23.いい感じの自分【すっとんきょうな出来事 〜精神科に入院した私の記録〜】
※この記録は実体験をもとに書いています。登場人物はすべて仮名とし、個人が特定されないよう、一部の設定や時系列などの細部を変更しています。
おはようございます。
スットンキョウと申します。
入院して2週間ほど経った頃、
OTで「元気回復行動プログラム」の体験会が
ありました。
もともとはアメリカで生まれた方法論で、
双極性障害を経験した女性が、
病気に苦しむ人たちが
どのようにリカバリーしているのかを研究し、
まとめたプログラムだそうです。
OT皆勤賞を掲げている私は、もちろん参加。
この日は女性ばかり7名が集まりました。
コの字型に並べられた机に、それぞれ座ります。
OTの先生は2人。
いつもの白石先生はサブで、
青木先生がメインファシリテーターでした。
プログラムの概要が説明されたあと、
「チェックイン」と称して簡単な自己紹介をすることに。
テーマは、
「私が毎日欠かせないこと」
病棟で顔見知りのメンバーなので、
改めて自己紹介をするのは
少し気恥ずかしいものです。
誰も手を挙げなかったので、
勇気を出してファーストペンギンをやることに。
※ファーストペンギンとは、群れの中で最初に海へ飛び込むペンギンのこと。天敵がいるかもしれない中、最初に行動することから、先陣を切る人のたとえとして使われます。
「スットンキョウといいます。
私が毎日欠かせないことは、おしゃべりです。」
閉鎖病棟に入院したものの、
毎日ラウンジに出ずっぱりだった私は、
自分がおしゃべり好きなんだと
改めて実感していました。
なので、テーマの答えは「おしゃべり」。
他の皆さんは、
・空気の入れ替え
・日記を書くこと
・髪をクリップで留めておしゃれをすること
・食べること、寝ること
・歩くこと
・ストレッチ
・ギター
などなど、実にさまざまな回答でした。
そして、プログラムが始まります。
この日は体験会ということで、簡単な講義とワークショップを行いました。
内容を一言でまとめるなら、
「いい感じの自分」を目指して、
行動プランを考えていこう。
そんなプログラムです。
何か質問はありますか、と聞かれたので、
私は手を挙げました。
「アメリカで作られたプログラムなのに、
日本でもそのまま通用するのでしょうか?」
我ながら、なかなか鋭い質問です。
宗教観や文化の違いはあるものの、
大部分は日本でも十分適用できるとのことでした。
次に質問したのは、時々幻聴が聞こえて大声を出す、えみ子さん。
「いい感じの自分が分かりません。」
初めて聞いたときは、
「幻聴が聞こえていたら、そう思うよね。」
そのくらいにしか感じませんでした。
でも、よくよく考えてみると。
ものすごく深い言葉です。
というか。
私も、「いい感じの自分」って分かっていないかもしれない。
分かっていないからこそ、ここに入院しているのかもしれない。
その後のプログラムも半分くらいしか頭に入らないほど、
えみこさんの言葉が頭の中をぐるぐる回っていました。
みなさんは、
「いい感じの自分」って分かりますか?
分かる人。
分からない人。
分かるけれど、自信はない人。
きっと、いろいろだと思います。
私は、もともと自分で言うのもなんですが、明るくてお調子者のタイプです。
でも、その性格がたたって深酒をしたり、
仕事では完璧主義な一面が出て、
つい残業を重ねてしまったり。
そんな生き方が、「元気な自分」なんだと思っていました。
そして、その先に待っていた入院。
もしかしたら。
私はずっと、無理をしていたのかもしれません。
そんなことを考えました。
プログラムは進み、「状態が悪くなったとき、何をしてリカバリーするか」というワークショップへ。
付箋にアイデアを書いて、壁に貼っていきます。
私が書いたのは、
・美味しいものを食べる
・よく眠る
・ヘッドスパに行く
・音楽を聴く
・友達と話す
・子どもをぎゅっと抱きしめる
他の方からは、
スポーツ観戦、動物と触れ合う、歩くなど、自分にはなかった視点もたくさん出ていて、とても参考になりました。
最後は、一人ひとり感想を話して終了です。
ある参加者は、
「薬を飲む以外にも、リカバリーの方法があると知れて良かったです。」
と話していました。
私は、えみ子さんの
「いい感じの自分が分かりません。」
という言葉が、とても印象に残ったことを素直に伝えました。
「ありがとうございます。」
えみこさんが言います。
「こちらこそです。」
そう返して、プログラムは終了しました。
「いい感じの自分って、どんな自分なんだろう。」
そんな大きな問いを持ち帰ることになった、体験会でした。

たまにはこういうのもいいよね
白石先生と青木先生は実際は男性です
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わぉ、こんなスットンキョウな私にチップを贈りたいと思ってくれたんですね。その気持ちだけで十分です。すみませんカッコつけました、チップぜひお願いします(土下座)