27-1.そして退院へ…前編【すっとんきょうな出来事 〜精神科に入院した私の記録〜】


※この記録は実体験をもとに書いています。登場人物はすべて仮名とし、個人が特定されないよう、一部の設定や時系列などの細部を変更しています。

おはようございます。
スットンキョウと申します。

いよいよ退院エントリです。

長かった冒険の旅も、終わりを迎える時が来ました。

急性期病棟は最長3か月入院できますが、私の入院期間は3週間。

閉鎖病棟、しかも急性期病棟としては、かなり短いほうだったと思います。

ほかの皆さんの話を聞いても、1か月半〜3か月くらいの方がほとんど。

「もう退院なの!?」と驚かれたり、羨ましがられたりすることも多くありました。

どうやら村人(患者)たちの情報によると、精神科の入院には「医療保護入院」と「任意入院」という区分があるらしく。

私は「入院したいです」と自分の意思で希望した任意入院。

なんなら、自分が「退院したい」と言えば、形式上は退院できるらしかったのです。

そうなの!?

あんなに「退院したい、退院したい」と思っていたのに、形式上はいつでも退院できると知って拍子抜けでした。

とはいえ、脳と身体の回復が何より大切。

焦って退院しても仕方ありません。

主治医と相談しながら退院日を決めましたが、その判断は間違っていなかったと思っています。

入院の形式については、あとから改めて調べてみました。

精神科の入院は大きく3種類あります。

① 任意入院

本人が自分の意思で入院する方法。

一般的な病院への入院と同じように、本人の同意が前提です。病状が落ち着けば、自ら退院を希望することもできます。外出や外泊も許可されやすい入院形態です。

② 医療保護入院

本人が入院に同意していない場合でも、精神保健指定医が「入院治療が必要」と判断し、家族などの同意を得て行われる入院です。

目的は、病状の回復を図ることです。

③ 措置入院

精神疾患の影響で、自分自身や他人を傷つける重大なおそれがあると判断された場合に行われる入院です。

精神保健指定医の診察を経て、都道府県知事などの決定によって入院となります。本人や家族の同意は必要ありません。



精神科の入院というと、「みんな同じ入院」と思われがちですが、実際には入院の理由や手続きは大きく異なります。

医療保護入院で、退院したくてもできずに過ごしている方もたくさんいます。

だからこそ、任意入院だからといって「私はいつでも退院できるんだよ」などと口にするのは、マナー違反だと私は感じました。

私は一泊二日の外泊が無事に終わったことで、翌週の土曜日に退院することになりました。

主治医が状態を見て「大丈夫」と判断してくださったこと。そして、実家に預けている子どもたちのことが気になっていたので、私から希望日を伝えてお願いしました。

退院のことは、あまり早く話すと複雑な気持ちになる人もいるかもしれないと思い、ほかの患者さんには3日前くらいに伝えようと考えていました。

なのに。

なのになのに。

麻雀をしているところへ、看護師さんがトコトコとやってきて、

「今度の退院のことで、少しお話いいですか?」

と、みんなの前で声をかけてしまったのです。

「えっ、退院するの!?」

驚くみんな。

そうだよね。

焦りながら、その場をなんとか取り繕いました。

別に隠すようなことではないのですが、やっぱり自分の口から伝えたかったなぁ。

私の退院3日前には、女子刑務所のボスが一足先に退院することになりました。

※実際にはムショ経験のない、とても優しい方です。

退院が近づいて緊張していたのでしょう。

話しかけるたびに、

「○月○日に退院なんだ。」

と何度も繰り返していました。

ボスに限らず、刺激の多いシャバの世界へ戻り、また日常生活を送れるのか。

皆、それぞれ不安を抱えています。

退院したい気持ちと、不安とのジレンマですね。

そんなボスの退院の日には、ほっこりする出来事がありました。

外泊のときは、いつも髪を結ってくれる女の子がいて、ボスはかわいい髪型で病棟を出かけていました。

ところが退院当日、その子は外出中。

髪を結ってもらえません。

口には出しませんでしたが、ボスも少し寂しかったかもしれません。

そこで退院直前、その場にいたメンバーで髪をセットすることになりました。

手持ちのゴムやピンを使って何とか仕上げ、出発1分前に完成。

きれいな姿で送り出すことができました。

長く入院していて、人懐っこい方だったので、職員さんも含めて盛大なお見送り。

「自分もあと数日で、あっち側なんだな。」

そう思うと、涙がこぼれそうになります。

あぶない、あぶない。

ぐっとこらえました。

結構、涙もろい性格なのです。

一番泣きそうになったのは、退院前日に男性看護師さんへ挨拶をしたときでした。

50代くらいの落ち着いた看護師さんで、患者同士のトラブルがあったときも優しく対応してくださった、お世話になった方です。

退院することを伝えて挨拶をすると、

「頑張ってね。」

ではなく、

「無理はしないでくださいね。」

と声をかけてくださいました。

この病棟では、「頑張って」と言う看護師さんはいません。

こちらの事情をくみ取り、

「無理しないでね。」

「周りを頼ってね。」

そんな言葉を、いつもかけてくれます。

その優しさが胸にしみて、また涙がこぼれそうになりました。

でも、たった3週間の入院で泣くのもなんだか恥ずかしくて、必死にこらえました。

その看護師さんは、シフトが終わる直前にも、わざわざ挨拶に来てくださいました。

ここでの出会いは、本当に一期一会。

……そうでなければいけない。

なぜなら、また会うということは、再入院を意味するからです。

「またどこかで会えたらいいな。」

「でも、再入院は絶対にしない。」

そんな矛盾した気持ちを抱えながら、一人ひとりに挨拶をして回りました。

退院前には、仲良しだった患者さんと、主治医の先生、そしてOTの白石先生へ手紙を書くことにしました。

もともと、そういうことをするタイプではありません。

それでも、精神科を退院するという非日常が、私をそういう気持ちにさせたのかもしれません。

折り紙に鉛筆で、一枚一枚、感謝の気持ちを込めて丁寧に書きました。

さあ、準備は整いました。

いよいよ退院の朝を迎えます。

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スットンキョウ わぉ、こんなスットンキョウな私にチップを贈りたいと思ってくれたんですね。その気持ちだけで十分です。すみませんカッコつけました、チップぜひお願いします(土下座)

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