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同じぶどうなのに、味が変わる理由。ワインの味を決める太陽の話

こんにちは。
ワインが大好きな20代、すいと申します。

これまでの記事では、
ぶどうがワインになる仕組みや、
スパークリングワインの泡の話について書いてきました。

ワインの基本や、発酵の仕組みについて
先に読んでみたい方は、
ぜひこちらの記事から読んでみてください。

今回は、
ワインの味わいを考えるうえでとても大切な、
「気温」のお話をしてみようと思います。

ワインって、同じぶどう品種でも、
産地が変わると味わいが全然違うことがあります。

たとえば、
白ワイン用ぶどう品種の中でも王道のひとつ、
“シャルドネ”があります。

ワインに詳しくなくても、
名前だけは聞いたことあるよ。って方も多いかもしれません。

シャルドネは、
「特徴がないことが特徴」といわれることもあるほど、
産地や造り方によって味わいが大きく変わりやすいぶどうです。

世界中のいろいろな地域で育てられていて、
涼しい場所ではすっきりと、
暖かい場所ではふくよかに。

同じシャルドネでも、土地や気候によって、
まったく違う表情を見せてくれる品種です。

涼しい地域で育つと、
レモンや青りんごのように、
すっきりと爽やかな印象に。

暖かい地域で育つと、
桃やパイナップル、マンゴーのような、
トロピカルな果実感が出ることもあります。

同じシャルドネなのに、どうしてこんなに違うの?

最初の頃の私は、かなり不思議でした。

でも勉強していくうちに、
その理由のひとつが「気温」にあることを知りました。

ぶどうも、育つ環境に影響される

ぶどうは、ただ土に植えれば同じ味になるわけではありません。

どんな場所で育ったのか。
どれくらい太陽を浴びたのか。
昼と夜の寒暖差はどれくらいあるのか。
収穫までに、どれだけゆっくり熟したのか。

そういった環境によって、
ぶどうの味わいは大きく変わります。

南国の果物と、涼しい地域で育つ果物では、
なんとなく味のイメージが違いますよね。

太陽をたっぷり浴びた果物は、
甘くてジューシーな印象がありますし、
涼しい場所で育った果物には、
きゅっとした酸や、爽やかさを感じることがあります。

ぶどうも少し似ています。

育つ土地の気候によって、
甘さや酸味、香りの出方が変わってくるんです。

ワインの世界では、
こうした気候の違いを見る時に、
“積算温度”という考え方が出てきます。

積算温度ってなに?

“積算温度”

名前だけ聞くと、一気に理科の授業っぽくなりますよね。

正直、私も最初に見た時は、
「うわ、また難しそうな単語が出てきた」
と思いました。笑

でも、ざっくり言えば、
ぶどうが収穫されるまでの期間に、
どれくらいの“あたたかさの貯金”があったかを見る考え方です。

ぶどうは毎日少しずつ太陽を浴びて、
ゆっくり熟していきます。

その「熟すための熱量」が、
どれくらいたまったのかを見るイメージです。
たとえるなら、日焼け貯金みたいなもの。

1日だけ真夏日があっても、
すぐに真っ黒になるわけではないけれど、
毎日少しずつ日差しを浴びていると、
気づけば肌が焼けて黒くなっている。

ぶどうも同じで、
日々の気温の積み重ねで、少しずつ熟していきます。

この“あたたかさの合計”が大きい地域ほど、
ぶどうは熟しやすく、糖分も上がりやすくなります。

そして、ぶどうの糖分が高くなるということは、
酵母ちゃんにとってのごはんがたくさんある、ということ。

酵母ちゃんがその糖分をたくさん食べて、
アルコールと炭酸ガスを生み出すことで、
ワインになった時のアルコール度数も高くなりやすいんです。

ここまでの話を、
ざっくりまとめるとこんな感じです。

暖かい地域では、
トロピカルで果実味のあるワインになりやすく、
涼しい地域では、
酸がきれいですっきりしたワインになりやすい。

まずはこのイメージを持ってもらえたら十分です。

ではここから、
暖かい地域と涼しい地域の違いを、
もう少し詳しく見ていきます。

暖かい地域のワインは、
トロピカルな果実感が出やすい

暖かい地域で育ったぶどうは、
太陽をたっぷり浴びて、しっかり熟します。

ぶどうがよく熟すと、
香りや味わいにも、完熟した果物のような甘やかな印象が出やすくなります。

イメージとしては、
レモンや青りんごのような爽やかさよりも、
桃、パイナップル、マンゴーのような、トロピカルな果実感。

味わいも、やわらかく、まろやかで、
アルコール感を少ししっかり感じることがあります。

白ワインなら、
南国の果物のようにふくよかな香り。

赤ワインなら、
熟したベリーやジャムのような香り。
が出ることもあります。

もちろん、暖かい地域のワインが全部甘いという意味ではありません。

ワインとしては辛口でも、
香りや味わいの印象として、
果実がよく熟したようなボリュームを感じやすい、ということです。

涼しい地域のワインは、酸がきれい

反対に、涼しい地域で育ったぶどうは、
ゆっくり時間をかけて熟していきます。

暖かい地域ほど一気に糖分が上がりにくい分、
酸味が残りやすいのが特徴です。

ワインにすると、
レモン、青りんご、白い花、ハーブのような、
すっきりした印象になりやすいです。

味わいも、シャープで軽やか。
口に入れた時に、きゅっと引き締まるような酸を感じることがあります。

たとえるなら、
朝に食べる冷たいグレープフルーツ。

甘さだけではなく、
少し背筋が伸びるような酸っぱさ。

そんな爽やかさがあります。

私は、暑い日に飲むきりっと冷えた白ワインやスパークリングワインに、
この涼しい地域らしい酸を感じると、
「今日これで正解だったな」と思うことがあります。

夏にキンキンに冷えたビールを飲んだ時の、
「これこれ!」という感じに、
少し似ているかもしれません。笑

暑すぎても、寒すぎても難しい

ここで面白いのが、
ぶどうは暑ければ暑いほど良い、
というわけではないところです。

気温が高すぎると、
ぶどうはどんどん糖分をためますが、
酸が落ちすぎて、ぼんやりした味わいになることがあります。

逆に寒すぎると、ぶどうが十分に熟さず、
酸っぱすぎたり、青っぽい印象になったりすることもあります。

つまり、ぶどうにとって大切なのは、
ちょうどよく熟すためのバランスです。

人間でも、暑すぎる日は何もしたくなくなるし、
寒すぎる日は布団から出たくなくなりますよね。

ぶどうもきっと、
「いや、今日暑すぎるんですけど」
「もうちょっと太陽ください」
みたいな日があるのかもしれません。笑

その土地の気温、日照、雨、風、昼夜の寒暖差。
そういう自然の条件の中で、
ぶどうは毎年少しずつ違う表情を見せます。

だからワインは、同じ産地、同じ造り手でも、
年によって味わいが変わることがあります。

ワインに詳しい人が、
飲むワインの“ヴィンテージ”
つまり「ぶどうが収穫された年」を気にするのは、
こうした年ごとの気候の違いが、
ワインの味わいに影響するからなんです。

テロワールって?

ワインの世界では、
よく”テロワール”という言葉が出てきます。

これも少し難しく聞こえる言葉ですが、
ざっくり言えば、その土地らしさのこと。

土、気候、地形、日当たり、風、雨、
そしてそこでぶどうを育てる人の考え方。

そういったものが合わさって、
その土地ならではの味わいが生まれる、という考え方です。

積算温度も、その土地らしさを知るための大事なヒントのひとつ。

「このワイン、なんでこんなに果実味があるんだろう?」
「この白ワイン、どうしてこんなに酸がきれいなんだろう?」

そう思った時に、
その産地が暖かいのか、涼しいのかを知ると、
少しだけ理由が見えてくるかもしれません。

おわりに

“積算温度”や“テロワール”という言葉だけ聞くと、少し難しく感じるかもしれません。

でも、まずはざっくり、
「ぶどうは育つ場所によって味わいが変わる」
というイメージで十分だと思います。

暖かい地域では、
トロピカルで果実味のあるワイン
になりやすい。

涼しい地域では、
酸が綺麗で、すっきりしたワイン
になりやすい。

まずはそれくらいのイメージで十分だと思います。

次にワインを飲む時、
「このワインは、太陽をたっぷり浴びて育ったのかな」
「それとも、涼しい場所でゆっくり育ったのかな」

そんなふうに想像してみると、
グラスの中の味わいが少し立体的に感じられるかもしれません。

知識は、
ワインを難しくするためのものではなく、
目の前の一杯をもっと楽しむためのもの。
私はそう思っています。

それでは、また。
あなたに合う1本が見つかる日まで。

すい🍷

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