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13. 検尿クエスト【すっとんきょうな出来事 〜精神科に入院した私の記録〜】


※この記録は実体験をもとに書いています。登場人物はすべて仮名とし、個人が特定されないよう、一部の設定や時系列などの細部を変更しています。

おはようございます。
スットンキョウと申します。

入院して3日目くらいでしょうか。

看護師さんから、
「検尿をお願いします」
と言われました。

病院ですからね。
はい、と素直に従います。

東エリアの女子トイレで、紙コップに検尿を済ませます。

ところで、この病院。

トイレですら、
なんでやねん。
とツッコミたくなる特徴があります。

個室が4つあるのですが、
全部便器のタイプがバラバラなんですね。

なんでやねん!

想像つきます?
病院のトイレに入ったら右に2つ、左に2つ個室があって
全部バラバラ。

左奥はウォシュレット付きの最新型。

左前は白い便座で一番安そうなシンプルタイプ。フタは有り。

右の2つは薄ピンクの便座だけど、フタの有り無しが違う。

なんでやねん!!


こうなると、もうどうなるかは分かりますね。

みんなウォシュレット付きに入りたがります。

なんせそこが最新で、便座も温か。

朝ごはんのあとは取り合いです。

なので、わたしのお気に入り便座は
むしろ左前の一番安そうな便座でした。

なんとなく使用率が低そうなのと、フタ付きなのがポイントです。

お気に入り便座ってなんやねん!!!


さて、検尿の話に戻ります。

看護師さんから紙コップを渡されたものの、説明はほとんどありませんでした。

とにかく採って提出すればいいらしい。

お気に入り便座で採取を終え、尿入り紙コップを持って個室を出た瞬間。

気付きました。

このコップ、どうしよう。

手、洗えない。

いや、物理的には洗えます。

でもそうすると、尿入り紙コップを一度洗面台に置くことになります。

なんだか、尿から放出される目に見えない菌が洗面台に付いたら嫌だなぁ。

みんなも嫌だよね。

(※これは症状による妄想ではなく、わたしが変なところで潔癖なだけです。)

脳内にコマンドが現れます。

▶︎ 手を洗う
▶︎ 手を洗わない

悩んだ末、

▶︎ 手を洗わない

を選択。

ナースステーションにさっと提出してから戻って手を洗う作戦です。

トイレのあとに手を洗わないなんて、
わたしの流儀ではありえません。

でも、ここは精神科病棟。

流儀を曲げなければならない場面もあります。

尿入り紙コップを大事に持ち、そっとトイレを出ようとすると——

「ちょっと! 手、洗ってないんじゃないですか?」

やばい。

えみ子さんです。

えみ子さんは幻聴が聞こえることがあり、時々大声を上げては保護室へ案内される方でした。

普段は穏やかなのですが、急に大声になることがあるので、毎回びっくりします。

そんなえみ子さんに呼び止められてしまいました。

まずい。

どうやら、

潔癖属性持ちだ。

いや、わたしも普段は潔癖属性なんですよ。

お気持ちはよく分かります。

心の中でそう思いながら、刺激しないように丁寧に説明しました。

「違うんです。ほら、今、検尿で紙コップを持ってるんです。

これを一度洗面台に置くのも嫌だなと思って。

さっとナースステーションに提出してから戻って、すぐ手を洗おうと思ってるんです。

わたしも手を洗わないとイヤなタイプなのできつもはこんなこと絶対しないんです。」

すると、えみ子さんは少し考えて、

「あー……。

わたしも検尿しました。

そのとき……

あっ。

わたしも手を洗わずにコップを出しに行きました。

まず提出するといいですよ。」

そうですよね、そうですよね!

ありがとうございます!

えみ子さんのお墨付きをいただきました。

堂々と手を洗わず、ナースステーションへ向かいます。

「すみませーん。」

検尿コップを提出。

そして急いでトイレへ戻り、ようやく手洗い。

手がびしょびしょになったので、そのまま部屋へ戻ってタオルで拭きます。

入院着にはポケットがなく、洗面所にはペーパータオルもありません。

なので、みんな部屋まで戻ってタオルで手を拭いているのです。

ふぅ。

検尿クエスト完了。

えみ子さんとのエンカウントも回避。

妙な達成感に包まれながら、わたしは再びラウンジへと旅立っていきました。

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スットンキョウ わぉ、こんなスットンキョウな私にチップを贈りたいと思ってくれたんですね。その気持ちだけで十分です。すみませんカッコつけました、チップぜひお願いします(土下座)