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🌹**【願い】**第三章(5) 結局私が頼るのは…


これは、暗闇のどん底から、
色々な人に助けてもらいながら、

自分自身で這い上がってきた
”エナ”
という一人の女性の物語です。

自分を否定し、暴力を経て、
誰にも相談できない子育てのしんどさ、病気…

それでも人は

__心から幸せだと感じられるようになる__

エナの ”生きて” きた道

『願い』全五章


初めての方はこちらからご覧ください↓


前回のお話はこちら↓


続き↓
******


しばらくして私は引っ越しをして、正式に二人で暮らすようになりました。

二人で暮らすのもやっぱり楽しくて。


はる君が出張や帰省の時に使うかばんに、私のパンツをこっそりと忍ばせたり、これからはる君が着ようとしている服を裏返したり、そんな私のおふざけをはる君も楽しんでくれていました。

たぶん。


そしてすぐに結婚の話が出ました。

ものすごく緊張したけど、無事お互いの両親への挨拶もすみ、穏やかな日々を送っていました。

私が結婚するのか…
なんだか信じられないような感覚で、でも、本当に幸せでした。



そう、この時までは…

___


夏に入り、結婚まであと一ヶ月という頃。

私は共通の友達と話している時に、はる君の過去の恋愛話を聞いてしまったのです。

相手は私も顔だけは知っている女の子でした。
過去のこととはわかっているのにふつふつと湧いてくる嫉妬。


それは…

はる君が泊まりで出張にでかける暑い日の事でした。

はる君と離れる事に感じる不安。

心にしまっておきたかった嫉妬心をだんだんと抑えられなくなり、朝ごはんを食べながら聞いてしまいました。

「はる君、あの子と付き合っててんてな」

はる君は、気まずそうに

「え?うん、そうやけど…」

最初は静かに話していたのに、だんだんと抑えられなくなる感情。


「何であの子と付き合ってたんよ!じゃあなんで私を好きになったんよ!」

過去の事だからどうにもできないはる君も、どうしようもなくなって

「じゃあどうしたらいいねん!俺にどうしろって言うねん!」


はる君の怒る顔を初めて見ました。

そんな喧嘩がしばらく続き、泣きじゃくる私を見てはる君は呆れていました。


もう、側に来ようとはしてくれませんでした。



「もう出なあかんから行くわ」



そして、立ち上がり言いました





「こんなんでほんまに結婚できるんかなぁ……」




……



あ、


もうだめだ



やっぱり私は、変われない。



……




はる君はそのまま出張かばんを持ちました。

そして、財布を入れようとそのかばんのチャックを開けると、








パンツがありました。




朝、早起きして、しめしめと仕込んでおいた、




私の、

お気に入りの、

オレンジ色の、







パンツがありました。





………




フリーズするはる君。




やっぱり泣きじゃくっている私を見て、はる君はやっぱり呆れていました。
そして今度は側に来てくれました。
頭をやさしく”ポン”とはたかれました。




「もう…なんやねんこれ…」




私たちは仲直りしました。


……



かつてポッケに強い精神薬を忍ばせていた私が、今度はかばんにパンツを忍ばせるようになっていた。



何ではる君がこんな私を好きになってくれたのか、今でもわからない。



____



喧嘩をしてもちゃんと仲直りができる。

パンツで仲直りができる。


こんな恋愛初めてでした。




そっか、これが

”普通のそれ”

やったんや。




いや、ちがうと思う。





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