🌹**【願い】**第三章(7) 春 とし君とのお別れ
これは、暗闇のどん底から、
色々な人に助けてもらいながら、
自分自身で這い上がってきた
”エナ”
という一人の女性の物語です。
自分を否定し、暴力を経て、
誰にも相談できない子育てのしんどさ、病気…
それでも人は
__心から幸せだと感じられるようになる__
エナの ”生きて” きた道
『願い』全五章
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とし君とのことは、私の過去として切っても切り離せないこと。
だから、聞きたくないだろうとは思いながらも、はる君には軽く話していました。
毎年一人で行っていたお墓参りでしたが、この年の命日には結婚の報告も兼ねて、二人で一緒に行くことに。
はる君のカーナビに『桜町霊園』とセットし、出発して一時間。
田舎道の、のどかなその場所に着きました。
夜には天の川が見えると言われる土地でした。
温かくてやわらかい春の風が吹いている。
そんな優しい空気に包まれながら、私とはる君は墓石の前につきました。
お線香からの煙を見上げ、手を合わせると、どうしても泣いてしまう。
会えない寂しさじゃない、いなくなった悲しさじゃない、なんで溢れるのかわからない涙がこぼれてしまう。
その時に、堪えるように私を見ていたはる君と目が合いました。
その顔を見て私は決めました。
「ここに来るのはもう最後にしよう」
とし君、私は幸せにやっていくよ。
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