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70歳になっても子ども。100歳の親を介護する子どもの心理

📖 文献情報 と 抄録和訳

70歳になっても子供:百寿者の母親を介護する高齢者の複雑さ、負担、そして得るもの

Macedo, Typhanie, Liliana Sousa, and Oscar Ribeiro. "Aged 70 and still a child: complexities, strains and gains of older children caring for their (near) centenarian mothers." Age and ageing 51.1 (2022): afab204.

🔗 DOI, PubMed, Google Scholar

🔑 Key points
- 超高齢の親を介護する高齢の子どもは、介護者夫婦のサブグループを構成することが多くなっている。
- 強い自己制限と付加的なケアのために、受け手はケア提供に関与するエージェントの複雑なネットワークを必要とする。
- 高齢になった子どものアイデンティティを拡張することは、「予期せぬ経験」として生き、誇りと喜びの重要な源となる。
- 介護の役割を放棄するのは、介護を受ける人の死に直面したときだけで、「死が私たちを引き裂くまで」起こることが予定されている。

[背景・目的] 長寿になると介護をする機会が増えるため、高齢の親や自分のパートナーを介護することは、先進国ではますます一般的なシナリオになってきています。研究目的は、超高齢介護者の介護要求と、そのような高齢になっても子供としてのアイデンティティを維持する経験を探ること。

[方法] 質的研究。対象者95歳から105歳の母親を介護する70歳以上の参加者15名(男性4名)。調査方法半構造化面接をテーマ別に分析した。

[結果] 介護者は、自己制限と介護の必要性という二重の負担に直面しながらも、「死が二人を引き裂くまで」母親を介護することを望んでいる。肯定的な面では、母親が生きていることに「幸せ、感謝、誇り」を感じている。また、高齢になっても子供であることを維持することは、思いもよらないことであったが、重要な誇りであったと述べている。

✅ 子どもたちの生の声
私ができる限り、彼女はこの家にいるつもりです。どこにも(施設に)行ってほしくないんです。私たち(子どもたち)はどこにも行かせるつもりはないし、私も行かせたくはない。
時々、自分自身を、主に健康に関して、大切にしたいと思うことがありました。でも、今はできない!できないんです。
私には義務はなく、母の面倒を見る義務があります。(私が幼い頃、必要なときにたくさん助けてもらったからです。(中略)たとえ母が寝たきりになったとしても、それは義務でしょう。誰が助けてくれたとしても、その人のそばにいること、決して見捨てないこと、そういう気持ちを持つべきです。
もっと家族と一緒にいたい。(中略)一緒にいると時間が経つのが早く、頭が軽くなり、幸せな気分になり、ほっとする。
喫茶店に行くにも、散歩に行くにも、自由がないのです。(中略) 刑務所での生活です。私の人生は4年前に止まったままです。

[結論] これらの結果から、高齢者介護の夫婦は、親孝行の延長線上にある強い感情によって形成された関係を特徴とし、さらに理解を深めるべき家族の特徴を構成していることが示唆された。また、これらの介護者は、介護を提供する複数の主体(二次的介護者)や存在に対処する際に直面する課題も明らかにされた。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

先日、プロフェッショナル仕事の流儀「となりのプロフェッショナル〜推し活の流儀〜」をみた。アイドルやお笑い芸人を推し活する人々に密着した、とても興味深い内容だったのだが、その中で、推し活には共通する3つのフェーズがあることに気がついた。

✅ 推し活動の3 phase transformation:推し活者の凹→凸への変化
1. 凹み段階:人生の落ち込み、クボみ(内向的、人生の障壁)
2. フィット段階:推し対象(アイドル、お笑い)から力をもらう
3. 相利共生段階:推し活により与えることで、自分が元気になれる(推し活者自身が凸となる)

このフェーズの中で注目すべきは、推し活者が凹(受ける者)→凸(与える者)に成熟していくことだ。逆に、推し側(アイドルや芸人)は、次第に凹(受ける者)の役割が強くなっていく。
介護-非介護者関係にも、類似したフェーズ移行があると思った。小さな子どもの時は凹(受ける者)だったが、成人し、独立して次第に凸(与える者)になっていく。親は、次第に凹(受ける者)の役割が強くなっていく。

だが、その移行がうまくいかなかったり、異なる葛藤を生じたりする場合があることをこの論文から学んだ。
ざっくり、3つの型に分かれるのではないだろうか。

✅ 介護-被介護者関係の3つの型
- 成熟型:凹凸関係が正常に経年変化(生の声①、③、④)
- 未熟型:凹凸関係が正常に経年変化せずどちらも凹のまま(生の声⑤)
- 別方位型:凹凸は成熟したが、凸の方向が別を向いた状態(生の声②)

未熟型には親と子ども、両者への介入が必要かもしれない。
そして、『別方位型』こそ、医療専門職による支援がもっとも威力を発揮するだろう。
「俺には俺の仕事がある(需要A)。でも親父も放っておきたくはない(需要B)」
需要Aと需要Bは、拮抗する需要であり、一見、共存できないように見える。
だが、例えば夜と週末だけ自宅に帰ってきて、仕事以外の間は親父に親孝行して、その他の時間はすべて仕事に使えるとしたら?
第3案の立案
これには、各サービスや地域資源の専門的な知識と、需要を明らかに捉える情報収集力と、設計力とが求められる。需要に応じるだけでなく、『相反する需要、そのどちらをも満たせる1つの案』を。

一つのパラダイムで難しいか不可能なことが、別のパラダイムでは簡単な、いや取るに足らぬことになる。
―ジョエル・バーカー

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