🌹**【願い】**第三章(6) そして家族に
これは、暗闇のどん底から、
色々な人に助けてもらいながら、
自分自身で這い上がってきた
”エナ”
という一人の女性の物語です。
自分を否定し、暴力を経て、
誰にも相談できない子育てのしんどさ、病気…
それでも人は
__心から幸せだと感じられるようになる__
エナの ”生きて” きた道
『願い』全五章
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続き↓
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それが ”普通のそれ” なのかはわかりませんが、私たちはなんとかすごしていました。
秋にさしかかるまだ暑い頃、入籍まであと数日という日のこと。
仕事から帰り玄関を開けると、はる君が手に大きな箱を持って、お出迎えをしてくれました。
「ちゃんとプロポーズしてないから改めてさせて」
「え、なになに!そんなんしてくれるん!?」
びっくりして嬉しくて。
テーブルの上でその大きな箱をあけました。
するとです。
市販の二段に分かれたケーキ用スポンジに、
果物を飾るでもなくクリームを塗るでもなく、
プレートを飾るでもなく、
おそらく手に持つのも初めてであろうチョコホイップを使って、
ものすごくぐちゃぐちゃな字で、
これ以上ないぐらい下手くそな字で
『けっこんしてください』
と書いていました。
………
私は冷蔵庫からはる君が使ったチョコホイップを取り出し、
もう半分のスポンジに、
これ以上ないぐらい華麗な字で
『はい』
そう書きました。
……
あ、こんなはる君だからこんな私を好きになってくれたのか。
こうして私たちは結婚しました。
別にしなくても良いと思いながらあげた結婚式は最高でした。
こんなにたくさんの人に、自分達の幸せをお祝いしてもらえるなんて。
それまでの人生で一番幸せな日だったかもしれない。
そして新婚旅行、はる君は自分はやっぱり全く興味のない、私の好きな巨岩を見に、ヨーロッパのへき地まで一緒に行ってくれました。
私が一生に一回は見たいとずっと思っていた夢を叶える事ができました。
一緒にいてくれるだけでも感謝なのに、本当に私の人生なのかと、違和感を覚えるぐらい幸せでした。
