妄想は香りになる。「匂い袋かんざし」編 E∞Cトライアル かんざしラボ エピソード#002 ー 好きから始める、わたしの冒険記 第11回
すき∞らぼの E∞Cトライアル。
第1回では、ひとつの“妄想”から始まった物語をご紹介しました。
「かんざしに匂い袋をつけてみたら、面白いかも」——。
ほんの思いつきから、香りと装いの未来を探る旅が始まったのです。
このプロジェクトは、「何かを完成させる」ことが目的ではありません。
私たちが大切にしているのは、エフェクチュエーション(E)とコーゼーション(C)の行き来。
すでに手の中にあるものから始め、理想に向かって試行錯誤しながら、また今あるものを見直していく。
今回は、その旅の“2歩目”を記録します。
香りをどうやって、身にまとう?
最初の発想はとても素朴でした。
「香りを、かんざしに仕込めないだろうか」
香りを“まとう”という日本的な行為に、
伝統的な装飾品であるかんざしを組み合わせてみる。
それだけで、どこか凛とした佇まいが浮かびました。
けれど、話を深めていくうちに、さまざまな問いが立ち上がってきました。
着物じゃないと似合わない?
肌に直接触れたら、刺激になるかもしれない?
香りって、どんなふうに届くのが心地よいんだろう?
妄想から始まったプロジェクトは、
いつしか「香りをどう届けるか?」という本質的な問いへと進化していきました。
“香りの実験者”美根さんとともに
香りの選定と試作を担っているのは、アロマセラピーの専門家・美根さん。
和精油や洋精油の違い、素材ごとの香りの拡がり方、精油の安全性など、
感性と知識をフル活用して、日々実験が進んでいます。
たとえば……
精油が肌に直接触れると、刺激になる可能性が高いので避けるべき
厚手の布では香りが通りにくくなることも
アロマビーズやセラミックは香りを保ちやすいが、加工が難しい
天然木は和精油と相性が良いが、吸収が早く持続性は未知数
一つひとつを試しては考え直す。
“作る”というより、探るようなプロセスが続いています。
着物にこだわらず、香りを自由に
「かんざし=着物」の構図にこだわりすぎず、
もっと自由に香りを楽しめる形があるのではないか?
そんな問いも自然と浮かびました。
街では、髪留めを外してカバンに無造作につけている女子高生を見かけたりします。
香りもまた、“決まった場所に使うもの”という固定観念から解放されていい。
ヘアクリップやバレッタに香りを仕込む
バッグチャームとして使う
帯飾りのように揺れる香り
ピアスやイヤリングに応用(※肌に直接触れない設計で)
香りのかたちも、日常の動きにあわせて変わっていいんです。
アクセサリーは手段、香りが主役
あくまでこのプロジェクトの主役は「香り」。
ピアスやかんざしは、その香りをどう届けるかの“手段”にすぎません。
だからこそ、自分の生活や感性に合った届け方を、
自分自身で選べるのが理想です。
自分でつくる、自分に香る
そして今、香りと装いを“自分でつくる”場として、
ワークショップの構想も広がりはじめています。
和精油や洋精油を自由にブレンド
アロマストーンや天然木にしみ込ませる
和柄の袋や装飾パーツを選んで組み合わせる
つまり、香りが“選ぶもの”から“育てるもの”になる体験。
これを通して、自分らしさにそっと寄り添うような香りが生まれるかもしれません。
EとCのあいだで、ゆらぎながら進む
このプロジェクトの核にあるのは、
エフェクチュエーション(E)とコーゼーション(C)の行ったり来たり。
E:手元にある素材を使って実験
C:こうあってほしいという理想に向かって再設計
またEへ:新たな素材を試して、次の仮説を立てる
この “ ゆらぎ ” こそが、すき∞らぼが育てたい創造のスタイルです。
妄想の続きを、また次回に
第1回で生まれた妄想は、今、香りの素材や届け方へとじわじわと広がりを見せています。
次回は、試作品の写真や香りのテスト結果なども含めて、“ つくってみた ” の手応えを共有できればと思っています。
すこしずつ、やさしく、香りの輪郭が立ち上がってきています。
どうぞ、次の“ゆらぎ”もお楽しみに。
✿ すき∞らぼは、創造のゆらぎを楽しむラボです
「好き」からはじまり、「∞」へとひらかれる。
エフェクチュエーションとコーゼーションを往復しながら、
まだ名前のない価値を、遊びながら試してみる。
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