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シュワシュワの魔法。スパークリングワインの泡はどこから来るの?

こんにちは。
ワインが大好きな20代、すいと申します。

前回の記事では、ぶどうジュースがワインに変わる魔法の正体、
「酵母ちゃん」についてお話ししました。

ぶどうの糖分をパクパク食べて、
アルコールと炭酸ガスを出してくれる、あの愛すべき働き者です。

酵母ちゃん

酵母ちゃんの働きや、ぶどうがワインになる仕組みについては、前回の記事でもう少し詳しく書いています。

よければ、こちらもあわせて読んでみてください。

今回は、その続き。

グラスの中でキラキラと踊る、
スパークリングワインの「泡」はどこから来るのか?
というお話をしてみようと思います。

普通のスティルワイン、いわゆる泡のないワインは、
発酵のときに出た炭酸ガスを外に逃がします。

でも、もしそのガスを逃がさずに、
ぎゅっと閉じ込めたらどうなるでしょう。

そうです。
それが、あのシュワシュワの正体です。

ーー泡の正体は、酵母ちゃんが出したガス

スパークリングワインの泡は、ただの飾りではありません。

あの泡の正体は、
酵母ちゃんが糖分を食べたあとに出してくれた「炭酸ガス」です。

普通のワインでは、この炭酸ガスは外に逃げていきます。
たとえるなら、お鍋のフタを開けたまま煮ているようなもの。

湯気がふわ〜っと外に逃げていくように、
ガスも外へ出ていきます。

でもスパークリングワインの場合は、
このガスを逃がさないようにします。

フタをぎゅっと閉めた密室の中で、
酵母ちゃんにもう一度お仕事をしてもらう。

すると、外に逃げられなくなったガスが、
ワインの中にぎゅうぎゅうに溶け込んでいきます。

そして、私たちがボトルを開けた瞬間。

ポンッ!

閉じ込められていたガスが、
「やっと出られたー!」と言わんばかりに飛び出します。

グラスに注ぐと、底から小さな泡が立ち上って、
キラキラ、シュワシュワと踊り出す。

つまりあの泡は、
酵母ちゃんの頑張りと、密室での我慢大会の結果なのです。

ーー泡の作り方は、ざっくり3種類

スパークリングワインとひとことで言っても、
泡の作り方はいくつかあります。

難しい名前を並べると眠くなってしまうので、
ここではざっくり3つだけ。

ひとつ目は、瓶内二次発酵

名前だけ聞くと少し難しそうですが、
簡単に言うと、瓶の中で泡をつくる方法です。

一度できあがったワインを瓶に詰めて、
そこにもう一度、酵母ちゃんと糖分を入れます。

そして瓶にしっかりフタをして、
中で二度目の発酵をさせます。

イメージとしては、
瓶の中に酵母ちゃんを再出勤させる感じです。

「今日で仕事終わりだと思ったのに、もう一回ですか!?」

みたいな顔をしている酵母ちゃんが、
瓶の中でまた糖分を食べて、アルコールと炭酸ガスを生み出してくれる。

でも、瓶はしっかり閉じられた密室です。
炭酸ガスは外に逃げられません。

行き場を失った炭酸ガスは、
ワインの中にぎゅっと溶け込んでいきます。

その結果、きめ細かく、繊細な泡が生まれます。

さらに、酵母ちゃんが瓶の中で長く一緒にいることで、
パンやナッツのような香ばしい香りが出ることもあります。

シャンパンも、この瓶内二次発酵で造られる代表的なスパークリングワインです。
ただし、シャンパンについて話し出すとかなり長くなるので、
その話は次回ゆっくりしますね。

ふたつ目は、シャルマ方式
別名、タンク内二次発酵とも呼ばれます。

これは、瓶ではなく、
大きな密閉タンクの中で泡をつくる方法です。

やっていることは、瓶内二次発酵と少し似ています。
一度できあがったワインに、酵母ちゃんと糖分を加えて、
もう一度発酵させる。

ただ、その場所が「瓶の中」ではなく、
「大きなタンクの中」なんです。

たとえるなら、
瓶内二次発酵が個室のカラオケなら、
シャルマ方式は大きなパーティールーム。

酵母ちゃんたちがみんなで集まって、
わいわい発酵してくれるようなイメージです。

この方法は、果実のフレッシュな香りを残しやすく、
軽やかで飲みやすい泡になりやすいと言われています。

イタリアのプロセッコなどに使われることが多い方法です。

みっつ目は、炭酸ガス注入方式

これは名前の通り、
できあがったワインに炭酸ガスを加えて、
シュワシュワにする方法です。

たとえるなら、ワインにソーダの力を借りる感じ。

瓶やタンクの中で酵母ちゃんにもう一度働いてもらうのではなく、
あとから炭酸ガスを入れて泡をつけます。

もちろん、これが悪いというわけではありません。

カジュアルに楽しめるものもありますし、
価格も手に取りやすいものが多いです。

ただ、酵母ちゃんが瓶やタンクの中で二度目のお仕事をした泡とは、
香りや味わいの深さが少し違って感じられることもあります。

同じ「泡」でも、
・瓶の中でじっくり生まれた泡。
・タンクの中で軽やかに生まれた泡。
・あとから炭酸ガスを加えて生まれた泡。

どうやって泡をつくったかで、
泡のきめ細かさや持続力、口当たり、
そして香りや味わいの雰囲気まで少しずつ変わってくるんです。

次にスパークリングワインを飲むときは、
ぜひラベルや説明に書かれている言葉を少しだけ見てみてください。

「瓶内二次発酵」
「シャルマ方式」
「炭酸ガス注入方式」

もしこの言葉を見つけたら、
グラスの中の泡がどうやって生まれたのか、
少し想像できるようになるかもしれません。

ーー日本酒にも、泡がある

ここで少しだけ、日本酒の話も。

実は、泡があるお酒はワインだけではありません。

日本酒にも、口の中でやさしくシュワッとする「微発泡」のものや、
しっかり泡立つスパークリング日本酒があります。

日本酒は、お米を原料にして造られるお酒です。

前回の記事でも少し触れましたが、
お米は、ぶどうのように最初から糖分をたっぷり持っているわけではありません。

なので日本酒づくりでは、まず麹の力で、
お米のでんぷんを糖に変える必要があります。

これが、前回ちらっと出てきた”糖化”です。

そして、その糖を酵母ちゃんが食べて、
アルコールと炭酸ガスを生み出していきます。

ワインより少し工程は複雑ですが、
ここでもやっぱり、酵母ちゃんが大活躍しています。

では、日本酒の泡はどうやって生まれるのか。

これも、実はいくつか方法があります。

発酵の途中で生まれた炭酸ガスを、
できるだけお酒の中に残すタイプ。

瓶の中で発酵が続くことで、
自然に泡が生まれるタイプ。

そして、できあがった日本酒に、
あとから炭酸ガスを加えるタイプ。

ワインとまったく同じではありませんが、
「発酵で生まれたガスをどう扱うか」
という意味では、少し似ているところがあります。

お米が日本酒になる。
ぶどうがワインになる。
そして、その中で泡が生まれる。

そう考えると、
グラスの中のシュワシュワは、ただの炭酸ではなく、
酵母ちゃんの発酵という小さな生命活動の跡なのかもしれません。

ーーおわりに

スパークリングワインの泡は、
ただのキラキラした飾りではありません。

酵母ちゃんが糖分を食べて生まれたガスを、
逃がさずに閉じ込めることで生まれる、
小さな魔法のようなものです。

瓶の中でじっくり生まれる泡。
タンクの中で軽やかに生まれる泡。
あとから炭酸を加えて楽しむ泡。
そして、日本酒の中に生まれるやさしい泡。

泡の作り方を知ると、
次にグラスを見たとき、少しだけ違って見えるかもしれません。

「この泡、どうやって生まれたんだろう?」

そんなふうに思えたら、
ワインの時間はもっと楽しくなる気がします。

次回は、今回少しだけ触れた
「シャンパンって結局なにが特別なの?」
というお話をしてみようと思います。

シャンパン、フランチャコルタ、カヴァ、プロセッコ。
名前は聞いたことがあるけれど、違いはよくわからない。

そんな世界のスパークリングワインたちを、
できるだけわかりやすく整理してみます。

それでは、また。
あなたに合う1本が見つかる日まで。

すい🍷

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