慣化」が必須であり、それには一定の時間が必要です。
私は、この少し怖い作業を、あえて「ゲーム感覚」でやってみることにしました。 「さて、今日の自分はどんな『べき』を持ってるかな?」と、自分を客観的に観察するゲームです。
「べき」は、時代と共に変わっていく
冷静に社会を見渡してみれば、私たちが「常識」や「当たり前」だと思っていた「べき」は、驚くほどのスピードで変わっていっています。
かつては「会社のために滅私奉公すべきだ」が当たり前でも、今は「ワークライフバランスを重視すべきだ」に変わっています。 「男は外で働き、女は家庭を守るべきだ」という価値観も、今や過去のものです。
昨日までの「正解」が、今日の「不正解」になる。 そんな時代に、あなたが今握りしめているその「べき」は、本当にこれからの人生に必要なものでしょうか?
その「べき」は、誰かを守るためですか? それとも、ただあなた自身を縛るための「鎖」になっていませんか?
「べき」を手放した先にあるもの
私自身、「本当か?」のツッコミを(時間をかけて)繰り返すうちに、ガチガチに固まっていた「べき思考」が、少しずつ緩んでいくのを感じました。
すると、不思議なことが起こりました。 あれほど感じていた焦りやプレッシャーが減り、日常の中に「穏やかさ」が増していったのです。
自分へのダメ出しが減ったことで、他人の「できていない部分」も気にならなくなり、以前より少しだけ、自分にも他人にも優しくなれた気がします。
思考の自由度が上がると、行動の選択肢が増え、それが人生の可能性を広げていく。私はそう確信しています。
あなたの「べき」を、まずは「それ、本当か?」と疑ってみる。 そして、もし手放せるものなら手放してみる。
そうして空いたスペースに、あなたが本当に「したい」ことを入れていく。 それこそが、あなたの人生の景色を変え、ワクワクする毎日を自分で創り出す、確かな第一歩になるはずです。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
メンタルコーチ すぎやす(杉村康之)
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■ プロフィール
メンタルコーチすぎやす(杉村康之)|思考リニューアルの専門家
31年間の会社員生活で、組織の理不尽さ、中間管理職の孤独、そして挫折を経験。
「心のあり方」ひとつで見える景色が変わることを確信し、脳科学と心理学をベースにしたメンタルコーチとして活動中。
「頑張っているのに報われない」と感じるビジネスパーソンが、本来のパフォーマンスを取り戻すための「安全基地」を提供しています。
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