3. 通貨はマスク? 【すっとんきょうな出来事 〜精神科に入院した私の記録〜】


※この記録は実体験をもとに書いています。登場人物はすべて仮名とし、個人が特定されないよう、一部の設定や時系列などの細部を変更しています。

おはようございます。
スットンキョウと申します。

さて、無課金ユーザー状態で病棟ダンジョンに放り込まれたわたし。

まずは情報収集です。

今は何時なのか。
何時に何をするのか。
ここはどういう場所なのか。

まずはそんな基本情報から集める必要があります。

4人部屋からのスタートでした。
仕切りのカーテンはすべて閉められていて、
同室の人がいる気配はするものの、
姿は見えません。

とりあえずベッドに腰掛け、
病院の生活案内に目を通します。

A4横の紙が2枚、ホチキス留め。

情報量はたっぷりですが、
入院直後で頭が追いつきません。

覚えているのは、

・院内ではマスク着用
・患者同士のモノの貸し借り厳禁
・ティータイムがある

くらい。

あとは「ふーん」と流していました。

すると横のベッドから、

「新しく入院した方ですか?」

と声が。

とはいえカーテンは閉めたままなので、
見えるのは上履きのつま先だけです。

入院への不安と、少しのワクワク。

そんな妙なテンションだった私は、
この場所をなぜか女子刑務所のように感じていました。

同室の人は、ムショの先輩。

失礼があってはいけない。

そんな完全なる錯覚のもと、会話を始めます。

横のベッドのまゆみさんは、
ゆっくり穏やかに話す方です。
初心者のわたしにも優しく接してくれました。

「院内ではマスク必須」と書いてありますが、
私は今つけている1枚しか持っていません。

なんせ手ぶら入院です。

「明日からどうしよう、マスク必須なんですよね。」

そうつぶやくと、まゆみさんが

「じゃあ、マスクあげるよー」

と言って、カーテンの下から

スッ

と未使用のマスクを差し出してきました。

その瞬間。

頭の中でアラートが鳴ります。

「あ、これ受け取ったらヤバい。」

なぜなら、さっき読んだ生活案内には、

患者同士のモノの貸し借り禁止

と書いてあったからです。

精神科では、物のやり取りがトラブルの原因になることもあるのでしょう。

初心者の私にとって、生活案内は絶対守るべき攻略本です。

それなのに、開始5分でルールを破ってくるまゆみさん。

私の脳内では、

ムショの危険な先輩

という設定になっていました。

怖いというより、

「いきなりルール破る人おるやん。」

と、少し面白くなってきています。

なるほど。

ここでの通貨はマスクなのか。

1マスク = 3000ペリカ = 300円。

そんなカイジ的経済圏を、一瞬で脳内構築。

そして頭の中のMy AIは、

受け取ったら舎弟確定

という結論を導き出しました。

「ありがとうございます。でも生活案内に貸し借り禁止って書いてあったので……。私はルールは守りたいタイプで……。マスクは何とかします。」

申し訳なさを全力で演出しながら、お断りしました。

(お互いカーテンは閉めたままなので、
演技は声だけです。)

まゆみさんは、

「あ、そっかー。」

と少し拍子抜けした様子。

その後、生活に慣れて知るのですが、

ルールには貸し借り厳禁と書かれていても、折り紙やハンドクリームくらいのちょっとした物なら、患者さん同士で普通に貸したりあげたりしていました。

もちろん程度問題ですが、それくらいのコミュニケーションは自然に生まれるんですね。

マスクは少し微妙なラインですが、私はすぐ家族に差し入れしてもらえたので、あのとき断った判断は、それはそれで正しかったと思っています。

ちなみに。

三日目くらいから、私はもうマスクをしていませんでした。

しかも誰にも注意されません。

なお、同室のまゆみさんは統合失調症だったようで、

「怒鳴り込まれたことがあるから気をつけてね。」

と後日、別の患者さんから教えられることになります。

それは、また別のお話。

AI生成したらすごいクオリティの漫画できたぞ 著作権大丈夫かこれ こわいので目線だけ入れました 実際には、まゆみさんカーテンの下から顔出してないです


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スットンキョウ わぉ、こんなスットンキョウな私にチップを贈りたいと思ってくれたんですね。その気持ちだけで十分です。すみませんカッコつけました、チップぜひお願いします(土下座)