21-3. はじめての外泊 後編【すっとんきょうな出来事 〜精神科に入院した私の記録〜】
※この記録は実体験をもとに書いています。登場人物はすべて仮名とし、個人が特定されないよう、一部の設定や時系列などの細部を変更しています。
おはようございます。
スットンキョウと申します。
さぁ、外泊三部作もいよいよ最終話です。
あえて結論から言うと、
不穏な状態になりかけました。
でも、無事に病棟へ帰還。
RPGでいうと、パーティの1人が戦闘不能になり
残りのメンバーで何とか町までたどり着き
ベホイミをかけながら教会へ駆け込んだような感じです。
今回、不穏な状態になりかけた要因は2つ。
1. 「なんで今、このタイミングで!?」という人に
偶然会ったこと。
2. たまたま右翼の街宣活動が行われていて、
街中に不穏な音楽が鳴り響いていたこと。
私の病名は、
急性一過性精神病性障害。
どんな症状かというと、
偶然がいくつも重なると、不安が一気に膨らみ、
目の前の景色が違って見えたり、
友達や家族すら信用できなくなったりします。
ピークの頃には幻覚も見ました。
その時のことは、今でもはっきり覚えています。
今回の外泊ではそこまでの症状は出ませんでしたが、
「あ、ちょっと胸がザワザワする。」
そんな状態になりました。
何度か経験しているので、
「あ、これ私、ちょっと危ないな。」
という感覚は、以前より客観的に分かるようになっています。
そんな時は、クエチアピンという頓服を飲んで症状をやり過ごします。
⸻
今回の外泊では、まず予定どおりメガネを買いに行きました。
近所のショッピングモールへ。
外出の時に利用する患者さんも多い場所なので、
「誰か会わないかな〜。」
なんて、のんきな気持ちで買い物を楽しみます。
そうそう。
めんぼうと腕時計も買わなくちゃ。
まずは100円ショップへ。
めんぼうは無事に購入。
問題は腕時計でした。
100円ショップの腕時計が、
「あ、これ100円ショップだな。」
と分かるくらいには、なかなかダサいデザイン。
しかも100円じゃなく500円です。
購入は断念。
次に時計屋さんへ行くと、
一番安くても2,980円。
「もう病院ではラウンジの時計を見るか、人に聞けばいいや。」
そう判断して、腕時計は見送りました。
買い物を終え、そのまま帰宅しようかという話になりましたが、
スーパー銭湯へ行くことに。
実家の母に話すと、
「外泊中に何かあるといけないから、
スーパー銭湯はやめなさい。」
と返ってきました。
「はい。」
とLINEで返事をして、
スーパー銭湯へ向かいます。
ごめんなさい、お母さま。
スーパー銭湯に着いてみると、
確かに母の言うとおりでした。
久しぶりのシャバで、いきなりスーパー銭湯。
なんだか緊張してきます。
もしお風呂で倒れたりしたら。
そんなことを考えてしまい、
心からゆっくり楽しむ気持ちにはなれませんでした。
結局、身体をサッと洗って、少しだけ湯船に浸かって終了。
まぁね。
入院患者ですから。
初回はこんなものです。
それでも、久しぶりの銭湯は気持ちよかったです。
お風呂を出た後は、そのまま食堂で夕ご飯。
この時には、お酒をやめることを決めていたので、
飲み物はノンアルコールビール。
うーん、十分美味い!
1日外出録ハンチョウに自分を重ねます。

コンビニで売ってたので思わず買う
周りを見ると、子連れのお客さんばかり。
土曜日の夕方は、スーパー銭湯が定番コースのようです。
私にも3歳の双子がいます。
入院中は、遠方の実家で預かってもらっていました。
いつもなら、家族4人でバタバタしながら食べる夕飯。
3歳の双子相手では、落ち着いて食べる時間なんてありません。
この日は大人だけだったので、ゆっくり食事ができました。
でもそのぶん、
子どもたちは元気にしてるかなぁ。
そんなことを考えて、少ししんみりもしました。
帰宅後は薬を飲み、病院と同じように21時就寝。
なんて健康的。
しかも病院にいる時より、ぐっすり眠れました。
これは、とても良いこと。
家が「安全な場所」だと、頭がちゃんと理解していたのです。
翌朝は5時起床。
病院と同じように、6時25分からテレビ体操。
朝もゆっくり過ごし、実家へ送る荷物の整理や発送も余裕を持って終えました。
昼ご飯は駅前でランチ。
ちょうど自治体の商品券が配られていたので、
念願の焼肉です。
入院生活で少し疲れた身体に、お肉のおいしさが染み渡ります。
そして、その帰り道。
駅前で、本当に偶然、
まったく予期していなかった人に出会いました。
普段なら、
「あぁ、偶然だ。」
で終わる出来事です。
でも今は、精神科病院からの一時外泊中。
「なんで?」
という気持ちが頭から離れません。
私の場合、予想外の出来事が続くと、
「盗聴されているんじゃないか。」
「自分の行動が全部誰かに知られているんじゃないか。」
そんなふうに考えてしまいます。
『トゥルーマン・ショー』や『サトラレ』のような状態ではないか、と疑って怖くなるのです。
気持ちを切り替えようと、そのまま家へ向かいました。
ところが今度は、右翼の街宣車。
普段、この街では見かけません。
どうやら近くで政治的なイベントがあり、その影響で来ていたようでした。
街中に響く不穏な音楽。
それだけで、一気に怖くなります。
思わず家族の腕をつかんで歩きました。
何とか無事に家へ到着。
この時、頓服を飲んでもよかったのですが、
そこまでひどい状態ではなかったので、飲まずにやり過ごしました。
正直なところ、
「ここで頓服を飲んだら、退院が延びるんじゃないか。」
そんな気持ちもありました。
私は小さな子どもを預けていたので、
とにかく一日でも早く退院したかったのです。
結果的には薬を飲まなくても落ち着きました。
でも今振り返ると、
本来なら、退院日よりも自分の体調を優先して考えるべきだったと思います。
そんなこんなで、少しヒヤッとする出来事はありましたが、無事に外泊は終了。
予定では16時まででしたが、
シャバでやることもなくなったので、15時頃には病院へ戻りました。
模範囚です。
病棟に戻り、
メイクを落として、
いつものSHIBAHASHIブランドのコスチュームへ着替える。
ある意味、落ち着きます。
さて。
麻雀しよ。

取り急ぎ中編と同じ画像です
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わぉ、こんなスットンキョウな私にチップを贈りたいと思ってくれたんですね。その気持ちだけで十分です。すみませんカッコつけました、チップぜひお願いします(土下座)