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新品服とシミの、運命の赤い糸

新しい服って、特別な魔法を持っていると思うの。袖を通した時の、あのちょっとした高揚感。まだ誰も袖を通していない、自分だけの新しい一着。街を歩くのが、なんだか少しだけ楽しくなったりする。
 
特に、お気に入りのデザインを見つけた時や、ちょっと奮発して買った服は、それはもう宝物みたいに大切に扱おうとするじゃない? クローゼットの中で一番目立つ場所に吊るしたり、着る日を心待ちにしたり。
 
でもね、私にはどうやら、「新品の服を着た瞬間に、何かしらのシミをつける」という、特殊能力が備わっているようなの。もはや、才能と言っても過言ではないレベル。
 
それは、まるで運命の赤い糸で結ばれているかのように、新しい服とシミは、出会うべくして出会ってしまう。
 
例えば、初めて着た白いブラウス。カフェでアイスコーヒーを飲んだ、その一口目で、見事に胸元に茶色のシミが...。え? まだ一口も味わってないんだけど? って、心の中で叫んでも、時すでに遅し。シミは、まるで生まれた時からそこにいたかのように、堂々と居座っている。
 
お気に入りのワンピースで、少しおしゃれなレストランに行った時もそう。運ばれてきたトマトソースパスタの、跳ね返りの一滴が、まるでスローモーションのように私のワンピースに降り注ぐの。「あ、やばい!」って思った時には、もう遅くて。鮮やかな赤色のシミが、無情にも広がっていく。
 
一体、私の体のどこに、そんなシミ製造工場が内蔵されているんだろう? って、真剣に悩んだこともある。もしかしたら、私の周りだけ、時間の流れが歪んでいて、シミだけが未来からやってくるのかもしれない、なんてSFチックな妄想をしてみたり。
 
しかも、不思議なことに、何年も着古した服には、ほとんどシミなんてつかないのよね。もはや、シミの方も「こいつからは、もう搾り取るものはない」って悟っているみたいに。
 
この「新品即シミ」の才能のせいで、私はいつも、出かける前に汚さないように...緊張する。「今日は、何色のシミを連れて帰ってくることになるんだろう…」って。まるで、今日の運勢を占うみたいに。
 
でもね、最近、ふと思ったことがあって、もしかしたら、このシミは、私の人生の勲章なのかもしれないって。
 
新しいことに挑戦した証。美味しいものを夢中で食べた証。ちょっとドジな私を、優しく記憶してくれる、小さなサインなのかもしれない。
 
もちろん、お気に入りの服にシミがつくのは、やっぱり悲しいし、できることなら避けたい。シミ抜き洗剤を常備して、秒速で応急処置をするスキルも、気がつけばレベルアップしている。
 
それでも、完全にシミを防ぐことは、きっと私には無理なんだろうな。まるで、生まれた時から背負っている宿命みたいに。
 
だから、これからは、シミがつくことも含めて、新しい服との出会いを楽しもうと思う。どんな色の、どんな形のシミが、私の思い出のページを彩ってくれるのか。それはそれで、ちょっと面白い冒険なのかもしれない。
 
ふふ、今日も私は、新しい服を着て、シミとの運命的な出会いを果たしてくるわ。どうか、今日は控えめなシミでありますように!


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