100本という数字が、ただの数字ではなくなった。|創作大賞感想
100日後にそろばん完全マスター!さんの『どうしても、そろばんを100本のYouTubeで教え切りたかった』に、圧倒された。まず、こんな出だしで始まる。
そろばんを100本の動画で、一年で、本気で、教え切ろうと思いました。
全動画に、日本語字幕と英語字幕を入れ、世界のどこかの「わからない」を「わかった」に変えようと決意しました。
1行目に「本気」と書いてある通り、100日後にそろばん完全マスター!さん(以下、マスターさんとお呼びする)の取り組みは、本気でないとできないと感じた。
そろばんへの情熱は、簡単に真似できるものではない。「そろばんを世界に広めたい」とおぼろげに思っている人とは違う。何となくではない、本気の人だからこそ、100本という数にこだわったのだろうし、作り切ったのだろう。
最初に100本の案を考えたというところで、ただただすごいと思った。さらに、1本の動画を作るのに2日~2週間かかったとのこと。しかも、BGMは自作。動画の作り方は独学。字幕(日本語・英語)・編集もひとりで行っている。これらを知ったら、100本という数は、ただの数字ではなくなった。
私が感じたすごみは、圧倒的な作業量だけではない。
能力ではなく、順番や説明で人はつまずく。
それを一つずつ潰していくような作業だからだ。
画像も多くて、親切な作品だ。膨大なそろばんや数字の画像の中に、たまに出てくる愛猫ちゃん。その写真に心が和む。
試しに、第1回目の動画を見てみた。
そろばん初心者の私でも、数を読むことは出来そうな気がした。実際、最後の練習問題は、全問正解できた。
マスターさんは、指導者としても優秀な方なのだと思う。教えるツボがわかっているから、動画の台本を作ることが出来るのだろう。
そして、みなぎるそろばんへの愛。
その執念の源は、いったい何なのだろうか。
作品の分量があるのに、すいすいと読みやすいのも素晴らしい。誰にでもできることではない。
淡々と静かに動画を作り続けたマスターさんの偉業に、ただ圧倒された。「本気」という言葉の重みを、思い知らされた。
