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なぜ「かわいい」と言われると日本人は否定するのか

「かわいいね」

そう言われた時、あなたは何と返すだろうか。

おそらく多くの日本人は、

「いえいえ、とんでもないです」

「全然そんなことないです」

「やめてくださいよ」

と返すのではないだろうか。

褒められているはずなのに、
なぜか素直に受け取れないという人が
多いのではないだろうか。

むしろ否定しないと
失礼になるような気さえしている人もいる。

しかし、アメリカの文化に触れる中で、
この反応は決して世界共通ではない
ことを知った。

アメリカでは、

「You are beautiful.」

「You look cute today.」

と言われたら、

「Thank you!」

と笑顔で返す人がほとんどだ。

そこに照れはあっても、
自分を否定するような返事はあまりしない。

なぜ日本人は褒め言葉を否定し、
アメリカ人は素直に受け取るのだろうか。


日本には「謙遜」の文化がある

この違いの背景には、
日本特有の謙遜文化がある。

日本では昔から、

「出る杭は打たれる」

「謙虚であることが美しい」

という価値観が大切にされてきた。

自分を高く評価することは、
どこか傲慢な印象を与えてしまう。

そのため、

「かわいいね」

と言われた時に、

「ありがとう」

と返すと、

「自分でかわいいと思っているの?」

と受け取られることを恐れる人もいる。

だから無意識のうちに、

「そんなことないです」

と否定する。

日本人にとっては、それが礼儀であり、
相手への配慮でもあるのだ。

本当に否定したいわけではない

しかし、よく考えてみると少し不思議である。

相手は好意を持って褒めてくれている。

それなのに、

「全然かわいくないです」

と返してしまう。

もし相手が心を込めて選んだ
プレゼントを渡してくれた時、

「そんなものいりません」

と言ったら失礼に感じるだろう。

それと同じように、
褒め言葉も相手からの贈り物だ。

本来であれば、

「ありがとう」

と受け取っても良いはずである。

もちろん、
日本人は相手の言葉を否定したいわけではない。

ただ、小さい頃から身についた
謙遜の習慣がそうさせているのだと思う。

アメリカでは褒め言葉を受け取ることが礼儀

一方、アメリカでは少し考え方が違う。

褒められた時に

「ありがとう」

と答えるのは、

「私は完璧です」

と言っているわけではない。

相手の好意を受け取っているだけなのだ。

むしろ、

「そんなことないよ」

と何度も否定すると、

「せっかく褒めたのに」

と思われることもある。

アメリカでは、
褒める側も、
褒められる側も、
ポジティブな気持ちを共有することを
大切にしている。

だから、

「ありがとう」

という一言で会話が気持ちよく終わる。


自己肯定感との関係

私は、日本人の自己肯定感の低さには、
この文化も少なからず関係していると思う。

日本人は自分の欠点を見つけるのが上手だ。

謙虚であることは素晴らしい。

向上心にもつながる。

しかし、その一方で、

自分の良いところを認める機会が少ない。

褒められても否定する。

成功しても、

「まだまだです」

と言う。

すると、
自分自身もその言葉を信じるようになる。

逆に、

「ありがとう」

と受け取る習慣があるとどうだろう。

最初は照れくさいかもしれない。

しかし、

「そう見えているんだな」

「そんな良い部分もあるのかもしれない」

と少しずつ自分を認められるようになる。

自己肯定感とは、

自分を完璧だと思うことではない。

欠点も失敗もあるけれど、

「それでも自分には価値がある」

と思えることだ。

「ありがとう」は傲慢ではない


私は、できるだけ

「ありがとう」

と言うようにしている。

続けているうちに気づいたことがある。

「ありがとう」

と言うことは、
自慢でもなければ傲慢でもない。

相手がくれた好意を受け取ることなのだ。

そして同時に、

自分自身を少しだけ認める行為でもある。

日本の謙遜文化は素晴らしい。

だからそれを否定するつもりはない。

ただ、

「かわいいね」

と言われた時に、

「いえいえ」

ではなく、

「ありがとう」

と言える人が増えたら、
もっと自分に優しくなれるのではないだろうか。

せっかく誰かが見つけてくれた
自分の良いところを、
自分まで否定してしまう必要はないのだから。

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